February Part2 2月15日 朝 和室
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目が覚めると、天井の代わりに別の物があった。
「よ…よォ。」
「…ん?」
頭の上から、ぼわーんと声が聞こえる。
ここはどこだっけ?
「よく眠れたか?」
目の前に大あくびをする銀さんの顔がある。
「…あぁ、うん。」
どうやら私は銀さんの方を向いたまま横向きで眠っていたらしい。
「締まりのねェアホヅラして寝てたぞ。」
「…。」
ん?
何で目が合ってるの?
思わず、がばっと上半身を起こして辺りを見回す。
「あれ…?」
寝顔見られた!!
「あっ…ぅ…んんんん。」
慌てて体を起こした銀さんの手に口をふさがれた。
「しーっ!声でけーよ。神楽が起きちまう。」
「ん。…んん。」
「この寒いのに台所で眠りこけてたんだぞ、風邪ひくって何度声かけても起きねーし。」
ってことは、ここまで連れてきてくれたんだ…。
「そっか…、銀さんありがとう。」
「大したことはしてねーよ。」
銀さんによると、私は何故か台所で振袖を脱いで、長襦袢(じゅばん)一枚のだらしない格好で寝込んでいたらしい。
めくれた布団からは銀さんの着物がはみ出ている。床は冷えるからって、くるんでくれたんだろう。
初めて会った日も、道路に倒れていた私に着物をかけてくれたなぁ。懐かしい。
― あっ!
「ところで…。一つ、聞いていいかな?」
「いきなり改まって何?どうした?」
「私、重かった?」
「はァ?女なら体重とか寝顔以前に別の事を心配しろっての。」
銀さんはあきれ顔だ。
「誓って俺は何もしてねーよ。でも名前ちゃん~、そこら辺がセクシーすぎるんですけど。」
胸元を指さされたので私はとっさに緩んでいた襟をただした。
「っーかこの寒いのに床で寝込んじまうなんて、どんだけ飲んでたんだよ。」
「バレンタインデーでお客さん多かったから、いつもよりは…、ううん、かなり飲んでたと思う。それから、お店の人に送ってもらってカギ開けたとこまでは覚えてるんだけど。うちにたどり着いて、気が抜けちゃったのかな。」
「名前。」
お父さんモードだった銀さんの表情が急に柔らかくなった。
「どうしたの?」
「やっと言えたな。」
「えっ?私変な事言った?」
「万事屋を『うち』って初めて言った。」
「あ、本当だ!」
私の中で万事屋が、仮の宿から第二の我が家になろうとしている。
卵かけごはんを一緒に食べて、みんなで「渡る世間は鬼しかいねーコノヤロー」を見て、定春くんの散歩や家事の当番に加わった。バイトのお金を入れるようにもなった。
もう私は、お客さんじゃないんだな…。
「ここに来てから三ヶ月ぐらい経つんだね。」
「早ェもんだな。ふわぁぁぁ~、俺二度寝する。」
銀さんは、あくびをすると寝転がって布団をかぶってしまった。
「そうだ!ちょっと待って、まだ寝ないでよ~。」
何回か体をゆすると、銀さんは布団から顔を出して目を開ける。
「…眠ィんだよ、後じゃダメ?」
「いつも忘れちゃうから、寝ながらでいいから聞いて。」
「しょーがねェ、手短に頼むわ。」
昼寝を含めて日々好き放題に寝てるはずなのに、なぜか目をこすっている今朝の銀さんにはクマが出来ている。
「『すまいる』の店長に、ヘルプを卒業して正式に働かないかって言われてるんだけど。」
「…いいんじゃねーの。」
銀さんは少し間を置いてから答えた。
「意外~。反対するのかと思ってた。」
「もしかして『名前!お父さんは絶対認めませんんん!!』って止めてほしかった?それとも何?『名前が他の男の前で笑ってるの見たくねーんだよ。名前の笑顔は俺だけのモンだ。』とか銀さんに嫉妬してほしい?」
私の方を向いた銀さんはいたずらっ子のように笑っている。
「お妙ちゃんと阿音ちゃんは、自分たちとキャラがかぶらないから、一緒に働いてお店を盛り上げていきましょうってしきりに誘ってくるの。そろそろ返事しないといけなくて。でも…。」
「アイツらもしつけーからなー。押しの強い二人に無理して合わせる必要はねーよ。一歩ずつ、自分のペースでやりゃいい。」
「それがいいかな…。私、江戸に来てまだ半年もたってないんだよね。もっと慣れてから正式に働くことにする。」
「じゃあそういうことで、おやすみ。」
「おやすみ、銀さん。」
「やっぱさっきの話、ナシで。」
そう言うと、銀さんは突然がばっと起きた。
「今、いいんじゃねーの。って言ったばかりだよ。」
「いや、俺は別に構わねーけどよ…。アイツらが。」
「『最近の名前さん、姉上に似て乱暴になってませんか?やっぱり「すまいる」勤めは反対するべきだったかな…。』って新八が言ってた。」
「そうなの?」
「『夜の仕事は名前ちゃんとすれ違いの生活になるから嫌アル。』って神楽が大反対してただろーが。」
「…そうだっけ?」
「それと定春が散歩の相手が減るとつまんねーって言ってた。あと…。」
「あと…?」
「万事屋はみんな揃って朝飯食うことになってんの。」
銀さんは、新八くんや神楽ちゃんを引き合いに出してるけど本音は反対なんだ。
「よ…よォ。」
「…ん?」
頭の上から、ぼわーんと声が聞こえる。
ここはどこだっけ?
「よく眠れたか?」
目の前に大あくびをする銀さんの顔がある。
「…あぁ、うん。」
どうやら私は銀さんの方を向いたまま横向きで眠っていたらしい。
「締まりのねェアホヅラして寝てたぞ。」
「…。」
ん?
何で目が合ってるの?
思わず、がばっと上半身を起こして辺りを見回す。
「あれ…?」
寝顔見られた!!
「あっ…ぅ…んんんん。」
慌てて体を起こした銀さんの手に口をふさがれた。
「しーっ!声でけーよ。神楽が起きちまう。」
「ん。…んん。」
「この寒いのに台所で眠りこけてたんだぞ、風邪ひくって何度声かけても起きねーし。」
ってことは、ここまで連れてきてくれたんだ…。
「そっか…、銀さんありがとう。」
「大したことはしてねーよ。」
銀さんによると、私は何故か台所で振袖を脱いで、長襦袢(じゅばん)一枚のだらしない格好で寝込んでいたらしい。
めくれた布団からは銀さんの着物がはみ出ている。床は冷えるからって、くるんでくれたんだろう。
初めて会った日も、道路に倒れていた私に着物をかけてくれたなぁ。懐かしい。
― あっ!
「ところで…。一つ、聞いていいかな?」
「いきなり改まって何?どうした?」
「私、重かった?」
「はァ?女なら体重とか寝顔以前に別の事を心配しろっての。」
銀さんはあきれ顔だ。
「誓って俺は何もしてねーよ。でも名前ちゃん~、そこら辺がセクシーすぎるんですけど。」
胸元を指さされたので私はとっさに緩んでいた襟をただした。
「っーかこの寒いのに床で寝込んじまうなんて、どんだけ飲んでたんだよ。」
「バレンタインデーでお客さん多かったから、いつもよりは…、ううん、かなり飲んでたと思う。それから、お店の人に送ってもらってカギ開けたとこまでは覚えてるんだけど。うちにたどり着いて、気が抜けちゃったのかな。」
「名前。」
お父さんモードだった銀さんの表情が急に柔らかくなった。
「どうしたの?」
「やっと言えたな。」
「えっ?私変な事言った?」
「万事屋を『うち』って初めて言った。」
「あ、本当だ!」
私の中で万事屋が、仮の宿から第二の我が家になろうとしている。
卵かけごはんを一緒に食べて、みんなで「渡る世間は鬼しかいねーコノヤロー」を見て、定春くんの散歩や家事の当番に加わった。バイトのお金を入れるようにもなった。
もう私は、お客さんじゃないんだな…。
「ここに来てから三ヶ月ぐらい経つんだね。」
「早ェもんだな。ふわぁぁぁ~、俺二度寝する。」
銀さんは、あくびをすると寝転がって布団をかぶってしまった。
「そうだ!ちょっと待って、まだ寝ないでよ~。」
何回か体をゆすると、銀さんは布団から顔を出して目を開ける。
「…眠ィんだよ、後じゃダメ?」
「いつも忘れちゃうから、寝ながらでいいから聞いて。」
「しょーがねェ、手短に頼むわ。」
昼寝を含めて日々好き放題に寝てるはずなのに、なぜか目をこすっている今朝の銀さんにはクマが出来ている。
「『すまいる』の店長に、ヘルプを卒業して正式に働かないかって言われてるんだけど。」
「…いいんじゃねーの。」
銀さんは少し間を置いてから答えた。
「意外~。反対するのかと思ってた。」
「もしかして『名前!お父さんは絶対認めませんんん!!』って止めてほしかった?それとも何?『名前が他の男の前で笑ってるの見たくねーんだよ。名前の笑顔は俺だけのモンだ。』とか銀さんに嫉妬してほしい?」
私の方を向いた銀さんはいたずらっ子のように笑っている。
「お妙ちゃんと阿音ちゃんは、自分たちとキャラがかぶらないから、一緒に働いてお店を盛り上げていきましょうってしきりに誘ってくるの。そろそろ返事しないといけなくて。でも…。」
「アイツらもしつけーからなー。押しの強い二人に無理して合わせる必要はねーよ。一歩ずつ、自分のペースでやりゃいい。」
「それがいいかな…。私、江戸に来てまだ半年もたってないんだよね。もっと慣れてから正式に働くことにする。」
「じゃあそういうことで、おやすみ。」
「おやすみ、銀さん。」
「やっぱさっきの話、ナシで。」
そう言うと、銀さんは突然がばっと起きた。
「今、いいんじゃねーの。って言ったばかりだよ。」
「いや、俺は別に構わねーけどよ…。アイツらが。」
「『最近の名前さん、姉上に似て乱暴になってませんか?やっぱり「すまいる」勤めは反対するべきだったかな…。』って新八が言ってた。」
「そうなの?」
「『夜の仕事は名前ちゃんとすれ違いの生活になるから嫌アル。』って神楽が大反対してただろーが。」
「…そうだっけ?」
「それと定春が散歩の相手が減るとつまんねーって言ってた。あと…。」
「あと…?」
「万事屋はみんな揃って朝飯食うことになってんの。」
銀さんは、新八くんや神楽ちゃんを引き合いに出してるけど本音は反対なんだ。