サブリナちゃん(下) 侍と侍
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「強い??確かにさぶちゃん強かったけど、銀さんの方が全然強いよ。多分。」
「そりゃ銀さんは最強っーか…、イヤイヤイヤそういう問題じゃなくてだな。自分が用心深いって思いこんでねーか?」
「まあ、ここは帯刀した人が歩いてて物騒だし、元の世界と環境が違うから気をつけるようにしてるけど。門限も約束も守ってるよ。」
「いーや、何もわかっちゃいねェ。俺は、ちょっと助けてもらったり、カネくれるヤローならホイホイついていくのかって聞いてんの。用心深いどころかスキだらけじゃねーか!」
「メル友は援助交際まがいのバイトって責められてもしょうがない…。でも『ノブたす』が来るって言っても行かなかったよ。そこまで頭ゆるくないつもりなんだけど。」
反論すると、軽く頭をこづかれた。
「アイツらの事はもう口にするな。いいか、自分は大丈夫~って思ってる女に限って落としやすいんだって知らねーの?」
「私、他の子と比べてしっかりしてるって言われるよ。ヤバくなる前に帰るし雰囲気に流されたりしないし。だから男の人につけ入られるスキとか全然ない。」
「まだわかっちゃいねーみてーだな。」
銀さんの目が一瞬光って声が低くなった。
「どういうこと?」
「疑う事を知らねェウブな女は、ヤローにとっちゃ狩りやすい獲物だって、これから銀さんが証明してやらァ。」
「??」
「名前さんは本当ちょろいもんな~、銀さんは大丈夫~って思い込んで部屋で簡単に二人きりになるし。こうして隣に座っても無防備全開だしよォ~。」
そう言うなり、私を押し倒して頬(ほお)をなでた。
「ええっ?ふ…ふざけてるんだよね??」
少しずつ顔を近づけてくる。
「…ちょっ…銀さ…んん…ん、
銀さんは数センチの距離で寸止めするとニヤッと笑ってから離れた。完全に私をおちょくったつもりらしい。
「こういうのやめてよ…。心臓止まるかと思った。」
「ヤロー共に簡単に気ィ許すんじゃねェ。俺じゃなかったらとっくにやられちまってるぞ!」
「…ぃ。」
「聞こえねェ。」
「ごめんなさい。」
私が謝ると、銀さんのドSモードは終了した。でも、お説教は続く。
「男は無条件にやさしいって思うんじゃねーぞ。八百屋の兄ちゃんとか、アイツ下心まる出しなの気づ…
「もういいよ、わかってるって。…えっ、銀さん何て言った?」
「人の話は最後まで聞けっーの。ヤローはみんなオオカミなんだよ。」
銀さんは、厳しいお父さんみたいに怒ったり、シスコンのお兄さんみたいに監視してきたり、時には、強引な恋人みたいに迫って私をからかう。だけど、やさしくて私を守ってくれる。
でも、もてあそばれるだけなのは、気に食わない。
それと、いつだって臨機応変に役割を使い分ける銀さんは、ちょっとずるい。
私は少し意地悪することにした。
「そうだね、銀さんもオオカミだってさっきのでわかった。これからは銀さんと二人きりになるの避けるようにする。」
「イヤイヤイヤ俺は名前ちゃんにムラムラして押し倒したんじゃないからね~アレは単なるモノの例えっーか、そこまで警戒する必要はないんじゃないかな~。」
「今まで意識しないでごめんなさい。あと、二人で外出するのもやめる。私はおうちで食べるから、定食屋は一人で行ってきて。」
「あの…名前さん?」
あれから随分と時が経った。
本当に懐かしいなぁ。
さぶちゃんが、単なるバイトの私を高級店のディナーに誘ってきた真の意図は結局わからずじまいだった。
エリートの暇つぶしなのか、ボーナスのつもりなのか、別の意図があったのか…それは彼のみがあずかり知ることで、凡人の私には推測しようもない。
真選組にとって見廻組は対立する存在だ。
佐々木異三郎という人は、腹違いの弟である佐々木先輩を家から追い出した上に、命の危険にさらすレベルのひどい仕打ちをしたと山崎さんが教えてくれた。
でも、私の知ってるさぶちゃんは、亡くなった奥さんと子どもをずっと愛している、とてもかわいいメールを書く人だ。
事務専門の小姓をしている私が彼と接触することは多分ない。
万が一出会っても、お互い素知らぬ顔で「初めまして。」とあいさつするのだろう。
副長が部屋を出て行ってから、私は再びさぶちゃんの写真を眺めてファイルに収めた。
サブリナちゃん
2015年7月22日~2015年8月2日(全3話
「そりゃ銀さんは最強っーか…、イヤイヤイヤそういう問題じゃなくてだな。自分が用心深いって思いこんでねーか?」
「まあ、ここは帯刀した人が歩いてて物騒だし、元の世界と環境が違うから気をつけるようにしてるけど。門限も約束も守ってるよ。」
「いーや、何もわかっちゃいねェ。俺は、ちょっと助けてもらったり、カネくれるヤローならホイホイついていくのかって聞いてんの。用心深いどころかスキだらけじゃねーか!」
「メル友は援助交際まがいのバイトって責められてもしょうがない…。でも『ノブたす』が来るって言っても行かなかったよ。そこまで頭ゆるくないつもりなんだけど。」
反論すると、軽く頭をこづかれた。
「アイツらの事はもう口にするな。いいか、自分は大丈夫~って思ってる女に限って落としやすいんだって知らねーの?」
「私、他の子と比べてしっかりしてるって言われるよ。ヤバくなる前に帰るし雰囲気に流されたりしないし。だから男の人につけ入られるスキとか全然ない。」
「まだわかっちゃいねーみてーだな。」
銀さんの目が一瞬光って声が低くなった。
「どういうこと?」
「疑う事を知らねェウブな女は、ヤローにとっちゃ狩りやすい獲物だって、これから銀さんが証明してやらァ。」
「??」
「名前さんは本当ちょろいもんな~、銀さんは大丈夫~って思い込んで部屋で簡単に二人きりになるし。こうして隣に座っても無防備全開だしよォ~。」
そう言うなり、私を押し倒して頬(ほお)をなでた。
「ええっ?ふ…ふざけてるんだよね??」
少しずつ顔を近づけてくる。
「…ちょっ…銀さ…んん…ん、
銀さんは数センチの距離で寸止めするとニヤッと笑ってから離れた。完全に私をおちょくったつもりらしい。
「こういうのやめてよ…。心臓止まるかと思った。」
「ヤロー共に簡単に気ィ許すんじゃねェ。俺じゃなかったらとっくにやられちまってるぞ!」
「…ぃ。」
「聞こえねェ。」
「ごめんなさい。」
私が謝ると、銀さんのドSモードは終了した。でも、お説教は続く。
「男は無条件にやさしいって思うんじゃねーぞ。八百屋の兄ちゃんとか、アイツ下心まる出しなの気づ…
「もういいよ、わかってるって。…えっ、銀さん何て言った?」
「人の話は最後まで聞けっーの。ヤローはみんなオオカミなんだよ。」
銀さんは、厳しいお父さんみたいに怒ったり、シスコンのお兄さんみたいに監視してきたり、時には、強引な恋人みたいに迫って私をからかう。だけど、やさしくて私を守ってくれる。
でも、もてあそばれるだけなのは、気に食わない。
それと、いつだって臨機応変に役割を使い分ける銀さんは、ちょっとずるい。
私は少し意地悪することにした。
「そうだね、銀さんもオオカミだってさっきのでわかった。これからは銀さんと二人きりになるの避けるようにする。」
「イヤイヤイヤ俺は名前ちゃんにムラムラして押し倒したんじゃないからね~アレは単なるモノの例えっーか、そこまで警戒する必要はないんじゃないかな~。」
「今まで意識しないでごめんなさい。あと、二人で外出するのもやめる。私はおうちで食べるから、定食屋は一人で行ってきて。」
「あの…名前さん?」
あれから随分と時が経った。
本当に懐かしいなぁ。
さぶちゃんが、単なるバイトの私を高級店のディナーに誘ってきた真の意図は結局わからずじまいだった。
エリートの暇つぶしなのか、ボーナスのつもりなのか、別の意図があったのか…それは彼のみがあずかり知ることで、凡人の私には推測しようもない。
真選組にとって見廻組は対立する存在だ。
佐々木異三郎という人は、腹違いの弟である佐々木先輩を家から追い出した上に、命の危険にさらすレベルのひどい仕打ちをしたと山崎さんが教えてくれた。
でも、私の知ってるさぶちゃんは、亡くなった奥さんと子どもをずっと愛している、とてもかわいいメールを書く人だ。
事務専門の小姓をしている私が彼と接触することは多分ない。
万が一出会っても、お互い素知らぬ顔で「初めまして。」とあいさつするのだろう。
副長が部屋を出て行ってから、私は再びさぶちゃんの写真を眺めてファイルに収めた。
サブリナちゃん
2015年7月22日~2015年8月2日(全3話
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