暁その他
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お題:日常シーン10題
『海辺の夕暮れ』
by確かに恋だった
岬の上で、強い風が髪をなぶる。
下の方で、打ち付ける波が滴と散った。
昼を飲み込む水平線は、後少しで太陽をも収めるだろう。
「やれやれ、これで満足ですか」
「あーもう、雰囲気台無し! まだここ居るからね」
上から降ってきた溜め息を睨み上げる。
大げさに拗ねてみせ、目線をまた水平線に戻した。
再度落ちた溜め息は無視を決めこむ。
鬼鮫とツーマンセルで任務を終えた後、海へ連れてきて貰った。
この近くに海があると、任務中に聞いた時から、決めていた。
鬼鮫にとっては面倒な話だろうけど。
角都さん辺りに怒られますよ、と呆れながらも、付き合い良く置いて行かないでくれる。
だから。
今日、私はここに来る事にしたのだ。
「何でまた、急に海なんか来たがったんです?」
「んー、昔からの夢っていうか、憧れ」
「憧れ?」
私の育った場所には、海はなかった。
そんな私が初めて海を知ったのは、ある物語で。
心底感動した私は、幼心に決めたのだ。
「好きな人が出来たら、一緒に海で夕暮れを過ごすって」
出来るだけ何気無い風に言う。
でも、顔は段階と熱を持つのがわかった。
伝わって欲しい。
大人な彼に対して、これが私に出来る精一杯だ。
「随分と、ロマンチストなんですねぇ、貴女」
「んなっ――!」
呆れ声に抗議しようと顔を上げ、顎を掴まれる。
いつの間にかすぐ傍に来ていた彼に、息が詰まった。
「まぁ、それでも構いませんが」
低く喉で笑った彼が、楽しそうに目を細める。
随分と赤い肌ですね、なんてからかう彼が少し恨めしくて。
不意討ちで唇の端に口付けた。
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『海辺の夕暮れ』
by確かに恋だった
岬の上で、強い風が髪をなぶる。
下の方で、打ち付ける波が滴と散った。
昼を飲み込む水平線は、後少しで太陽をも収めるだろう。
「やれやれ、これで満足ですか」
「あーもう、雰囲気台無し! まだここ居るからね」
上から降ってきた溜め息を睨み上げる。
大げさに拗ねてみせ、目線をまた水平線に戻した。
再度落ちた溜め息は無視を決めこむ。
鬼鮫とツーマンセルで任務を終えた後、海へ連れてきて貰った。
この近くに海があると、任務中に聞いた時から、決めていた。
鬼鮫にとっては面倒な話だろうけど。
角都さん辺りに怒られますよ、と呆れながらも、付き合い良く置いて行かないでくれる。
だから。
今日、私はここに来る事にしたのだ。
「何でまた、急に海なんか来たがったんです?」
「んー、昔からの夢っていうか、憧れ」
「憧れ?」
私の育った場所には、海はなかった。
そんな私が初めて海を知ったのは、ある物語で。
心底感動した私は、幼心に決めたのだ。
「好きな人が出来たら、一緒に海で夕暮れを過ごすって」
出来るだけ何気無い風に言う。
でも、顔は段階と熱を持つのがわかった。
伝わって欲しい。
大人な彼に対して、これが私に出来る精一杯だ。
「随分と、ロマンチストなんですねぇ、貴女」
「んなっ――!」
呆れ声に抗議しようと顔を上げ、顎を掴まれる。
いつの間にかすぐ傍に来ていた彼に、息が詰まった。
「まぁ、それでも構いませんが」
低く喉で笑った彼が、楽しそうに目を細める。
随分と赤い肌ですね、なんてからかう彼が少し恨めしくて。
不意討ちで唇の端に口付けた。
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