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あれから、シノとは普通に接してるが、あんなに入り浸ってた家には全く行ってない。
シノも誘っては来ないし、助かってはいるけど。
この季節に全くエアコンを要求しない私ははっきり言って不自然だ。
あ、やばい私本当に女子力皆無だ。
わしわしと頭を掻いていると、ふいに上から声を掛けられた。
頭を上げると、目を輝かせたキバが覗いている。
「なぁなぁ、清香! 来週末に通りに遊びに行くんだけどよー、お前も行かねぇ?」
「へ、木ノ葉通り?」
「そうそう! 新しい店が出来たらしくてさァ、皆で覗きがてらブラブラしようぜってんで、人数集めてんだ」
キバがにこにこと返事を待っている。
正直、気乗りはしなかった。
でも、今のままずるずる考え込んでいても、いい事はないだろうし。
気分転換にも、出歩くのはいい手かもしれない。
「ん、行くー。せっかくの誘いだし。昼から?」
「いや、10時に通り前で集合だ。昼飯はいのが5人以上割引の券持ってっからよ、そこで食おうぜ!」
「りょーかい。さすがいの。あと誰来んの?」
「あとは、ナルトとサクラとヒナタとシノとシカマルとチョウジ、だな」
「あー、マジ? めっちゃいるね」
「多い方が楽しいからな!」
「キバらしー。オケ、週末楽しみにしとくわ」
「おう! じゃあな!」
ひらひらと手を振って去るキバを見送る。
その姿が完全に後ろを向いた瞬間、私はバタンと机に突っ伏した。
「マジかー……」
冗談じゃないし、嘘じゃない。
さっきのメンバーの中に、シノもいた。
友達だから、デートじゃないから、変じゃない。
変じゃないけど。
明らかに友達のそれと違う胸の弾みに戸惑う。
「当日、変に意識しない様に気を付けないとなぁ」
「え、なに、清香キバが好きなの」
「はぁ!? 違うし!」
隣から聞こえた若干引いた声に思わず声を荒げる。
見れば、教科書を手にした友達が横に立っていた。
どうやら移動教室の誘いに来たらしい。
ほっとした様なつまらない様な様子の友達を横目に、私も教科書を揃える。
恋バナに敏感な彼女だ。
何か理由を考えないとおかしな事態になりかねない。
脳裏に浮かぶグラサンを削除して、必死に頭を回転させた。
「えー、じゃあ誰なの?」
「誰でもない。だから、えっと、服! 変な服は着ない様にしないとって」
「ああ、何だぁ。でも、そうだよねぇ。清香さ、いつも制服とかだし」
なんとか納得してもらえてほっとする。
と、同時にちょっと腹が立つのは何ででしょう。
「でもさ、チャンスじゃん! オシャレしていきなよ! ガサツな男共はともかく、声掛けられたりするかもよ~」
「ないない。んー、まあ、アウトな格好にならない様に頑張る」
「うんうん。可愛く頑張れ~」
そのまま、次の授業の話になり、その話はもう出て来なかった。
けれど、私の頭にはこの会話がずっと巡っていた。
青天の霹靂だ。
意識してもらう。
シノに、私を。
そしたら、少しは何かが変わるかも知れない。
「……よし」
週末、自分なりに頑張ってみる事を決意した。
しち.