砂の里短編
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お題:日常シーン10題
『駅前のコンビニ』
by確かに恋だった
「へっへっへー」
少し上機嫌に跳ねる。
仕事中なのだ、あまり大袈裟には喜べないが、確かに嬉しいのだ。
話のタネにもなるし、私だって女の子だからね。
割と顔の良い男に連絡先渡されたら、舞い上がっちゃうってモンよ。
――まあ、客と店員以上の関係になる事は、まずあり得ないけど。
こんな所で恋人探さないの。
コンビニの店員は非売品です。
少し前に見た光景を思い出し、ちょっと皮肉する。
客にモテまくってるバイトの先輩。
昨日は、変なメルヘン女に絡まれてた。
先輩は現実主義だからしっかりばっさり切り捨ててたけど。
「あんたの為に幾ら使ったと思ってるの!?」
なんて台詞、実際に聞く日がくるとは思わなかった。
ぴらぴらと、弄んでいた紙を見る。
やっぱり、連絡はしない方がいいよね。
溜め息をついて、ポケットに仕舞おうとした時。
不意に紙が上の方に持って行かれた。
「へー、名刺の裏に連絡先か。よく考えてるじゃん」
「か、カンクロウさん!」
噂をすれば影。
先輩のカンクロウさんが立っていた。
一番見られたくない相手に何故バレる。
別に、告白する勇気なんか持ち合わせてないけど。
好きな人に勘違いされるのは流石にへこむでしょう。
「これ、さっきの奴だろ。結構良い男だったじゃん」
「はあ、そうですね」
でも、カンクロウさんの方が格好良い。
顔の問題じゃなくて。
何ていうか、男前。
人間としても、先輩の方が磨きがかかってると思う。
惚れた故の補正も多分にかかってるだろうけど。
連絡するのか、という質問には、否定で返した。
やっぱりまだ、カンクロウさんが好きだから。
途端、名刺は握り潰されてゴミ箱に消えてしまった。
呆気に取られた私をよそに、カンクロウさんがメモ用紙に何か書いて寄越す。
そこには、先輩の連絡先と、その下に。
「え、カンクロウさん、これ……」
「連絡来たら脈ありと判断するじゃん」
不適に笑う姿は何より格好よくて。
肌に集まる熱は、暫く引きそうになかった。
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『駅前のコンビニ』
by確かに恋だった
「へっへっへー」
少し上機嫌に跳ねる。
仕事中なのだ、あまり大袈裟には喜べないが、確かに嬉しいのだ。
話のタネにもなるし、私だって女の子だからね。
割と顔の良い男に連絡先渡されたら、舞い上がっちゃうってモンよ。
――まあ、客と店員以上の関係になる事は、まずあり得ないけど。
こんな所で恋人探さないの。
コンビニの店員は非売品です。
少し前に見た光景を思い出し、ちょっと皮肉する。
客にモテまくってるバイトの先輩。
昨日は、変なメルヘン女に絡まれてた。
先輩は現実主義だからしっかりばっさり切り捨ててたけど。
「あんたの為に幾ら使ったと思ってるの!?」
なんて台詞、実際に聞く日がくるとは思わなかった。
ぴらぴらと、弄んでいた紙を見る。
やっぱり、連絡はしない方がいいよね。
溜め息をついて、ポケットに仕舞おうとした時。
不意に紙が上の方に持って行かれた。
「へー、名刺の裏に連絡先か。よく考えてるじゃん」
「か、カンクロウさん!」
噂をすれば影。
先輩のカンクロウさんが立っていた。
一番見られたくない相手に何故バレる。
別に、告白する勇気なんか持ち合わせてないけど。
好きな人に勘違いされるのは流石にへこむでしょう。
「これ、さっきの奴だろ。結構良い男だったじゃん」
「はあ、そうですね」
でも、カンクロウさんの方が格好良い。
顔の問題じゃなくて。
何ていうか、男前。
人間としても、先輩の方が磨きがかかってると思う。
惚れた故の補正も多分にかかってるだろうけど。
連絡するのか、という質問には、否定で返した。
やっぱりまだ、カンクロウさんが好きだから。
途端、名刺は握り潰されてゴミ箱に消えてしまった。
呆気に取られた私をよそに、カンクロウさんがメモ用紙に何か書いて寄越す。
そこには、先輩の連絡先と、その下に。
「え、カンクロウさん、これ……」
「連絡来たら脈ありと判断するじゃん」
不適に笑う姿は何より格好よくて。
肌に集まる熱は、暫く引きそうになかった。
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