サブリナちゃん(下) 侍と侍
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ディナーのお誘い??
どーゆーこと??
文はいつもの調子だけど、何回読んでも夜ごはんをごちそうするので来てくださいって主旨だ。
しかもお店を検索したら、いちげんさんお断りの超高級店らしい。
とりあえずその日は「すまいる」に出勤するし、からかってるんだろうと思って、私はすぐに断りの返事を入れた。
数分後、空いてる日を教えてほしいお給料はその時に直接渡しますって内容のメールが来た。
― 女に幻想抱いてるタイプじゃね?
これってマジでヤバい展開なのかな。
でも、さぶちゃんはそんな事する人じゃないから大丈夫だって。
さぶちゃんは大丈夫?
私は、一体彼の何を知ってるんだろう?
本名も、住んでいるところも、勤め先も、家族構成も、何も知らない。
お金持ちの自称エリートだけど、いい人なのか悪い人なのか判断できる材料は一切ない。
高級腕時計を身に着けて、運転手付きのクルマに乗っていること以外わかってない。
うーん。
あの黒塗りのクルマだって、「ヤ」のつく職業の幹部も乗り回せるんだし。
彼は裏社会のエリートなのかもしれない。
それで、私のようにお金に目がくらんだ女の子を手なづけて、頃合を見計らって売り飛ば…!
さすがに考え過ぎか。
空いてる日を教えてくださいって事は、さぶちゃんの誘いは本気だ。
となると、この先ずっと忙しいという口実で乗り切るには無理がある。
でも、きっぱり断ると今後のメル友稼業に影響しそうだ。先方が気分を害さない理由を探さないと。
男の人と二人きりで食事すると兄に叱られるので行けません。と書いて送信した。
ここまで書けば引き下がるだろう。
畳みかけるように、それなら「ノブたす」を連れていきます、私はエリートですので心配するようなことは一切ありませんという内容の返事がきた。
「ノブたす」ってポンデ好きの部下か…。
私は女だって思い込んでるけど、さぶちゃんが裏組織の幹部だとしたら、「ノブたす」は子飼いの殺し屋なのかもしれない。
そもそも、彼があんな文体のメールを書いてるなんて誰も信じないだろう。
ネットでは性別も年齢も身分もいくらでもごまかせるのだ。
― お金よりも大切な物を失う前に…
同僚の言葉が頭をかすめる。
お給料は惜しいけど、潮時か。
メル友はこれっきりにしよう。
直接電話した方がいいのかな、でもメル友だからメールでバイトやめますって連絡すればいいか。
どうしよう。
「そろそろ出るぞ~。」
迷いに迷ってると銀さんが声をかけてきた。
今夜は、二人で例の定食屋に行って、銀時丼を食べる約束をさせられている。
「ごめん、メールすぐ終わる。」
「画面見つめて浮かねー顔してるけど、サブリナちゃんとケンカでもしたのか?っーか、いい加減ウチに連れて来いって。」
「メル友やめようってお別れの文章考えてるところ。食事に誘われたけど、一対一ってのが気が引けて断りのメール入れたんだ。そしたら、向こうが『ノブたす』連れてくから心配い…
「オイ、今、何て言った?!」
「だからメル友やめ…
「そっちじゃねェ!!連れてく女の名前!!」
「『ノブたす』って…
そう言うなり、銀さんは携帯電話をひったくった。
ボタンを操作し、一通ずつ確認している。
ポンデの画像が添付されたメールを見ると、手が小刻みに震えはじめた。
どーゆーこと??
文はいつもの調子だけど、何回読んでも夜ごはんをごちそうするので来てくださいって主旨だ。
しかもお店を検索したら、いちげんさんお断りの超高級店らしい。
とりあえずその日は「すまいる」に出勤するし、からかってるんだろうと思って、私はすぐに断りの返事を入れた。
数分後、空いてる日を教えてほしいお給料はその時に直接渡しますって内容のメールが来た。
― 女に幻想抱いてるタイプじゃね?
これってマジでヤバい展開なのかな。
でも、さぶちゃんはそんな事する人じゃないから大丈夫だって。
さぶちゃんは大丈夫?
私は、一体彼の何を知ってるんだろう?
本名も、住んでいるところも、勤め先も、家族構成も、何も知らない。
お金持ちの自称エリートだけど、いい人なのか悪い人なのか判断できる材料は一切ない。
高級腕時計を身に着けて、運転手付きのクルマに乗っていること以外わかってない。
うーん。
あの黒塗りのクルマだって、「ヤ」のつく職業の幹部も乗り回せるんだし。
彼は裏社会のエリートなのかもしれない。
それで、私のようにお金に目がくらんだ女の子を手なづけて、頃合を見計らって売り飛ば…!
さすがに考え過ぎか。
空いてる日を教えてくださいって事は、さぶちゃんの誘いは本気だ。
となると、この先ずっと忙しいという口実で乗り切るには無理がある。
でも、きっぱり断ると今後のメル友稼業に影響しそうだ。先方が気分を害さない理由を探さないと。
男の人と二人きりで食事すると兄に叱られるので行けません。と書いて送信した。
ここまで書けば引き下がるだろう。
畳みかけるように、それなら「ノブたす」を連れていきます、私はエリートですので心配するようなことは一切ありませんという内容の返事がきた。
「ノブたす」ってポンデ好きの部下か…。
私は女だって思い込んでるけど、さぶちゃんが裏組織の幹部だとしたら、「ノブたす」は子飼いの殺し屋なのかもしれない。
そもそも、彼があんな文体のメールを書いてるなんて誰も信じないだろう。
ネットでは性別も年齢も身分もいくらでもごまかせるのだ。
― お金よりも大切な物を失う前に…
同僚の言葉が頭をかすめる。
お給料は惜しいけど、潮時か。
メル友はこれっきりにしよう。
直接電話した方がいいのかな、でもメル友だからメールでバイトやめますって連絡すればいいか。
どうしよう。
「そろそろ出るぞ~。」
迷いに迷ってると銀さんが声をかけてきた。
今夜は、二人で例の定食屋に行って、銀時丼を食べる約束をさせられている。
「ごめん、メールすぐ終わる。」
「画面見つめて浮かねー顔してるけど、サブリナちゃんとケンカでもしたのか?っーか、いい加減ウチに連れて来いって。」
「メル友やめようってお別れの文章考えてるところ。食事に誘われたけど、一対一ってのが気が引けて断りのメール入れたんだ。そしたら、向こうが『ノブたす』連れてくから心配い…
「オイ、今、何て言った?!」
「だからメル友やめ…
「そっちじゃねェ!!連れてく女の名前!!」
「『ノブたす』って…
そう言うなり、銀さんは携帯電話をひったくった。
ボタンを操作し、一通ずつ確認している。
ポンデの画像が添付されたメールを見ると、手が小刻みに震えはじめた。