抒情歌
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「あなた、誰ですか……?」
彼女の声が震えて響く。
嗚呼、彼女が俺を見て、俺だけに意識を向けている。
彼女の意識に触れれば、俺に対する不安や困惑で溢れかえっていて、思わず舌なめずりしてしまう。
嗚呼、これだ。
今まで通りだ。
久しぶりのご馳走に飛びつきたくなるが、味見程度に抑えておく。
これからメインディッシュを仕上げるのだから、まだ我慢せねば。
彼女の苦手な暗闇の濃い世界を作り出す。
ねっとりとした笑みだけを文字通り宙に浮かべ、尻もちをついている彼女を見下ろした。
「悪夢へようこそじゃん、清香。今夜は久しぶりに……たっぷり、楽しもうぜ?」
ぬぅっと身体を現し、頬から耳を舌で舐め上げる。
小さく叫んだ彼女が逃げ出すのを見送り、また辺りの闇に溶けた。
まずはたらふく恐怖を味わわせてもらおう。
俺への恐れ、嫌悪、憎悪。
この身に浴びれば浴びるほど、清香を感じて恍惚となる。
一息に彼女を捕まえたいが、もっと狩りを楽しまねば。
追い詰めて、あえて逃がして、油断させて、また追い詰める。
彼女はどんな風に足掻くのだろうか。
彼女の流す涙はどんな味だろうか。
嗚呼、想像するだけで体中が沸騰する。
今まで見たことのない清香の顔、清香の仕草、清香の声。
そして、誰も知らない、清香の内側。
早く、早く味わいたい。
熱を孕んだ吐息を奥歯で噛み締め、爪の出た足を地面に押し付ける。
グルル、と喉で唸ってから、清香との鬼ごっこを開始した。
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