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「ええーっ!清香? いいじゃない、その格好~」
「え、清香!? スカートだし……本当に清香よね?」
「ようやく、大人になったのね、清香」
「よく見たらメイクもしてるし。やれば出来るじゃない、清香!」
「然り気無くディスんの止めない? 2人共」
現場に着き、まず最初に反応したのはいのとサクラだった。
案の定といえば案の定、彼女達から針と綿が飛んで来る。
何せ、今までファッション関係の誘いやアドバイスを全て適当にスルーしてきたのだ。
そりゃあ、ちくちくしたくもなるだろう。
仄暗い何かを背負ってじりじり迫る2人から、逃げる様に顔を背ける。
と、男子集団の中に居るグラサンと目が合った。
一瞬、シノは虚を突かれた様に口を開いてまた閉じ、再びこちらに向かって口を開けた時、短髪がその間を遮った。
目の前に現れたキバはしげしげと私を眺めながら、おーおーと感心した声を出す。
「すげぇな女って! あの清香がこんなに変わんのかよ」
「清香ってば、まるで普通の女子みたいだってばよ!」
すかさず飛ぶ女子力が鋭かった。
サクラから空手の段位が上がったと聞いたのは、2週間くらい前だったか。
蔑んだ目と吐き捨てる様な言葉で説教され、萎れる2人が少し哀れだ。
少しだけだが。
「まぁ、安心しろ。普通に可愛いぜ、清香」
「うんうん。すごく似合ってるよ。可愛い」
「あははー。ありがと、シカマル、チョウジ」
さすが自称フェミニスト。
フォローも完璧だ。
チョウジは癒しそのものだ。
頷いていると、ヒナタがにこりと笑いかけてくる。
「ふふ。清香ちゃん、ちょっと頬っぺた赤いよ」
照れてる? と訊かれ、顔が熱くなった。
「いや、うん、まあ。今までにない経験だし。あはは、ちょっと照れる」
「でも、急にどうしたの? あんなに興味無かったのに」
「ん、ちょっと訳あって、最近雑誌とかで服とかメイクの勉強してさ。私も頑張ってみようと思って」
「へぇー、そうなんだ」
「これはいい事聞いたわね」
「よーし、今度買い物行く時は清香も一緒ね!」
「もう逃がさないわよ~」
いつの間にか背後にいたサクラといのが、不敵な笑みを浮かべる。
なんとか復活を果たしたキバ達に促され、喋りながら私達も歩き出す。
何だか今日は楽しくなりそうな気がして、口元がゆるんだ。
約一名の、複雑そうな表情には気付かないままで。
はち.