木ノ葉短編
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「り・い・くんっ」
「うわっあ、清香さんっ」
修行を終え、帰路についていた我々ガイ班。
その後ろから、顔を覗かせた一人の少女、清香。
木ノ葉のくノ一で、俺たちと同期だ。
気配を消して来るので、少しは驚く……が、もう慣れた。
何せ、彼女は毎日この頃やってくる。
その目的は、俺の隣を歩いている、この男。
リー。
彼女は彼が大好きらしい、うむ。
当のリーはといえば……ああ、今日も冷や汗がすごいな。
助けを求めるような視線は、後ろ頭で受けとめる。
悪いな、リー。
正直このことだけには関わりたくない。
「リーくんっ今日こそは私と」
「ガイ先生! すみませんが今日は先に失礼させていただきます!
用事ができました全力で(逃げ)帰ります!!」
必死の形相で一気にまくしたてると、言うが早いかそこから駆け出したリー。
「ああっ待ってよリーくん! 今日もその素敵な腰と背中がたまらないっ!」
そして脳内をお花畑一色に染め、すごいスピードでその後を追う清香。
「のわっ!? 追って来ないで下さい清香さん!」
「そんなこと言われると追いかけたくなる!」
「僕はもう家に帰りますっ!」
「大丈夫! リーくんの家はいつか私の帰る場所になる所だから!
嫁入りの時は心配しないで。リーくんの持ち物は下着の柄と数から、ダンベルの重さと種類まで全て把握してるよ!」
「ひいいいもう帰ってくださいいいーーっ」
「リーくんのいるところが私の居場所なのーっ」
ああ、今日も騒がしい。
森の鳥が皆何事かと逃げていく。
「青春してるな、お前らっ!」と昔のタ○ノコアニメ顔負けの白さで歯を輝かせているガイ先生はさて置き。
テンテンと俺は呆れ顔。
何故って、あの二人。
清香は元より、リーまで、自覚は無いだろうが、顔が赤い。
何より目が嬉しそうだ。
清香はまあ、容姿はとても可愛らしいので分からんでもない、が。
何故だろう。
あの二人を見ているととても胸が騒ぎ、イライラしてくる。
ただでさえ修行後で疲れている所に、ピンクオーラ全開で騒ぐ二人。
なんというか、もう少し静かにするとかそういうことはできないのだろうか。
ああ。なんだろうか、この感情は……
「ネジ、それ、うざいって言うんだよ」
テンテンの発したその言葉が、すんなり胸で当てはまる。
ああ、そうか。そうなんだな。
この感じがうざいということなのか。
「あいつら……うざいんだな」
「うん。リア充って本当に……うざっ」
俺は今日ひとつ学習したな、と楽しそうに追いかけっこをしているあいつらを見て、頷いた。
END.