シンデレラ
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「責任を、取りたい」
あくる日の朝。
ちょっと話しをても良いかと、朝食に誘って近くのカフェに入った。
向かい合ってそう言うと、彼女は驚いたような顔で押し黙ってしまった。
緊張で、テーブルの上で組んだ手に力が入る。
「あなたと、なし崩しのように関係を持ってしまって、申し訳なく思っている。何故なら、そういう事は、もっと、ちゃんと……」
「ねぇ。まって?」
もたもたと言葉を探しながら話していると、すっと彼女の手が重なった。
穏やかな声が、朝の光に似合って溶ける。
「なんだかその言い方だと、シノさんが悪いことをしたみたい。私は、シノさんと過ごせて嬉しかったです。シノさんは違いましたか?」
「勿論、同じだ。あなたと過ごせて、嬉しかった……」
昨夜を思い出して、恥ずかしながら、頬に朱が指すのを感じた。
彼女はゆるりと微笑みながら、小首を傾げてみせる。
「なら、私は他の言葉が聞きたいです。私、これまでも昨日も、望んでシノさんと一緒に居たんですから」
「……っ」
『お前はちゃんと自分の気持ちに向き合え。そこまで来て言い訳なんか考えんな』
キバの言葉が、脳裏に蘇る。
俺の言葉を待つ彼女を見つめて、口を引き結んだ。
彼女に渡すべき言葉を、頭の中でかき集める。
彼女に、本当に言いたい言葉を。
整理の為の沈黙の後、顔を上げた。
「清香。昨夜、俺は酔った勢いであなたに手を出した。だがそれは、決して軽い気持ちからあなたを求めた訳ではない。
何故なら俺は、あなたを愛しているからだ」
置かれていた彼女の手を、包むように優しく握る。
「俺と、付き合って欲しい」
「……はい。ふふっ、喜んで」
はにかむ彼女の頬は、俺と同じように染まっていて、愛らしかった。
嬉しさや愛しさで胸が詰まって、ただ一言を絞り出すので一杯になる。
「ありがとう。愛している……清香」
朝日の中、幸せを噛み締めて、ただ誓うように彼女の手に口付けた。
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