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一体、何が悪かったというのだろう。
ベッドにうつ伏せになったまま、考える。
シノに意識して欲しくて、敬遠してたデパートにも行った。
服を買って、化粧品コーナーのオネーサンに相談もした。
手近にあった、最近の私の教科書である雑誌を取り、ページを捲る。
『カレの視線釘付け! 流行モテかわスタイル』
「……っ」
ばんっと床に叩きつける。
確かに、皆からの評判は良かった。
でも、一番欲しい人からは、言葉どころか視線すら逸らされて終わった。
「何でよ……!」
下からお母さんがご飯だと呼んでいる。
けれど今は食べる気にならなくて、結局、その日は何もせずに朝まで眠ってしまった。
何があろうと朝は来る。
多少すっきりした頭で、色々、ヤツの行動について考えてみた所。
思い至ったのは、シノの前では私は女になるべきじゃないという事だった。
ただの女友達である私に、シノは女としての意識を向けていない。
しかも、女らしくなった私に対してあの態度。
感情的に考えるなら、嫌われたかと思うが、冷静に考えるなら、次の2つの理由が有力だ。
長年の経験から、女らしい女に嫌悪感がわく。
もしくは、私が女らしい格好をした事で、嫌な『デート』関連の記憶を思い出した。
正直、嫌な態度を取ってやりたいのが山々なんだけど。
それで本当に関係に溝が出来るのは私が耐えられない。
根暗なアイツは、ちょっと拒絶されれば簡単に人と距離を取る癖もある。
うん、我ながら面倒な男に惚れた自覚はある。
「どーしよ」
もう、諦めるべきか。
朝食に用意した食パンすら上手く焼けず、気分が萎える。
がりりとかじった角は苦く、最早ため息しか出なかった。
じゅう。