*三途春千夜*
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自室のソファで酒の缶を持ったまま私は項垂れていた。
先ほどからうるさく鳴るスマホが本当に煩わしい。いっそベランダから投げ捨ててやろうかと思ったが、それはさすがに気が引ける。今の時代、スマホもお高いのだ。
手に持った酒を一気に飲み干したところで、玄関の鍵が開く音がした。
「春千夜おっそーい!」
私はソファに座ったまま、玄関に向かって言い放つ。
するとリビングに現れた私のセフレ――――三途春千夜は、顔をしかめた。
「酒クセェ」
「春千夜が遅いからいけない」
「テメェスクラップにすんぞ」
そう言いながら春千夜は私を軽々と抱える。
そして寝室へと向かい、セミダブルのベッドに私を寝かせる。春千夜は器用に片手でネクタイを外すと、私の上に跨り、私に口付けようとしたところで、リビングに放っておいた私のスマホがまたうるさく鳴り響いた。
「チッ、うるせぇな」
春千夜は一度私の上から退くと、リビングへと消えていく。するとスマホの着信音はピタリと止んだ。何をしたのだろう、と不安になりベッドから上半身を起こすと春千夜が寝室へ戻ってきた。
「何したの?」
「叩き壊した」
「はぁ!?」
馬鹿なのか、こいつは。
普通叩き壊すだろうか。というか叩き壊せるものなのだろうか。そりゃ電源を切らずにいた私も悪いが、何もうるさいからと言って他人のスマホを叩き壊すだろうか。
だが”普通”じゃないのが三途春千夜という人物なのだ。
私は頭を抱えながら、明日修理に出せるかショップで聞こう、とか考えていると、ベッドに押し倒された。
「お前彼氏とかいたのかよ」
「いるって前に言ったでしょうが」
「あぁ?聞いてねーよ」
まあそうでしょうね、貴方クスリ飲んで見事にラリってましたもんね。
そのときは「そんな奴スクラップにしてやる」と言いながら私のことを朝まで乱暴に抱いた。
「別れろや」
「なに言っ――んっ」
唇を乱暴に押し付けられる。閉じた私の唇を器用に舌で開かせると、ぬるりと春千夜の舌が私の口内へ入り込んできた。反射的にその舌から逃げるように自分の舌を動かすと、逃がさないと言わんばかりに口内で春千夜の舌が動き回る。
「ふっ、んむ……んん」
観念した私は、春千夜の舌に自分の舌を絡める。
春千夜とのキスは頭が蕩けるんじゃないかと思うくらい、気持ちいい。正直彼氏とのキスよりも好きだ。
「やっぱ酒クセェ」
「……悪かったですね」
飲まないとやってらんないのよ、と心の中で毒吐いて、春千夜の首に腕を回す。春千夜はもう一度私に口付け、部屋着の上から胸を揉みしだく。
「ん、んぁっ……」
「もう乳首勃ってんじゃねぇか」
普段私は部屋着の下にはキャミソールのみでブラはつけない為、すぐにバレてしまう。
春千夜の手がするりとキャミソールの中へ侵入し、直に私の乳首を触る。
「あっ、あっ、ひぅっ……」
春千夜に触られるたびにピクン、と小さく跳ねる私の身体を見て、春千夜は楽しそうに乳首を弄る。
「はるっ、はるちよ……っ、そこばっかり、んあっ、やっ、やだっ」
「じゃあどこならいいんだよ」
ニタニタと笑いながら春千夜は言う。
私はそんな春千夜から目を逸らしながら、「なか……」と小さく言った。
「あ?聞こえねーよ」
「な、なか!!」
「どこだよ、ソレ」
「ひゃん!?」
ちゃんと言え、と少し苛立ったような声で言いながら、乳首を強く摘ままれる。
私は涙目になりながら、春千夜の手を自分の濡れたソコに持っていった。
「ここ……」
「ここをどうして欲しいンだよ」
「うっ……指、入れて、ぐちゃぐちゃにしてほしい……」
「じゃあテメェ自分で脱げ」
なんだこのムードもクソもへったくれもないセックスは。どれだけ恥ずかしい思いをさせれば気が済むというのか。
そんなことを考えても仕方がないし、何より私自身がもう春千夜を求めている為、大人しく部屋着を脱ぎ捨てた。
すると春千夜は私のナカへ容赦なく指を突っ込む。いきなりすぎる快感に私の身体はビクン、と大きく跳ねた。
「あっ!?あ、んん――――っ」
「ンだよ、指突っ込んだだけでイったのかよ」
簡単にイってしまった私のことなんてお構いなしに、春千夜は指を出し入れしたり、私の弱いところを擦ったりするものだから私はもう限界だった。
「は、はるちっ、イクっ、またイっちゃうからぁ!」
もう少しで達する、というところで、春千夜は指を引き抜いた。
私は何か気に障ることでも言ったのだろうか、と不安になりつつ、春千夜の顔を見た。
「春千夜……?」
「お前、俺の女になれ」
「……は?」
そういうことって、こんなセックスの最中に言うことなんですかね。もっとムードとかあるでしょうよ。
と、考えたところで、この男にムードやらなんやらを求めること自体が間違いなのだったと思い出す。
「俺の女になンなら挿れてやるよ」
「なっ、なっ――――」
ニタニタと笑う春千夜に対し、もう本当にこいつはなんなんだと思いながら、私は口をパクパクと動かす。
でも、正直春千夜とのセックスは彼氏よりもダントツに気持ちいい。それに春千夜は顔がいい。実は結構私の好みだったりする。
彼氏の方はと言うと、まあ、平々凡々な人間で。優しいけれど、束縛が激しい。先ほどの鬼のような電話も、彼氏からだった。
「……わかった」
こんな、セックスが気持ちいいとか、顔がいいとか、そんな理由で長年付き合った彼氏を捨てる私は、最低に違いない。
でも、本当はずっと春千夜のことが好きだったのかもれない。なんやかんや言って、こんな風に私を求めてくれたことが嬉しかった。
「じゃあ元カレはスクラップにしといてやる、よっ」
「んああっ!まっ、なんでっ、そんっなぁあっ」
春千夜のモノが一気に奥まで入ってくる。
まてまて、なぜ彼をスクラップにするのか。春千夜は何もしらないはずなのに。
「はっ、はぁっ、あっあぁ!」
奥を執拗に責められ、私の思考はショート寸前だった。
何も考えられなくなっていく。春千夜のことしか考えられなくなる。
「お前、ここ好きだもんなァ?」
「ふぁっ、すきっ、すきぃ!」
腰を突き付けられる度に、私のナカはきゅうきゅうと締まり、また絶頂を迎えそうになる。
「やっんぅっ、イクっ、イっ……あっあぁあっ!」
「……っ」
達する寸前、春千夜は強く奥を突き、共に果てた。
どろり、とした熱いものが私のナカに吐き出されるのを感じながら、私は意識を手放した。
***
「……スマホ死んでるんですけども」
ベッドの上で割れたスマホの画面を見ながら私は春千夜に言う。
「あ?叩き壊したっつったろ」
ベッドの脇でミネラルウォーターを飲んでいた春千夜に馬鹿か?と言われ、馬鹿はどっちだと返したくなる。
これでは彼氏、というか元カレに連絡できない。困った。
「んあー……どうしよ」
「何がだよ」
「スマホ!スマホのことですぅ!これじゃ彼氏?元カレ?どっちでもいいけど、そいつに別れるって連絡できないでしょうが!」
「キャンキャンうるせェなぁ……」
そう言って春千夜は、ハンガーにかけられたスーツの内ポケットから自分のスマホとは別のスマホを取り出し、ベッドに放り投げる。
「なにこれ」
「スマホ」
「いや見りゃわかるわ。なんで二台持ってんの。そしてなんでそれを私に渡すんですかね」
「いちいちうるせェんだよテメェは。黙ってそれ使っとけ」
色々と不安な部分はあるが、これ以上は本気で春千夜を怒らせてしまいそうなので、私は大人しく渡されたスマホの電源を入れる。
でもバックアップとか取れてないし、やっぱり修理に出そう。これは修理の間の代替機ということで。
そういえば、まだお互い好きと言っていない気がする。
それなのに付き合っていると言っていいものなのだろうか。
「春千夜」
「ンだよ、まだなんかあんのかテメェ」
「私のこと好き?」
「好きでもねェ女は抱かねェよ」
なんの躊躇いもなく言われた言葉に、思わず顔が赤くなる。
まさか春千夜がそんな人物だったとは。他にも女がいるものだと勝手に思っていた。
「他の男のところにでも行ってみろ、男諸共テメェもスクラップだからな」
そう言って、春千夜は私の額に軽く口付けを落とす。
いつも言ってることは物騒なのに、どこか優しさを感じる。きっとそんなところに私は惹かれてしまっていたのだと思う。
「わかってるよ」
ふふ、と笑って、春千夜の手を握る。
きっとこの先、どんな男の人が現れても私はこの人からは離れられないのだろう。
そう思いながら、私はもう一度目を閉じた。
私の話聞いてる?