July 7月中旬 夜空
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「大口叩く割には銀ちゃん浮輪手放さないけどな。」
スイカを素手で割ってる神楽ちゃんがダークな笑みを浮かべた。
「名前ちゃん、知ってるアルか?銀ちゃん実は…
「僕から名誉のために言っときますけど、銀さんはカナヅチじゃないですよ。多少は泳げるんですよね?」
新八くんがクスクス笑いながら、素朴な形に割れたスイカを手渡してくれた。
銀さんの機嫌が悪くなったのをみると、泳ぎが苦手なのは本当みたいだ。
「でも普段泳ぎは必要ないし、いざとなったら浮いてればいいんだよ。」
とフォローしたけど、私は銀さんが筋肉質だから浮けない=泳げない、のかも知れないとスイカを食べながら考えていた。
銀さんの裸…というか上半身だけだけど、は一瞬目撃したことがある。
シャツを着替えてる時に偶然出くわしたのだ。
気づかれないように、すぐ玄関に引き返したけど、引き締まった背中は脳裏に焼き付いている。
銀さんの首から下をあらためて眺めると、肩脱ぎした着物からのぞく二の腕はたくましいし、シャツの下の胸板も厚い。
後ろ姿はがっちりしてるし、多分腹筋も割れてるのだろう。
水着になったら見られるのかな…明日一緒に行けないけど。
「あの…名前さん?俺に何かついてる?」
花火を見ていたはずの銀さんは、私の視線に気づいたらしく、スイカを食べ残したまま困惑した表情を浮かべていた。
「何でもない、っていうかごめん。」
「えっ何?何であやまんの?それともアレ?俺何かやらかした?」
「違う、銀さんは悪くない…っていうか。」
まさか体をガン見してたなんて絶対言えない。どうしよう。
「あー、もしかしてコイツ?」
何も知らない銀さんはビールを渡してくれた。
「そうそう、ビール飲みたかったんだ~。ありがとう。」
「二人とも何話してるんですか?次の見ないと損しますよ。」
新八くんは、私と銀さんの肩を軽く叩くとパンフレットを指さして、もうすぐ仕掛け花火が始まると教えてくれた。
「そろそろアルな。」
河原の対岸に一直線に並べられた仕掛け花火が、一気に打ち上がった。
単発の花火とは比べ物にならないくらい大きな爆発音と振動が体に伝わってくる。
急激に空が明るくなるのと同時に突然、ある光景がよみがえってきた。
― そういうことだったんだ!!
「あーーーっ!」
花火を見ていた三人は、私が大声で叫んだので一斉にこっちを向いた。
「名前さん?」
「大丈夫アルか?」
「銀さん…服!服着てた!ありがとう!銀さん、本当にありがとう!!」
「名前?」
「銀さん、真選組の服着てた!そうだったんだ…。」
「あー…とうとう来たか…。」
銀さんは深呼吸するとバツが悪そうに頭をかいた。
そして、私の頭にそっと手を置いて顔をのぞきこんだ。
「怖くねーか?」
あの日の記憶を取り戻したのに、銀さんは気づいたようだった。
確かにあの時も、辺りが真っ暗で立て続けに爆発音がして状況が似ている。
「うん。思い出したの少しだけだし…。それから…何だっけ?そうだ!銀さんずぶ濡れだった。」
私は仕掛け花火を無視して思いつくままに語り始めた。
「…だった。…それから………あれ??ええと……確か、銀さんに大切なことを言った気がするのに…その先が…うーん…
しばらくすると、パソコンの画面が落ちるように、記憶はぷつんと途切れてしまった。
「心配しなくていいアル。本当に大切なことはいつか思い出せるネ。」
ため息をついて落ち込んでいると、神楽ちゃんが後ろからぎゅっと抱きしめてくれた。
「っていうか銀さんその場にいたんですよね。名前さん何を言ってたんですか?」
「忘れた。」
新八くんが質問すると、花火の方を向いたまま銀さんは返事した。
「あん時はゴタゴタしてたし、すぐ総一郎くんが来たからな。」
銀さんはそっけなくつぶやくと、スーパーの袋からビールを取り出してふたを開けた。
「そっか。なら大したことないのかな。」
私はそう言ってこの話をおしまいにしたけど、銀さんが忘れたフリをしてるように思えて仕方なかった。
銀さんが当時の会話を伏せる理由がわからない。一体私は何を言ったのだろう?
でも神楽ちゃんの言う通り、大切なことならいつか思い出せるはずだ。
花火大会が終わると、同じように屋根で酒盛りをしてた隣近所の人たちは、おやすみのあいさつをして次第に降りて行った。
帰りを急ぐ通りの人の波も段々消えていき、あたりが静かになっていく。
そして私の背後も静かになった。
振り返ると、新八くんは音楽をヘッドフォンで聴いている。多分お通ちゃんの曲だろう。
神楽ちゃんは定春くんに寄りかかって眠っていた。
「さぁここからはR18タイムといくか。」
二人の様子を確認した銀さんはニヤリと笑った。
スイカを素手で割ってる神楽ちゃんがダークな笑みを浮かべた。
「名前ちゃん、知ってるアルか?銀ちゃん実は…
「僕から名誉のために言っときますけど、銀さんはカナヅチじゃないですよ。多少は泳げるんですよね?」
新八くんがクスクス笑いながら、素朴な形に割れたスイカを手渡してくれた。
銀さんの機嫌が悪くなったのをみると、泳ぎが苦手なのは本当みたいだ。
「でも普段泳ぎは必要ないし、いざとなったら浮いてればいいんだよ。」
とフォローしたけど、私は銀さんが筋肉質だから浮けない=泳げない、のかも知れないとスイカを食べながら考えていた。
銀さんの裸…というか上半身だけだけど、は一瞬目撃したことがある。
シャツを着替えてる時に偶然出くわしたのだ。
気づかれないように、すぐ玄関に引き返したけど、引き締まった背中は脳裏に焼き付いている。
銀さんの首から下をあらためて眺めると、肩脱ぎした着物からのぞく二の腕はたくましいし、シャツの下の胸板も厚い。
後ろ姿はがっちりしてるし、多分腹筋も割れてるのだろう。
水着になったら見られるのかな…明日一緒に行けないけど。
「あの…名前さん?俺に何かついてる?」
花火を見ていたはずの銀さんは、私の視線に気づいたらしく、スイカを食べ残したまま困惑した表情を浮かべていた。
「何でもない、っていうかごめん。」
「えっ何?何であやまんの?それともアレ?俺何かやらかした?」
「違う、銀さんは悪くない…っていうか。」
まさか体をガン見してたなんて絶対言えない。どうしよう。
「あー、もしかしてコイツ?」
何も知らない銀さんはビールを渡してくれた。
「そうそう、ビール飲みたかったんだ~。ありがとう。」
「二人とも何話してるんですか?次の見ないと損しますよ。」
新八くんは、私と銀さんの肩を軽く叩くとパンフレットを指さして、もうすぐ仕掛け花火が始まると教えてくれた。
「そろそろアルな。」
河原の対岸に一直線に並べられた仕掛け花火が、一気に打ち上がった。
単発の花火とは比べ物にならないくらい大きな爆発音と振動が体に伝わってくる。
急激に空が明るくなるのと同時に突然、ある光景がよみがえってきた。
― そういうことだったんだ!!
「あーーーっ!」
花火を見ていた三人は、私が大声で叫んだので一斉にこっちを向いた。
「名前さん?」
「大丈夫アルか?」
「銀さん…服!服着てた!ありがとう!銀さん、本当にありがとう!!」
「名前?」
「銀さん、真選組の服着てた!そうだったんだ…。」
「あー…とうとう来たか…。」
銀さんは深呼吸するとバツが悪そうに頭をかいた。
そして、私の頭にそっと手を置いて顔をのぞきこんだ。
「怖くねーか?」
あの日の記憶を取り戻したのに、銀さんは気づいたようだった。
確かにあの時も、辺りが真っ暗で立て続けに爆発音がして状況が似ている。
「うん。思い出したの少しだけだし…。それから…何だっけ?そうだ!銀さんずぶ濡れだった。」
私は仕掛け花火を無視して思いつくままに語り始めた。
「…だった。…それから………あれ??ええと……確か、銀さんに大切なことを言った気がするのに…その先が…うーん…
しばらくすると、パソコンの画面が落ちるように、記憶はぷつんと途切れてしまった。
「心配しなくていいアル。本当に大切なことはいつか思い出せるネ。」
ため息をついて落ち込んでいると、神楽ちゃんが後ろからぎゅっと抱きしめてくれた。
「っていうか銀さんその場にいたんですよね。名前さん何を言ってたんですか?」
「忘れた。」
新八くんが質問すると、花火の方を向いたまま銀さんは返事した。
「あん時はゴタゴタしてたし、すぐ総一郎くんが来たからな。」
銀さんはそっけなくつぶやくと、スーパーの袋からビールを取り出してふたを開けた。
「そっか。なら大したことないのかな。」
私はそう言ってこの話をおしまいにしたけど、銀さんが忘れたフリをしてるように思えて仕方なかった。
銀さんが当時の会話を伏せる理由がわからない。一体私は何を言ったのだろう?
でも神楽ちゃんの言う通り、大切なことならいつか思い出せるはずだ。
花火大会が終わると、同じように屋根で酒盛りをしてた隣近所の人たちは、おやすみのあいさつをして次第に降りて行った。
帰りを急ぐ通りの人の波も段々消えていき、あたりが静かになっていく。
そして私の背後も静かになった。
振り返ると、新八くんは音楽をヘッドフォンで聴いている。多分お通ちゃんの曲だろう。
神楽ちゃんは定春くんに寄りかかって眠っていた。
「さぁここからはR18タイムといくか。」
二人の様子を確認した銀さんはニヤリと笑った。