Walk side by side.
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日も落ちた頃、待ち合わせ場所を訪れる。
すぐに皆もちらほらと集まって来て、全員で店へ向かった。
いのとサクラは、清香に付き添う様に傍で話している。
「ほんと、ごめんね。沢山聞いて貰ってばっかりで」
「水くさい事言わないでよー。何かあったらお互い様でしょ」
「そうそう。今日は沢山吐き出していこ!
公平な意見を聞ける様に、暇そうな男共も呼んだからさ」
後ろを歩いてた俺とキバに、視線が向けられる。
「暇そうってのは酷いなー。
女の子が傷付いたなら、即駆けつけるのが男ってもんだろ〜」
「キバが言うとミョーに下心を感じるのは何故かしらね……」
「んな!俺は純粋に心意気としてだなー、」
「何故なら、それは概ね事実だからだ」
「あーっ、シノおめーまで!このムッツリ裏切り野郎!」
「ムッツリではない」
ぎゃあぎゃあと賑やかなやり取りをしていると、清香が笑ってくれた。
それを見ると、俺も口の端が緩む。
やっぱり彼女の笑顔が好きだ。
胸の温かさを感じながらも、彼女の目元の赤みだけが、僅かに影を落としていた。
居酒屋に着いてから、軽くそれぞれの近況等を話しつつ、酒を酌み交わす。
二杯目に口を付け始めた頃に、本題である清香の話が切り出された。
ある程度ついていた予想の通り、彼女の恋人は浮気をしたらしい。
つい先日に浮気の現場を目撃し、その後に証拠も確認し、事実なのだと。
「彼、優しい人だったんだ。だからその娘の力になってあげてるうちに……って感じみたい」
悲しげな彼女が、無理に笑ってみせる。
「あはは、だからちょっと迷っちゃってるんだ。許すか……終わらせるか。我ながら優柔不断だわ」
思わず、拳に力が入った。
そこに至ってしまうなら、その男のそれは優しさではないだろう。
彼女を、傷付けておいて。
優しさ等と綺麗な言葉で片付けないでほしい。
「いや優しいからとか、普通ないない。サイがそんな事してきたら、速攻で心転身して思い知らせるわ、私」
「私も。綱手様に許可貰って、どこか割ってもいい土地にサスケくんを連行するわね」
「すぐに報復が出てくるお前らがマジでおっかねーよ……」
キバが身をのけぞらせて慄く。
俺も、彼女達の交際相手の肝の太さを素直に尊敬した。
「でも、実際それくらい有り得ない事でしょ、浮気なんて」
「いくら向こうから誘われたとしてもさ、しなくない?どう?」
水を向けられ、キバが唸って腕を組む。
「まぁ普通はねぇよ。しかし、据え膳食わぬは男の恥とも……ゥボッ」
「こんな話の流れでなんつー事言ってんのよコイツは」
「人選間違えたか……」
最後まで言い切る前にサクラから鉄拳が飛んだ。
いのも呆れて頭を抱えている。
キバらしいが、流石にフォローする気にはなれなかった。
「シノは?どうすると思うの」
流れを変えようと、いのはこちらに問うてくる。
俺は、多少怒りの籠もった声音で、毅然と返答した。
「俺は、そんな事はしない。何故なら、男とは、大切な人を守るものだからだ」
言い切ると、おー、と感心した様子でこちらに注目される。
少し面映ゆい。
「え……、なんか凄く良いこと言うじゃない」
「シノって意外と熱血なとこあるわよねー」
「なんだ、今更良さに気付いたのか?
ま、その分ちょっと重い所もあるけどな〜」
「なーんでアンタが自慢げなのよ」
呆れたように言った後、サクラが清香に向き直る。
「とにかく、清香。やっぱり、離れてても大切に思ってくれるって確信は大切だと思うわ」
「おー、サクラが言うと重さが違うなー」
うんうん、といのも俺も頷く。
「ま、ホントそうよね。清香。
やっぱりそんな奴とはさっさと別れてさ、次はこういう根っから真面目な男と付き合えばいいわよ」
指をさされ、清香と目が合う。
緊張してドキリと心臓が跳ねた。
「……確かに。次は、シノみたいな人と付き合えたらいいな」
清香はまだ弱った目をしていたが、へにゃりと笑ってくれた。
キバが力強くグラスを掲げ、声を上げる。
「よーし!んじゃ、たんまり飲もうぜ!恋の傷は飲んで忘れるに限る!」
「飲みたいだけでしょ、キバ。でも、久しぶりだし!私もまだまだ飲むわよー!」
「清香も沢山飲んで酔って泣いちゃいなさい。ほらほら、次は何飲むー?」
「ふふ、そうだね。えっとー……」
そうして、酌み交わすグラスの音は鳴り続けた。
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