木ノ葉短編
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「あ……」
「あ!シノくん」
任務で軽く負傷したまま里に帰ると、今見つかりたくない相手に、出くわした。
俺を見つけた彼女は、軽く挨拶をした後に、手を伝う血に気づいて駆け寄って来た。
「ちょっと、シノくん!怪我してるの?」
「ああ……任務で、少しな」
幼い頃から俺と仲良くしてくれている清香は、少し年上の、俺の想い人だ。
近々開催される中忍試験では、俺の応援をする為に会場まで駆け付けるんだと張り切っている。
そんな彼女に、良いところを見せたくて修行も精を出しているのに。
怪我を見られるのが恥ずかしくて、少し腕を隠した。
そんな俺の思いも知らず、彼女は慌てた様子で俺の方に手を差し出してくる。
「腕見せて!応急処置しか今出来ないけど……消毒とかしよ」
「問題ない。何故なら、そのくらいは自分で……」
「傷に汚れが入ったら大変だから、すぐ!ほら、見せて」
力強く遮ったあと、なだめすかすように優しい口調で言う。
眉を下げた困り顔で微笑まれると、抗えなくなる。
しぶしぶ手を差し出すと、彼女は屈んで袖をまくり、優しく布で傷周りや血を拭き取り始めた。
彼女の匂いや体温が、ふっと近くなる。
彼女らしい柔らかな匂いに、柔らかな指先。
近頃、清香は急激に女性らしくなっていっている。
幼い頃はあまり違いもなかったのに。
線の細い身体は、丸みを帯びてきて、声も、少し落ち着いた響きを持つようになって。
「少し染みると思うけど、ごめんね」
そう優しく囁く声さえ、甘く深く耳に響く。
言葉を紡ぐ唇はぷっくりとして瑞々しくて。
じっとりと、それを見つめてしまう。
熱い頬も、汚い視線も、服装で全て隠れるから有り難い。
もっとも、それらを曝け出した所で、彼女が気付くかは分からないが。
柔らかい肌が触れる度に身震いしそうな程快いのを、もう背丈だって俺の方が高いのを、彼女は分かっているのだろうか。
彼女は魅力的な女性で、俺は、男だという事を。
乾いた唇をぐっと噛んだ所で、彼女は「終わり!」と袖をおろした。
「消毒と軽い止血、出来たよ〜。痛かったよね、我慢出来てえらいえらい」
満面の笑みで、彼女は俺の頭を撫でる。
可愛い弟分として俺を見る彼女は、今日も気付かない。
少し、くらいなら。
小動物でも撫でるかのように頬にも触れる彼女の手に、自分の指を絡めるようにして、握る。
味わうようにその手に頬ずりしてから、軽く手のひらに唇で触れた。
そして、最後までするりと指を沿わせながら、その手を俺から離した。
「じゃあ、俺は、報告に行ってくる。ありがとう、清香」
「あ……、うん!またね、シノくん。気をつけてね〜」
少しだけ動揺した様子の彼女の反応に、口元がゆるむ。
バレないように、足早にその場を後にした。
柔らかい彼女の肌が、彼女の匂いが、まだ残っている。
確かめるように、唇に触れ、彼女が手当てした腕に触れた。
自然と溜息がこぼれる。
嗚呼、……愛しい。
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