Walk side by side.
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飲み続けて夜も更け。
皆それぞれ頬が赤く染まった頃。
そろそろ解散の流れとなった。
「いの、サクラ。お待たせ、迎えに来たよ」
「んー、ありがとう〜サイ。サクラ、ちゃんと歩けるー?」
「なんとか〜。久しぶりで調子乗ったわ……」
「あはは、気を付けなよ。サクラは重いから、ちゃんと歩いてね」
「うるっさい!」
いのとサクラは、迎えに来たサイに送ってもらう様子だ。
入り口から外に吹っ飛んだサイが無事であればの話だが。
飛んでいったサイと入れ違いに、赤丸が鼻を鳴らして顔を覗かせる。
机の上に潰れているキバの肩を揺すった。
「キバ。赤丸が心配している。起きろ」
「んへぇ、赤わいん〜?」
「しっかりしろ、帰るぞ」
なんとかキバを立って歩かせて、赤丸の背中に預ける。
むにゃむにゃと赤丸よりも人語があやふやだが、赤丸がついていれば大丈夫だろう。
さて、残るは潰れているもう一人だが。
「じゃ、シノ。清香よろしくね」
「なっ!?いや……」
当然の様にいのに任され、ぎょっとした。
彼女の家も知らない俺に、どう送れというのか。
戸惑っていると、いのがずいっと顔を寄せる。
「何の為に下戸のアンタ呼んだと思ってんのよ。
チャンス作ったんだから、感謝してものにしなさい」
「頑張ってねっ、シノ!」
バシバシとサクラからも肩を叩かれ、そのまま彼女達も外へ行ってしまう。
残ったのは、酒も飲んでいないのに顔の染まった俺と、涙の筋を頬に残して眠る清香だけだった。
仕方なく、清香を抱えて俺の家に向かった。
冷えた夜気に火照った頬が触れて、胸が落ち着かない。
清香に目を覚まして欲しいと願いつつ、このままでいて欲しいと願う。
そんな葛藤に揺れながら、家に着いてしまった。
足の覚束ない彼女を支えながら、なんとか鍵を開けて部屋に入る。
なるべく目の前の光景を意識しないように努力しながら、彼女の靴と上着を脱がせて、ベッドに寝かせた。
教員の模擬試験より疲労を覚えた。
深く息を吐いてから、俺も上着を脱いで、部屋着に着替えた。
茶でも飲んで落ち着くか、と湯を沸かす。
湯呑を用意してキッチンから戻ると、彼女と目が合った。
「あれ。ここ、シノの家……?」
「あ、ああ……。すまない。酔い潰れていたから、ひとまず、俺の家に運んだ。
茶を淹れた所だが、飲むか?」
「あ、うん……。ありがと」
未だぼやけた目をしている彼女に、こぼれない様に気を付けながら湯呑を持たせる。
ゆっくりと口をつけてコクリと飲み下すのを見てから、俺も湯呑に口をつけた。
「もう遅い時間だし、まだ酔いも醒めきっていないだろう。
清香が嫌でなければ、今夜は泊まっていくといい。
勿論、帰るならば家まで送ろう」
「いいの?じゃあ……お言葉に甘えて、一晩泊めて貰おうかな」
「わかった」
「ありがとう。
あと、ほんとに申し訳ないんだけど……何か服を借りてもいい?着替えたくって……」
「あ、ああ。そうだな。用意しよう」
湯呑を干してから、着替えを渡して扉を閉める。
結局、下も用意したがサイズが違い過ぎて着られず。
彼女は、俺の持っている一番大きなシャツをワンピースの様に着る事になった。
「色々ごめんね、ほんとに……」
「大丈夫だ。清香はベッドで寝るといい。俺は、こっちのソファで寝る」
「え、でも……」
「問題ない。ゆっくり体を休めてくれ」
電気を消して、ソファで毛布にくるまる。
シャツの裾から伸びていた白い脚を頭から締め出す様に、瞼を閉じた。
静寂に耳が慣れた頃、衣擦れの音が大きく響いた。
そして、裸足が床を踏み歩く音。
それは俺の方にやってくると、ついっと袖を引いた。
そして、囁く声に鼓膜が震えた。
「シノ……一緒に寝てくれない?」
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