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「はぁ、ちょっと疲れた」
小物に夢中になっている女子達から、一時離脱する。
別に、今まで適当にしてきたからと言って、興味が無かった訳じゃない。
皆で集まった時、男子達と騒ぐのも楽しいけど、女子らしい遊びにも確かに憧れていた。
だから、今日は夢が叶った様で、本当に楽しい。
けれど、不慣れな事は疲れを伴う。
こればっかりは仕方ない。
そして、慣れている空間といえば――ただ1人の隣、だけ。
チラと目を走らせると、男子の群れの端にアイツはいた。
少し迷ったが、覚悟を決めて歩み寄る。
「やほー。シノ」
「、清香」
戸惑った声音で名を呼ばれ、少し期待する。
ひょっとして、今日の私の姿に意識してくれてるんじゃないだろうか。
一応、皆には褒められた訳であるし、可能性はあるかも知れない。
そういえば、シノからはお褒めの言葉を頂いた記憶がない。
ちょっと催促してみようか。
存外、良い言葉を聞けるかも知れない。
しかし、そんな期待は無残に打ち砕かれた。
ヤツの長身を生かして、好感を得られる様、下から覗き込んでみる。
「ね、どうよ。今日はちょっと頑張ってみたんだけどさ。やっぱり印象違う?」
「ああ……」
呟く様な返事の後、たちまち眉に皺が寄る。
驚いて怯むと、タイミングが良いのか悪いのか、次の店へ移動しようと声が上がる。
シノはふいと顔を背け、皆の後について歩き出した。
そして、それ以降まともに話す事も無いまま、その日は終わりを告げた。
きゅう.