February Part2 2月15日 朝 和室
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「保護者気取りのクセして最低アル。」
「名前さんの寝起きを襲うなんて一体いつから計画を練ってたんですか?僕、見損ないました。」
着物を着直して和室から出てきたら、二人による尋問が既に始まっていた。
「違う違う、計画的ってのじゃ全然なくてだな…。」
銀さんはボサボサ頭のまま正座をして弁明を続けている。
「隣に色っぽいねーちゃんがいたからムラムラ…?イヤイヤイヤ銀さんは名前ちゃんにムラムラしてないからパフパフしたいとか思ってねーし決してやらしい目で見たりしてないから絶対違うから…。イヤ、その、あの、白状すると俺は、初めて会った時から名前ちゃんに惚れてて、隠してた気持ちが抑えられなくなっちまって…アレ?だからさっきのは誤解というか見間違いで…
しどろもどろな銀さんの弁解はコロコロ変わる。
「言ってる事めちゃくちゃアル。」
「っていうか銀さん、出来心でも恋心でも名前さんに手を出そうとした事実は変わっちゃいませんよ。」
酔いつぶれてスキのある恰好をしてた私にも非がある。
だから私の頭の中では、お互いごめんなさいの一言で終わるはずだったのに。
「理由なんてどうでもいいよ。私、これ以上言い訳聞きたくない。」
銀さんが謝らないので、私も意固地になってどんどん事態は悪化している。
とうとう銀さんは土下座を始めた。
「名字名前さん。」
「は、はい。」
「こうなった以上俺もケジメをつける。責任は取らせてもらいます。名前さん…俺、結婚を前提におつき合いを…
「結婚??私が銀さんと?!」
「まぁ、い、いきなり籍入れるってのもアレなんで、まずは…
突拍子もない話の割に、顔を上げた銀さんの目は真剣だ。
「甲斐性無しのロクデナシと一緒になったら名前ちゃんの一生が台無しアル。」
「名前さん、まさかこの人との結婚本気で考えたりしてないですよね?…名前名前さん?」
後ろを振り向かず前だけみて歩く銀さんは基本、謝らない。
私が万事屋にお世話になってから片手で数えられるくらいだ。
でも、謝りたくないあまり結婚に発展させるなんて、銀さんの考えはよくわからない。
「名前ちゃん?」
私が茫然としてるように見えたのか、神楽ちゃんが心配そうにこっちを見ている。
「あ、…うん。」
「大丈夫アルか?」
私が大丈夫だよ、と答えてから間もなくタイマーが鳴ったので、銀さんは急いで服を着替え、三人は朝ごはんを食べずに仕事に出かけていった。
みんなが仕事に行き一人になった私はショックで家事が手につかなかったので、河原に出かけることにした。
堤の芝生に座り、対岸で行われてるバドミントンの試合を眺めているけど、頭の中は今朝の事件から切り替わらない。
この世界にきてからずっと、銀さんはお父さんやお母さんの代わりに守ってくれる存在だと思っていた。
最初の頃、身体の距離が近くてドキドキしたけど、親しくなるにつれ意識しなくなっていた。
普段の銀さんは結野アナに夢中だし、街中で生返事な時は大抵キレイな人に見とれている。
長谷川さんをまじえて飲みに行ったら、私たちを放置してカウンターで隣り合ったお姉さんをナンパしてたこともあった。
銀さんは酔っぱらうと私に絡んで、ふざけた調子で口説いてくる事もある。
けど、自分にはそういう視線が向けられてない、私は妹みたいな扱いだ、って思い込んでいた。
でも、銀さんは男の人だったんだ。
いつもはやさしくても、今日みたいに理性が飛ぶことがあるんだ…。
もし万事屋に二人きりだったら銀さんの一方的な行動はエスカレートして、取り返しのつかない結果になっていたかもしれない。
どうして私こんなに冷静なんだろう。
嫌なことをされたはずなのに、二度と顔も見たくないとか気持ち悪いとか思い出すと鳥肌が立つとか許せないとか、どうしても思えない。
私は…、何を望んでいるのだろう。
自分で自分が、わからない。
あれは「ニアミス」であって、「間違いを起こした」わけじゃない。
神楽ちゃん達の目が厳しくなるし、今朝みたいな事は二度と起きないはずだ、と私は自分に言い聞かせた。
一緒に住む以上、今までの関係を壊したくない。万事屋に戻ったら前みたいに接しよう。
そう決心した私は、寄り道をしてから遅くに帰った。
でも、今まで通りになれなかったのは銀さんの方だった。
部屋に居合わせると、うさんくさい笑みを浮かべて出て行くし、食事が気まずい時間になった。
常に私の顔色をうかがうようになって、銭湯も一緒に行かない。
仕事のない日はジャンプを読んだり昼寝をしていた銀さんは、パチンコや飲みの口実を作って外出することが増えていき、ある日を境に万事屋に帰ってこなくなった。
みんなは、気に病む必要はない、悪いのは銀さんだから放っておけと言ってくれたけど、私は万事屋のバランスを壊してしまった罪悪感でいっぱいだった。
「名前さんの寝起きを襲うなんて一体いつから計画を練ってたんですか?僕、見損ないました。」
着物を着直して和室から出てきたら、二人による尋問が既に始まっていた。
「違う違う、計画的ってのじゃ全然なくてだな…。」
銀さんはボサボサ頭のまま正座をして弁明を続けている。
「隣に色っぽいねーちゃんがいたからムラムラ…?イヤイヤイヤ銀さんは名前ちゃんにムラムラしてないからパフパフしたいとか思ってねーし決してやらしい目で見たりしてないから絶対違うから…。イヤ、その、あの、白状すると俺は、初めて会った時から名前ちゃんに惚れてて、隠してた気持ちが抑えられなくなっちまって…アレ?だからさっきのは誤解というか見間違いで…
しどろもどろな銀さんの弁解はコロコロ変わる。
「言ってる事めちゃくちゃアル。」
「っていうか銀さん、出来心でも恋心でも名前さんに手を出そうとした事実は変わっちゃいませんよ。」
酔いつぶれてスキのある恰好をしてた私にも非がある。
だから私の頭の中では、お互いごめんなさいの一言で終わるはずだったのに。
「理由なんてどうでもいいよ。私、これ以上言い訳聞きたくない。」
銀さんが謝らないので、私も意固地になってどんどん事態は悪化している。
とうとう銀さんは土下座を始めた。
「名字名前さん。」
「は、はい。」
「こうなった以上俺もケジメをつける。責任は取らせてもらいます。名前さん…俺、結婚を前提におつき合いを…
「結婚??私が銀さんと?!」
「まぁ、い、いきなり籍入れるってのもアレなんで、まずは…
突拍子もない話の割に、顔を上げた銀さんの目は真剣だ。
「甲斐性無しのロクデナシと一緒になったら名前ちゃんの一生が台無しアル。」
「名前さん、まさかこの人との結婚本気で考えたりしてないですよね?…名前名前さん?」
後ろを振り向かず前だけみて歩く銀さんは基本、謝らない。
私が万事屋にお世話になってから片手で数えられるくらいだ。
でも、謝りたくないあまり結婚に発展させるなんて、銀さんの考えはよくわからない。
「名前ちゃん?」
私が茫然としてるように見えたのか、神楽ちゃんが心配そうにこっちを見ている。
「あ、…うん。」
「大丈夫アルか?」
私が大丈夫だよ、と答えてから間もなくタイマーが鳴ったので、銀さんは急いで服を着替え、三人は朝ごはんを食べずに仕事に出かけていった。
みんなが仕事に行き一人になった私はショックで家事が手につかなかったので、河原に出かけることにした。
堤の芝生に座り、対岸で行われてるバドミントンの試合を眺めているけど、頭の中は今朝の事件から切り替わらない。
この世界にきてからずっと、銀さんはお父さんやお母さんの代わりに守ってくれる存在だと思っていた。
最初の頃、身体の距離が近くてドキドキしたけど、親しくなるにつれ意識しなくなっていた。
普段の銀さんは結野アナに夢中だし、街中で生返事な時は大抵キレイな人に見とれている。
長谷川さんをまじえて飲みに行ったら、私たちを放置してカウンターで隣り合ったお姉さんをナンパしてたこともあった。
銀さんは酔っぱらうと私に絡んで、ふざけた調子で口説いてくる事もある。
けど、自分にはそういう視線が向けられてない、私は妹みたいな扱いだ、って思い込んでいた。
でも、銀さんは男の人だったんだ。
いつもはやさしくても、今日みたいに理性が飛ぶことがあるんだ…。
もし万事屋に二人きりだったら銀さんの一方的な行動はエスカレートして、取り返しのつかない結果になっていたかもしれない。
どうして私こんなに冷静なんだろう。
嫌なことをされたはずなのに、二度と顔も見たくないとか気持ち悪いとか思い出すと鳥肌が立つとか許せないとか、どうしても思えない。
私は…、何を望んでいるのだろう。
自分で自分が、わからない。
あれは「ニアミス」であって、「間違いを起こした」わけじゃない。
神楽ちゃん達の目が厳しくなるし、今朝みたいな事は二度と起きないはずだ、と私は自分に言い聞かせた。
一緒に住む以上、今までの関係を壊したくない。万事屋に戻ったら前みたいに接しよう。
そう決心した私は、寄り道をしてから遅くに帰った。
でも、今まで通りになれなかったのは銀さんの方だった。
部屋に居合わせると、うさんくさい笑みを浮かべて出て行くし、食事が気まずい時間になった。
常に私の顔色をうかがうようになって、銭湯も一緒に行かない。
仕事のない日はジャンプを読んだり昼寝をしていた銀さんは、パチンコや飲みの口実を作って外出することが増えていき、ある日を境に万事屋に帰ってこなくなった。
みんなは、気に病む必要はない、悪いのは銀さんだから放っておけと言ってくれたけど、私は万事屋のバランスを壊してしまった罪悪感でいっぱいだった。