August Part2 8月中旬 場所不明
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― んーん…あぁあ。
まぶたが重い。
だるい…。
っていうか、体がしびれる。
― んん?
私は自分が振袖を着たままの状態に気づいた。
疲れてたから寝巻きに着替えず寝たんだっけ…?
ああ、また知らない天井だ。
知らない天井…、自宅の部屋とも、万事屋のとも違う。
― !!
じゃあここはどこなんだろう??
もしかしたら合コンの途中で気分が悪くなったのかな。
ここは飲食店の事務所…とかなのかな?
ううん、お店ではほとんど飲んでない。そんなはずない。
銀さんは連絡が来ないので心配して駅で待っているはずだ。
とりあえず万事屋に電話して早く帰ろう。
そう思い私は、体を起こしてベッドから立ち上がろうとした。
「あっっ!!」
腰を上げた瞬間、体はバランスを崩すと上半身から床にくずれ落ちていった。
「痛っっ…。」
片方の肩を強く打ち付けた私は、ベッドの脚と柵にすがりつくようにしてヨロヨロと起き上がり、再びベッドに倒れ込んでため息をついた。
どうしてうまく立てないの…?
合コンでほとんど飲んでいないのに、全身がひどくだるくて仕方ない。
まともに立ちあがれないなんて、一体どうしたというのだろう。
体の自由が利かない私は、ベッドが寄せられている側の壁に背中を預け周囲を見回した。
さほど広くない部屋には、今座っている簡素なベッドと、刑事ドラマの取り調べで使われてそうな文化的最低限と表現するのがふさわしい机と、折り畳みパイプイスが備え付けてあるだけだ。
見事なまでに殺風景と言っていい。
店舗の控室や事務所ならあるはずの、電話やカレンダー、シフト表、ロッカーやパソコンなどは一切存在しなかった。
それに、気分が悪くなって運び込まれたのなら付き添いの友だちがいないのはおかしい。
彼女はどこにいるのだろう?
しばらくして、私は自分がバランスを取れるのを確認してゆっくり立ち上がると、ふらつく足を慎重に動かし出口に向かった。
扉にはドアノブや手を引っかけるくぼみがない、おそらくこれは自動ドアだ。
「…。」
前に立ってもドアは開かない。
「あのー!すみません!」
声を張り上げて何度も人を呼んだけど、向こうから誰か来る気配はない。
「すみません!!開けてください!!開けてください!!」
「…。」
気づけば両手が痛くなるまで強く扉を叩いていた。
どうしよう…。
打つ手がなくなり困り果てた私は、扉に寄りかかり考えを巡らせた。
そうだ、体調に気を取られたせいで確認するのを忘れていたけど、目覚めてからどれくらいの時間が経っているのだろう。それに今何時なんだろう。
とっさに私は着物の袖をめくった。
腕時計がない!!
ベッドに戻り枕元や机の引き出しも確認したけど、持ち物はどこにもない。
財布も、ポーチも、バッグごと奪われている。
ここはお店の事務所なんかじゃない!
私は監禁されてるんだ…!!
落ち着け、落ち着け、ここに連れてこられる前の行動を順番に思い出そう。
夕方、万事屋を出て、銀さんに内緒で合コンに行き、二次会の途中で失礼して店の外に出た。
土砂降りの雨の中、駅に向かうため繁華街の交差点で信号待ちをしていた。
そこまでは覚えてる。
でも、それからが…思い出せない。
私は銀さんとの約束を守って、ひとり歩きの際は大通りを歩いている。
長谷川さんに助けられた日以来、治安の悪い地域や裏通りへ足を踏み入れたことはない。
それなのに、どうして…。
かぶき町に住んで以来、恨みを買うような行動はしてないつもりだ。
コンビニでしつこくデートに誘ってきたヤクザの件は、銀さんと親分の黒駒さんの間で話がついている。
「すまいる」のお客様は将軍様を筆頭に身元の確かな方々だし、万事屋やお登勢さんと顔見知りの人も多い。
一体何をしたっていうんだろう。
私は景色から監禁場所のヒントを得ようと、窓の外を眺めることにした。
太陽が照っている、ということは少なくとも一晩が経っている。
窓には、生半可なハンマーじゃ歯が立たないくらい分厚く透明な板がはまっている。
顔がすっぽりはまる程度のサイズは、旅客機の小窓をほうふつとさせた。
視線を下にやると、ヘルメットをかぶった人たちと、重機やトラックがせわしなく動いている。
人や物のサイズがやたら小さい。となると、監禁されている部屋は上層階だ。
遠くにはコンテナ群と倉庫が延々と連なっている。
カモメの一団が屋根に止まっているのも見える。
カモメ…?
ここは港だ!!
私は船の中にいるんだ!!
まぶたが重い。
だるい…。
っていうか、体がしびれる。
― んん?
私は自分が振袖を着たままの状態に気づいた。
疲れてたから寝巻きに着替えず寝たんだっけ…?
ああ、また知らない天井だ。
知らない天井…、自宅の部屋とも、万事屋のとも違う。
― !!
じゃあここはどこなんだろう??
もしかしたら合コンの途中で気分が悪くなったのかな。
ここは飲食店の事務所…とかなのかな?
ううん、お店ではほとんど飲んでない。そんなはずない。
銀さんは連絡が来ないので心配して駅で待っているはずだ。
とりあえず万事屋に電話して早く帰ろう。
そう思い私は、体を起こしてベッドから立ち上がろうとした。
「あっっ!!」
腰を上げた瞬間、体はバランスを崩すと上半身から床にくずれ落ちていった。
「痛っっ…。」
片方の肩を強く打ち付けた私は、ベッドの脚と柵にすがりつくようにしてヨロヨロと起き上がり、再びベッドに倒れ込んでため息をついた。
どうしてうまく立てないの…?
合コンでほとんど飲んでいないのに、全身がひどくだるくて仕方ない。
まともに立ちあがれないなんて、一体どうしたというのだろう。
体の自由が利かない私は、ベッドが寄せられている側の壁に背中を預け周囲を見回した。
さほど広くない部屋には、今座っている簡素なベッドと、刑事ドラマの取り調べで使われてそうな文化的最低限と表現するのがふさわしい机と、折り畳みパイプイスが備え付けてあるだけだ。
見事なまでに殺風景と言っていい。
店舗の控室や事務所ならあるはずの、電話やカレンダー、シフト表、ロッカーやパソコンなどは一切存在しなかった。
それに、気分が悪くなって運び込まれたのなら付き添いの友だちがいないのはおかしい。
彼女はどこにいるのだろう?
しばらくして、私は自分がバランスを取れるのを確認してゆっくり立ち上がると、ふらつく足を慎重に動かし出口に向かった。
扉にはドアノブや手を引っかけるくぼみがない、おそらくこれは自動ドアだ。
「…。」
前に立ってもドアは開かない。
「あのー!すみません!」
声を張り上げて何度も人を呼んだけど、向こうから誰か来る気配はない。
「すみません!!開けてください!!開けてください!!」
「…。」
気づけば両手が痛くなるまで強く扉を叩いていた。
どうしよう…。
打つ手がなくなり困り果てた私は、扉に寄りかかり考えを巡らせた。
そうだ、体調に気を取られたせいで確認するのを忘れていたけど、目覚めてからどれくらいの時間が経っているのだろう。それに今何時なんだろう。
とっさに私は着物の袖をめくった。
腕時計がない!!
ベッドに戻り枕元や机の引き出しも確認したけど、持ち物はどこにもない。
財布も、ポーチも、バッグごと奪われている。
ここはお店の事務所なんかじゃない!
私は監禁されてるんだ…!!
落ち着け、落ち着け、ここに連れてこられる前の行動を順番に思い出そう。
夕方、万事屋を出て、銀さんに内緒で合コンに行き、二次会の途中で失礼して店の外に出た。
土砂降りの雨の中、駅に向かうため繁華街の交差点で信号待ちをしていた。
そこまでは覚えてる。
でも、それからが…思い出せない。
私は銀さんとの約束を守って、ひとり歩きの際は大通りを歩いている。
長谷川さんに助けられた日以来、治安の悪い地域や裏通りへ足を踏み入れたことはない。
それなのに、どうして…。
かぶき町に住んで以来、恨みを買うような行動はしてないつもりだ。
コンビニでしつこくデートに誘ってきたヤクザの件は、銀さんと親分の黒駒さんの間で話がついている。
「すまいる」のお客様は将軍様を筆頭に身元の確かな方々だし、万事屋やお登勢さんと顔見知りの人も多い。
一体何をしたっていうんだろう。
私は景色から監禁場所のヒントを得ようと、窓の外を眺めることにした。
太陽が照っている、ということは少なくとも一晩が経っている。
窓には、生半可なハンマーじゃ歯が立たないくらい分厚く透明な板がはまっている。
顔がすっぽりはまる程度のサイズは、旅客機の小窓をほうふつとさせた。
視線を下にやると、ヘルメットをかぶった人たちと、重機やトラックがせわしなく動いている。
人や物のサイズがやたら小さい。となると、監禁されている部屋は上層階だ。
遠くにはコンテナ群と倉庫が延々と連なっている。
カモメの一団が屋根に止まっているのも見える。
カモメ…?
ここは港だ!!
私は船の中にいるんだ!!