木ノ葉短編
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題:日常シーン10題
『横断歩道』
by確かに恋だった
「はぁ。君、飲み過ぎ」
「んなこと無いよーいっ」
まだまだ行けらぁ、なんて、鞄を振り回す。
千鳥足で言われた所で信憑性はない。
この酔っ払い。
悪態を額につけた手で押さえ、余所へ行こうとする腕を掴んだ。
普段どれだけの美人だろうと、酔っ払えば、面倒臭い。
臭い煩い見苦しいで3拍子だ。
ちらりと隣を蛇行する幼なじみを見やる。
全く、僕との飲みだったからいいものの。
他の人間だったら、この醜態どうするつもりだ。
世の中そんなに甘くないぞ。
まあ、こうして甘やかしてる時点で、僕の負けって気がするんだけど。
楽しげに歌う高い声。
相変わらず歌だけは上手い。
不意に、それが止んだと思えば、大きな瞳がこちらを向いた。
頼むから、カラオケに行くなんて言い出すなよ。
身構えていると、力の抜けた顔で彼女が笑った。
「ありがと、テンゾー」
掴んでた腕を引かれて、前屈みになる。
頬に触れた小さな感覚に、酒の色以上に肌が染まった気がした。
「んな、はぁっ!?」
「お、横断歩道! 青の間に渡るよ~!」
正気に戻って彼女を見ても、また楽しそうに歌っているだけで。
高らかに上げてる手はいつの間に繋いだの、とか。
信号機もう消えてる時間だよ、とか。
もう突っ込む気もなくなった。
ああ、でも、僕の肌色を変えた理由は知りたいかな。
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『横断歩道』
by確かに恋だった
「はぁ。君、飲み過ぎ」
「んなこと無いよーいっ」
まだまだ行けらぁ、なんて、鞄を振り回す。
千鳥足で言われた所で信憑性はない。
この酔っ払い。
悪態を額につけた手で押さえ、余所へ行こうとする腕を掴んだ。
普段どれだけの美人だろうと、酔っ払えば、面倒臭い。
臭い煩い見苦しいで3拍子だ。
ちらりと隣を蛇行する幼なじみを見やる。
全く、僕との飲みだったからいいものの。
他の人間だったら、この醜態どうするつもりだ。
世の中そんなに甘くないぞ。
まあ、こうして甘やかしてる時点で、僕の負けって気がするんだけど。
楽しげに歌う高い声。
相変わらず歌だけは上手い。
不意に、それが止んだと思えば、大きな瞳がこちらを向いた。
頼むから、カラオケに行くなんて言い出すなよ。
身構えていると、力の抜けた顔で彼女が笑った。
「ありがと、テンゾー」
掴んでた腕を引かれて、前屈みになる。
頬に触れた小さな感覚に、酒の色以上に肌が染まった気がした。
「んな、はぁっ!?」
「お、横断歩道! 青の間に渡るよ~!」
正気に戻って彼女を見ても、また楽しそうに歌っているだけで。
高らかに上げてる手はいつの間に繋いだの、とか。
信号機もう消えてる時間だよ、とか。
もう突っ込む気もなくなった。
ああ、でも、僕の肌色を変えた理由は知りたいかな。
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