木ノ葉短編
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(木の葉でハロウィンパーティー!!)
がぶり。
「ったああ!?」
なにすんのよっ!?
と、振り返ればシノがいた。
しかも、吸血鬼の姿で。
ご丁寧に牙まで生えている。
これで思い切り噛みつかれた訳か。
道理で痛い。
「し、シノ、吸血鬼なんだ……」
「ああ。だから、」
美味そうな首筋には噛みつきたい。
耳元で低い声が囁く。
ぞくりと色気を滲ませた声に思わず肩が跳ねた。
「痛かったか?」
少なからず喜悦を纏う声音に、わざとだと直感する。
私が弱い所を把握しているシノがその手を使ってくる時はよっぽど伝えたい主張がある時だ。
今度は一体何なんだと身構えていると、べろりと温かい舌が歯形をなぞる。
「ひっ」
「これで、他の男は手を出せないだろう。何故なら、これが印になるからだ」
要するに、この非日常の場で私が他の男にちょっかい出されないか心配だったらしい。
この独占欲の塊め。
これを愛しいと思ってしまう辺り、私も大分絆されている。
だが、ここは人の集まる場所だから、自重しなければ。
そう言うと、シノは少し考えた後に、囁いた。
「ならば、人目に映らなければいいだろう?」
「え、何……」
ただでさえステージ以外薄暗かった辺りが暗闇になったと思った瞬間、唇に温もりが訪れた。
背中に当たる布の感触は、シノの纏うマントのそれで。
成る程マントでキスを隠したらしい。
そういう事ではないというのは本人も承知だろうが、まあ、こんな夜ならば。
戯れに酔ってみるのもいいかもしれない。
唇を離した後も漆黒に包まれた空間で見つ合い、笑った。
「ふふ、美味しかった? 吸血鬼さん」
「最高だ。――だが、横取りされないか気にかかる。もう片方の首筋にも印を……」
「お調子にのるんじゃないの」
「あたっ」
ハロウィンの夜は更けゆく。
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