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最近、下級生の子達の間で話題になってる事がある。
琥珀色の目をした格好いい人がいる、と。
うちの制服を着ており上級生の様だが、そんな生徒は誰も知らない。
だが、そこかしこで目撃されてはいるらしい。
新たな噂の種は絶えない。
「誰なんだろうねー」
「……さあな」
いちご牛乳をふくみ、気だるく言う。
適当に返事する隣の男は、特に興味もなさそうだ。
折角話しているのに等と傲慢な事を考えて、手元のパックを空にする。
まあ、そりゃ女の子の話題ですし。
男は興味ないでしょうけれどもさ。
「お前は、興味があるのか」
「んー、少しね。シノだって、絶世の美女が隣のクラスに来たって言ったら、ちょっとは気になるでしょ」
「なるほど」
そう、世間話程度の興味だ。
身近にイケメンがいるかも知れない。
しかも正体は謎。
へぇ凄いね、みたいな。
「まぁ、私は関わる事なんて無いと思うけど」
「そうか」
「……何、シノ今日いつも以上にノリ悪くない?」
「、そんな事はない。それより、もう予鈴だ。移動するぞ」
早口にそう言って、シノは席を立つ。
いつもゆるい動作の奴にしては、いやに俊敏だ。
らしくないなと思いながら、追及はせずに、私も腰を上げた。
それが一昨日の事だったから。
驚きもひとしおだった。
同い年かも知れないから、探してみよう!
なんて友達の提案で、街に繰り出し、遊んでいた。
目的より寄り道に本腰が入っていた為、見つかる訳などないと思っていたのだが。
「清香、ねぇ清香! いた、琥珀色!」
なんて言葉に振り返って、そのまま目が皿になったのである。
絶句した私をよそに、友達は陰から覗いてはしゃいでいる。
「え、アレ、え」
「えー、まじイケメンじゃん! 制服じゃないけどさ、同い年っぽいよね!」
「は、何言って……」
「声掛けてみる!?」
気付いていないのか、友達はミーハー根性丸出しだ。
止める間もなく私の手を引き、彼女は道へ躍り出る。
やばい、詰んだ。
青ざめた折、幸いにも彼の方が気付いてくれて、身を翻して逃げていく。
まあ、一瞬合った顔で、私が気付いた事はバレているだろうが。
あーあ、明日から顔合わせてくれるかな、アイツ。
残念げにしょぼくれる友人を宥めながら、内心盛大に溜め息を吐いた。
いち.
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