*佐野万次郎*
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「俺、来週誕生日なんだよね」
携帯ゲーム機で遊びながら、唐突にマイキーが言う。
私は掃除をしていた手を止めて、カレンダーを見た。確かに、来週の二十日はマイキーの誕生日だ。
「それがどうかしたの?」
掃除を再開しながら私が言うと、「別にー?」と拗ねたような口調で返される。
「……」
「……」
しばらく無言の時間が続く。
その間に私は部屋の掃除を終え、マイキーの隣に座る。ちらり、と様子を伺うと、予想通り拗ねていた。
「冗談だよ。プレゼント何がいい?」
「いらねー」
完全に拗ねてしまっているマイキーの様子を見て、私はやらかした、と頭を抱える。
私とマイキーは友達以上恋人未満、というなんとも曖昧な関係だ。
私の気持ちはもちろん、マイキーと付き合いたいのだが、如何せんマイキーの気持ちがわからない。
休みの日に呼び出されたと思えば、部屋の掃除を手伝ってくれだなんて、期待した自分が馬鹿みたいだ。しかもマイキーは掃除なんてする気配は全く無く、ソファで寝転がってゲームをしている始末。
それでも文句を言わずに掃除をしてしまう私は、やはりマイキーが好きで、甘やかしてしまうんだろうな、と思う。
だが、こんなに拗ねられてしまっては、こちらも少し苛立ってしまう。
「……わかった。もう掃除終わったし、帰る」
私は自分の鞄を持ち上げ、ソファから立ち上がる。
すると、マイキーは思い出したように「あ、欲しいもんあったわ」と言って、私の手を引いた。
「名前」
「え、なに」
「だから、俺の欲しいもん。お前。名前が欲しい」
何を言っているんだ、と困惑している私の手を、マイキーは引き寄せる。
そのまま私はソファへと沈み、気付けばマイキーに押し倒されていた。
「お前、俺のことどう思ってんの」
「どう、って……」
マイキーの黒い瞳がまっすぐに私を見据える。
ずるい。そんな真剣な顔で、そんなことを言うなんて。
「す、き……」
私の口から、零れるようにその言葉は出た。
それを聞いたマイキーは驚いた様子もなく、ただ微笑んで、「俺も」と言って私に口付けた。
***
「んっ、まい、き……」
「どうした?もしかして痛い?」
私が苦し気に声を出すと、先ほどまで私の中で動かしていた指を止め、マイキーは心配そうに尋ねる。
私は小さく首を振り、おずおずとベッドの方を指さす。
「ベッドが、いい」
そう言うと、マイキーは「わかった」と言って私を軽々と抱き上げ、ベッドへと寝かせた。
そして私にもう一度口付けると、もう十分に蕩けきったソコへと指を這わせ、中へと入れていく。
「んぅ……っ、あっ、はぁっ」
「すげー濡れてる。名前って本当に処女?」
「……っ!ばかっ」
冗談交じりに言うマイキーを睨みつける。が、そんなものお構いなしにマイキーは指を動かす。
「んあっ!?」
「あ、ここ弱いんだ?」
突然の快楽に思わず声が大きくなった。
そんな私の反応を見たマイキーは悪戯っぽく笑うと、弱いところを執拗に責めたてる。
「あっ、あぅ……っ、だめ……!」
「何が?」
「ふぁ、ああっ、そこ、きもちぃ……!ひあっ!」
ぐっ、と気持ちいいところを押し上げられると、また私は大きな嬌声を上げる。
するとマイキーは、はぁ、と熱っぽく息を吐き、私の中から指を引き抜いた。
「そろそろ限界。挿れていい?」
私が小さく頷くと、マイキーは自身のモノにゴムをつけ、入口に当てがう。
「痛かったら言えよ?」
そう言い、ゆっくりと挿入してくる。
私が若干の痛みに顔を顰めると、少しでも気を逸らせるためなのか、マイキーが優しく口付けを落とす。
ちゅ、ちゅ、と啄むような口付けをしているうちに、マイキーのモノは全て私の中へと入っていた。
「ぁ……マイキー……」
「……っ、んな顔で見るなって……」
涙目でマイキーを見ると、いつもの余裕のある顔はなかった。
そんなマイキーがとても愛おしくて、思わず頬が緩む。
「なに笑ってんの」
「だって、嬉しくて」
「なにが?」
「マイキーと、こうなれて」
そう言うと、マイキーは深く息を吐き、私を抱き締めた。
「俺は名前とずっとこうなりたかったんだけど」
耳元でそう言われ、思わず私は泣きそうになる。それを堪えながら、マイキーの背に腕を回した。
少しの間そうしていると、マイキーは身体を起こし、私の腰を掴む。
「動いていい?」
そう、熱っぽく尋ねるマイキーに、私は頷く。
「はっ、ぁ……っ」
ゆっくりと出し入れされる度に、甘い快楽が身体に走る。
だけどだんだんとそれだけでは物足りなくなり、私は思わず、「もっと」と声を上げていた。
緩やかだった動きが少しずつ早くなる。
「あっ、あっ、あぅっ、んんっ」
「う……っ、名前、名前……っ」
マイキーのものが奥に当たる度、今までとは段違いの快楽に襲われる。
「マイキーっ、も、むり……!あっ、イく……っ、イくぅ!」
「俺も……っ」
「好きっ、好きぃ……!あっ、あっ、あぁぁ――っ」
私が絶頂に達したと同時に、マイキーも白濁とした欲を吐き出した。
***
薄っすらと目を開けると、見慣れた金色の髪が写り込んだ。
私はその髪を愛でるように撫でる。
すると、マイキーが薄く目を開け、「どうした?」と尋ねてくる。
「マイキーのこと、好きだなぁ、って」
そう言って微笑むと、マイキーも微笑んで、「俺も名前のこと好きだよ」と言って額に口付けを落とす。
友達以上恋人未満だった関係が、やっと恋人という関係になれたことが嬉しくて仕方ない。
いや待て。
セックスしたら恋人、というわけではないのでは……?
そんな不安が過ぎり、私の表情は曇る。
「名前?」
「私たちって、恋人同士……ってことで、いいんだよね……?」
その不安を、思わず口にしてしまう。こんなことを聞くなんて、面倒な女だと思われてしまうのに。
マイキーは一瞬キョトン、とした顔をすると、すぐに笑顔で私を抱き締めた。
「当たり前だろ」
その一言で私の不安は一瞬で吹き飛び、嬉しさが溢れてくる。
「マイキー、好きだよ」
「俺も好き」
「どのくらい?」
「……バブと同じくらい?」
「ふふ、マイキーらしい」
「なんだよ、それ」
これから先、恋人同士になった私たちはどんな生活をするんだろう。
そう考えると、期待で胸が躍った。
リョウカタオモイ。
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