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と、そんな事を思った翌日。
シノの口からこんな言葉が飛び出して来た。
「清香……。本当にすまないが、もう一度だけ恋人役をしてもらえないだろうか」
「……!!」
信じられない、このデリカシーの無さ。
この間は一言も褒めず素っ気ない態度を取っておきながら、必要になったら女になれと言うのか。
即刻拒否ってやろうかとも思ったが、ぐっと留まる。
コイツにとっては私はただの友達だし、この問題での唯一の協力者だ。
コイツがまた頭を下げるなんて、何か退っ引きならない事態なのかも知れない。
それに、怒りが落ち着くと、私は確かに喜んでしまっていた。
一度俯いて息を吐いてから、頷く。
「はぁ。わかった」
「本当か?」
ほっとした様な声で言われてしまい、自然と胸が高鳴る。
苦しさが染み付いてくる。
それでも、シノの隣にいたい。
我ながら乙女過ぎる思考に、何だが辟易して、悲しくなった。
じゅういち。