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白銀想花

オペラ座の怪人 長編
原作設定含む、2004年版映画舞台

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目次

  • 前編

    映画本編より少し前からこの物語は始まります。

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  • 後編

    ※映画本編突入。
    前編に比べ、暗い内容+痛い表現が含まれます。
    ご注意下さい。






    今日、一人の男が怪我をした。
    一生涯完治することの無い怪我をした。

    ついこの間父親になった彼は、職場の誰からも人気で頼れる存在だった。
    悪い噂など到底立つはずの無い、好青年だった。


    だけど。
    そんな彼にもやはり欠点があった。
    誰よりも知りたがりで、噂好きだった。


    だから彼は知ろうとした。

    だから彼は見ようとした。


    それが触れてはいけない、"ここ"のタブーだとは知っていたはずなのに。





    高さ10mほどの足場からリハーサル中の舞台に落下した彼。
    重力で何倍もの重さに変化した体重を支えた両足は、到底無事なわけがなく。
    衝撃で膝の骨と筋肉は飛び出し、辺り一面血の海へと変わった。
    踊り子達が悲鳴を上げるのは当然で、カルロッタも目の前の光景に気絶。
    駆けつけた支配人も身体中を震わせながら、この事故の処理を必死に考えていた。


    そう、事故として処理されるのだ。
    事故だと思っているものなど、ここにはいるはずないのに!



    幸い男は生きていたけど、両足を失った今、一体どうやって妻子を養っていくのか────同情する。
    でも、そんなこと私には関係ないけど....。





    新公演が始まるためか、カルロッタが騒ぎ出すことは無かったけど。









    オペラ座は、また見えない恐怖に怯えている。







    後編Start.

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