January 1月31日 夜 スナック「すまいる」
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「ほら、例のB型の女だって。トシ…、もしかしてまだ引きずってるのか?」
「…近藤さん、いい加減な事言わないでくれる?っーか誰だよB型の女って。」
いらだちをぶつけるように副長はタバコをもみ消しているが、局長はお構いなしだ。
「トシも一目見れば絶対気に入る。俺が保証しよう!」
局長の意図が読めたぞ!
例のキャバ嬢と本当に引き合わせたいのは副長だ。
二人をくっつけることで、副長と彼女、姐さんと自分のWデートを企んでいるのだろう。
「で、どの娘なんでさァ。」
「右奥のテーブルにいるぞ。お妙さんの隣で水割り作ってる娘だ。」
「アレ?確か…万事屋がはねた娘じゃねーか。まーた江戸に舞い戻ってきやがった。」
俺の角度からはよく見えないけれど、副長が確認したからには間違いない。
知り合いのキャバ嬢って…彼女だったのか!
「なるほど!確かに名前ちゃんなら『すまいる』でも引けを取らないや。」
「局長の俺を差し置いて、名前ちゃんと一体どこで知り合ったんだ?」
からかい半分やっかみ半分の局長に、俺は知り合った経緯と近況を説明した。
「彼女とは任務で数回接触しただけなので、友人というのは大げさですよ。しばらく見かけなかったけど、今は万事屋に居候していると聞いています。」
「万事屋に居候…?万事屋だとォォォ!」
局長は知らなかったようでびっくりしている。
「山崎~、ヤケに詳しいじゃねーか。」
「沖田隊長、俺はこれでも監察ですよ。彼女はたまさんのお店の二階に住んでるので、また聞きという形で…
「真選組からストーカー二人出すワケいかねーんだよ!」
速攻で副長に頭をはたかれた。俺の失言で割を食った局長も、ばつの悪そうな顔をしている。
「来月合コン仕切ってやっから。からくりはあきらめろ。」
「嫌ですよ、副長が来るとなったら女の子は飢えたハイエナのようにやってきますが、最終的には『副長を囲む会』になっちゃうじゃないですか。もうこりごりですよ。ただでさえ存在感薄いのに『すみませんグラス片付けてください、あと注文いいで…
「お待たせいたしました。」
「名前ちゃん…?」
アレ?以前会った時と印象がかなり違う。
女の子は髪型とメイクを変えるとこんなに華やかになるのか。
それだけじゃない。一緒にメガネを買いに行ったあの日より、彼女は少しふっくらして表情に余裕がある。
ぎこちなかった和服の所作や物腰も板についてきたんだ。
元気になって本当によかった。
「近藤さん、土方さん、沖田さん、山崎さん、いらっしゃいませ。」
名前ちゃんが「山崎さん」って忘れずに呼んでくれてる…。
俺は涙がにじみ出るのを必死にこらえた。
「近藤さん、いつもご来店ありがとうございます。」
「しばらく会ってないけど元気だった?」
局長の表情は、娘にデレデレのお父さんのようだ。
「やだな~、昨晩もうちにいらしたじゃないですか~。」
「お妙さんと名前ちゃんに会わないと一日が長く感じちゃってさ~。ハハハ。」
たまさんと12月初めに話した時、彼女は昼のバイトだけだった。
となると、ここでは年末頃から働いているのだろう。そんな短い間に局長の心をすっかりつかんでしまっている。
「土方さん、昨年はありがとうございました。」
彼女は副長に微笑みかける。
「ああ、アレか?大したことはしてねーよ。」
「えっトシ?何??俺聞いてないんだけど?名前ちゃんとデートしたの?二人は既にそんな仲なの?」
局長は、しめた!といった表情をしている。やっぱり本命は副長だったんだ。
「近藤さん、それは違う。コイツとは定食屋で偶然一緒になったからごちそうしただけだ。」
ごちそうしたって…、言うまでもなくアレだよな。
「土方スペシャル…、お…おいしかったです。」
みえみえの社交辞令に、副長が一瞬照れたのを俺は見逃さなかった。
「沖田さん、ご無沙汰しています。」
「…。」
アレ??
沖田隊長と名前ちゃんに接点があるなんて、初耳だ。
「以前、お団子屋さんでごあいさつさせていただきました。それ以来ですよね。」
「…そうですかィ?」
まだ沖田隊長はとぼけている。
事故の日は挨拶しないでミスドへ行ったし、車窓から旦那たちを見かけた日は「誰でィ?」と、えらく素っ気ない反応をみせたのに。
「ということは、ここにいる全員が名前ちゃんと会った事があるのか。みんな水くさいぞ~。」
局長は高らかに笑うと沖田隊長の肩にバンと手を置いた。
「山崎さん、こんばんは。」
ようやく俺に順番がまわってきた。
「たまさんから話は聞いてたんだけど、元気にしているようでよかったよ。」
「万事屋にも寄ってくれたら山崎さんに会えたのになぁ。近くに来ることがあったら教えてくださいね。」
無邪気な彼女は本心から言ってくれているようだ。
「ハハハ…そうだね。機会があれば寄らせてもらうよ。」
でもそれは無理だ。俺の来訪を旦那が絶対許すはずはない。
「…近藤さん、いい加減な事言わないでくれる?っーか誰だよB型の女って。」
いらだちをぶつけるように副長はタバコをもみ消しているが、局長はお構いなしだ。
「トシも一目見れば絶対気に入る。俺が保証しよう!」
局長の意図が読めたぞ!
例のキャバ嬢と本当に引き合わせたいのは副長だ。
二人をくっつけることで、副長と彼女、姐さんと自分のWデートを企んでいるのだろう。
「で、どの娘なんでさァ。」
「右奥のテーブルにいるぞ。お妙さんの隣で水割り作ってる娘だ。」
「アレ?確か…万事屋がはねた娘じゃねーか。まーた江戸に舞い戻ってきやがった。」
俺の角度からはよく見えないけれど、副長が確認したからには間違いない。
知り合いのキャバ嬢って…彼女だったのか!
「なるほど!確かに名前ちゃんなら『すまいる』でも引けを取らないや。」
「局長の俺を差し置いて、名前ちゃんと一体どこで知り合ったんだ?」
からかい半分やっかみ半分の局長に、俺は知り合った経緯と近況を説明した。
「彼女とは任務で数回接触しただけなので、友人というのは大げさですよ。しばらく見かけなかったけど、今は万事屋に居候していると聞いています。」
「万事屋に居候…?万事屋だとォォォ!」
局長は知らなかったようでびっくりしている。
「山崎~、ヤケに詳しいじゃねーか。」
「沖田隊長、俺はこれでも監察ですよ。彼女はたまさんのお店の二階に住んでるので、また聞きという形で…
「真選組からストーカー二人出すワケいかねーんだよ!」
速攻で副長に頭をはたかれた。俺の失言で割を食った局長も、ばつの悪そうな顔をしている。
「来月合コン仕切ってやっから。からくりはあきらめろ。」
「嫌ですよ、副長が来るとなったら女の子は飢えたハイエナのようにやってきますが、最終的には『副長を囲む会』になっちゃうじゃないですか。もうこりごりですよ。ただでさえ存在感薄いのに『すみませんグラス片付けてください、あと注文いいで…
「お待たせいたしました。」
「名前ちゃん…?」
アレ?以前会った時と印象がかなり違う。
女の子は髪型とメイクを変えるとこんなに華やかになるのか。
それだけじゃない。一緒にメガネを買いに行ったあの日より、彼女は少しふっくらして表情に余裕がある。
ぎこちなかった和服の所作や物腰も板についてきたんだ。
元気になって本当によかった。
「近藤さん、土方さん、沖田さん、山崎さん、いらっしゃいませ。」
名前ちゃんが「山崎さん」って忘れずに呼んでくれてる…。
俺は涙がにじみ出るのを必死にこらえた。
「近藤さん、いつもご来店ありがとうございます。」
「しばらく会ってないけど元気だった?」
局長の表情は、娘にデレデレのお父さんのようだ。
「やだな~、昨晩もうちにいらしたじゃないですか~。」
「お妙さんと名前ちゃんに会わないと一日が長く感じちゃってさ~。ハハハ。」
たまさんと12月初めに話した時、彼女は昼のバイトだけだった。
となると、ここでは年末頃から働いているのだろう。そんな短い間に局長の心をすっかりつかんでしまっている。
「土方さん、昨年はありがとうございました。」
彼女は副長に微笑みかける。
「ああ、アレか?大したことはしてねーよ。」
「えっトシ?何??俺聞いてないんだけど?名前ちゃんとデートしたの?二人は既にそんな仲なの?」
局長は、しめた!といった表情をしている。やっぱり本命は副長だったんだ。
「近藤さん、それは違う。コイツとは定食屋で偶然一緒になったからごちそうしただけだ。」
ごちそうしたって…、言うまでもなくアレだよな。
「土方スペシャル…、お…おいしかったです。」
みえみえの社交辞令に、副長が一瞬照れたのを俺は見逃さなかった。
「沖田さん、ご無沙汰しています。」
「…。」
アレ??
沖田隊長と名前ちゃんに接点があるなんて、初耳だ。
「以前、お団子屋さんでごあいさつさせていただきました。それ以来ですよね。」
「…そうですかィ?」
まだ沖田隊長はとぼけている。
事故の日は挨拶しないでミスドへ行ったし、車窓から旦那たちを見かけた日は「誰でィ?」と、えらく素っ気ない反応をみせたのに。
「ということは、ここにいる全員が名前ちゃんと会った事があるのか。みんな水くさいぞ~。」
局長は高らかに笑うと沖田隊長の肩にバンと手を置いた。
「山崎さん、こんばんは。」
ようやく俺に順番がまわってきた。
「たまさんから話は聞いてたんだけど、元気にしているようでよかったよ。」
「万事屋にも寄ってくれたら山崎さんに会えたのになぁ。近くに来ることがあったら教えてくださいね。」
無邪気な彼女は本心から言ってくれているようだ。
「ハハハ…そうだね。機会があれば寄らせてもらうよ。」
でもそれは無理だ。俺の来訪を旦那が絶対許すはずはない。