Walk side by side.
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彼女の言葉が理解出来なくて、固まる。
聞き間違いか、夢か、と現実を疑っていると、追い打ちにぎゅっと袖口が握られた。
「お願い、一緒に寝てほしいの……」
「……何故だ……」
身を起こして見ると、暗闇に慣れた目に、枕を抱いた彼女が見えた。
酔いがまだ残っているのか、ぼうっと潤んだ瞳が切なげに揺れている。
「……1人で寝たくないの。今すごく寂しい、から……」
お願い、と再度訴えられ、ぐっと口を引き結ぶ。
一度目を閉じて静かに息を吐き、覚悟を決めた。
「……わかった。一緒にベッドへ行こう」
「ん。……ありがと」
頷き俯く彼女に、思わず眉根が寄る。
僅かに震えている肩は、気の所為ではないのだろう。
彼女に背を向けてベッドに横になる。
一人用のベッドだ。
大柄な俺と小柄な彼女とが入ると、ちょうどギリギリだった。
彼女を圧迫しないよう気を付けて、心持ち端に寄る。
その気を起こすつもりが無いとはいえ、彼女の温もりを背に密着させるのは身に毒だった。
「シノ……」
「どうした?やはり、窮屈か」
「ううん。こっち、向いてくれないの?」
「……それは、出来ない。何故なら……」
言いかけた所で、彼女が俺の背中に寄り添った。
吐息の温かさが、首筋に触れる。
耳元に、震える声が囁いた。
「シノなら、私、いいと思うの。だから……」
すり、と縋るように項に額がつけられる。
「ねぇ……、慰めて?」
「っ……!」
ぐっと歯を食いしばり、身を反転させた。
彼女の潤んだ瞳を見つめる。
そして、はっきりと告げた。
「清香。駄目だ」
「なん、で」
その瞳に宿る月明かりが、大きく揺れる。
今、この想いを清香に伝えなくてはならない。
俺の大切なものを、守る為に。
「お前を、あの男と同じにする訳にはいかない。
何故なら、俺にとって……清香が大切だからだ。
お前と共に過ごしたいと願った事は幾度となくある。
だが、それは今ではない」
俺が大切だと思う様に、清香にも自身を大切にして欲しい。
それが伝わってくれと願いながら、優しく、彼女の背中に腕を回した。
「俺は、あの男とは違う。今はこうして……ただ傍にいる。
だから、安心して休んでくれ」
「シ、ノ……。っ、うぅぅ」
大きく、彼女の肩が震えた。
そして、彼女は俺の服に縋って、子供の様に泣きじゃくった。
「好き、だったの……!ほんとに……っ、あの人だけって、思ってたのっ……!」
わぁわぁと声を上げながら、胸に抑えていた気持ちを清香が吐き出していく。
その気持ちをしっかりと受け止めたくて。
少しだけ力を込めて、彼女の細い肩を抱いた。
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