Day30+about50 12月25日 夜 ターミナル駅
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「確かに、この人から受け取…
私が軽くうなずいたところで、彼は乱暴に袋をひったくった。
「こっちもだな?!」
隊士は、勢いよくステファンのぬいぐるみまで奪い取っていく。
「違います!これは私のです関係ないです。」
「失礼した。ご協力感謝します。オイ!!鑑識ー!!」
彼はぬいぐるみを突き返すと、カバンを持った隊士の方に走っていった。
自動改札を通りホームで電車を待つ間、私は桂さんの事を考えていた。
彼は何かを目指していると言っていた。
そうだ、「じょうい」だ、「じょう夷」。全部思い出せないけど、こんな漢字だ。
歴史ではペリーが来た後、外国勢力を追い払おうと試みる人たちがいた。
そして、何やかんやで西郷や龍馬などの豪傑が登場して明治時代になる。
何やかんやで、としか言えない私は、桂さんの名を教科書で見た気がするけど確信が持てない。
元の世界に戻ったら歴史ドラマを借りよう。
あと桂さんは、銀さんが「お兄さんでいられるうちが楽」とも言っていた。
あれはどういう意味だったんだろう。
銀さんは頼りになるお兄さんで、それがお兄さんじゃなくな…
― !!
体に響くぐらいの破裂音が辺りに響き渡った。
― ?!
高層ビル群の隙間から音と共に、三分の二くらい欠けた花火が見える。
近くのスタジアムから花火の打ち上げが始まったようだ。
私の前で電車を待つカップルは寄り添いながら静かに眺めている。
澄んだ空気に浮かぶ季節外れの冬の花火もキレイだ。
でも、いちゃつく二人みたいに体は温まらない。
いいな~、ちょっとうらやましいな。
花火を見ながら待つうちに雪がちらついて、冷え込みは厳しくなってくる。
ダイヤが乱れてるのか、到着時刻になっても電車は来てくれない。
しびれをきらした頃、突然電光掲示板が点滅し、駅員がアナウンスを始めた。
― お客様にお知らせします。先程、ターミナル駅の連絡通路で発生した爆発事故の影響により、運転の見合わせを行っております。現在、駅構内、線路およびホームの安全確認を行っておりますが、再開の見通しはたっておりません。安全を確認出来次第お知らせしますので、このままお待ちください。
さっきの振動は花火じゃなくて爆発だったんだ!!
― なお、お近くで不審物を見つけたら、手を触れずに駅係員または警備員までお知らせください。ご理解とご協力をお願い致します。繰り返します…
「マジかよ、ターミナル駅ってここじゃねーか!」
「やだ~怖い~。」
「すみません、電車が止まっちゃって遅れます、会議は先に始めちゃ…
お互い以外眼に入らないカップル以外は、一斉に携帯電話でメッセージを送ったり乗換経路を検索したりしている。
連絡通路って、さっき立ち話をしていた場所だ。
そんな…。数分遅れていたら、桂さんと私も巻き込まれてたんだ。
ここは私のいた世界と微妙に同じようで全然違う!
いい気になって車内でうたたねしてる場合じゃない!
海外旅行や留学は慣れてきた頃が一番危ないっていうし、気を引き締めなければ。
それから長い時間ホームで待たされて、ようやく真っ暗で冷え切った万事屋に帰った。
今日、三人は遅くまで仕事をしていて帰ってこない。
夜更けまでみんなを待っていたけど結局先に眠って、私のクリスマスは終わった。
翌朝、疲れがたまっていた私はいつもより寝坊して目覚めた。
慌てて仕度をすると新八くんが台所に立っている。
「おはようございます名前さん。朝ごはん用意できてますよ。」
「手伝わなくてごめんね。」
「当番は僕なんで、気にしないでください。」
配膳だけでもしようと思い、テーブルの上の新聞をどけようと手に取ったら、とんでもない見出しが目に飛び込んできた。
[タ ー ミ ナ ル 駅 で 爆 発 、 真 選 組 隊 士 軽 傷]
- 現場に長髪ストレートの不審人物 指名手配中の桂容疑者か ―
「エエエエエ!!」
「何アルか?」
「見て、これ。」
銀さんは見出しをチラ見すると頭をかいた。
「あー、爆発?こんなのするのアイツしかいねーよ。」
「またですか。」
「ヅラもロクな事しないアルな。」
桂さんの新聞沙汰は日常らしく、みんなは全然取り合ってくれない。
私は、現場近くで別れた彼がケガをしていないか心配で記事を読み進めた。
「エエエエエ!!」
「今度はどーした?面白い事でも書いてあんの?」
「名前さん顔が真っ青ですよ、大丈夫ですか?」
「銀さん…、私、どうしよう。多分…こ、これ…
「名前?」
― ……。現場で若い女が隊士に爆発物の入った紙袋を渡して立ち去っており、真選組では、この女が何らかの事情を知っている可能性があるとして、事件との関係を調べている。―
記事はこう結ばれていた。
2015年11月18日UP
私が軽くうなずいたところで、彼は乱暴に袋をひったくった。
「こっちもだな?!」
隊士は、勢いよくステファンのぬいぐるみまで奪い取っていく。
「違います!これは私のです関係ないです。」
「失礼した。ご協力感謝します。オイ!!鑑識ー!!」
彼はぬいぐるみを突き返すと、カバンを持った隊士の方に走っていった。
自動改札を通りホームで電車を待つ間、私は桂さんの事を考えていた。
彼は何かを目指していると言っていた。
そうだ、「じょうい」だ、「じょう夷」。全部思い出せないけど、こんな漢字だ。
歴史ではペリーが来た後、外国勢力を追い払おうと試みる人たちがいた。
そして、何やかんやで西郷や龍馬などの豪傑が登場して明治時代になる。
何やかんやで、としか言えない私は、桂さんの名を教科書で見た気がするけど確信が持てない。
元の世界に戻ったら歴史ドラマを借りよう。
あと桂さんは、銀さんが「お兄さんでいられるうちが楽」とも言っていた。
あれはどういう意味だったんだろう。
銀さんは頼りになるお兄さんで、それがお兄さんじゃなくな…
― !!
体に響くぐらいの破裂音が辺りに響き渡った。
― ?!
高層ビル群の隙間から音と共に、三分の二くらい欠けた花火が見える。
近くのスタジアムから花火の打ち上げが始まったようだ。
私の前で電車を待つカップルは寄り添いながら静かに眺めている。
澄んだ空気に浮かぶ季節外れの冬の花火もキレイだ。
でも、いちゃつく二人みたいに体は温まらない。
いいな~、ちょっとうらやましいな。
花火を見ながら待つうちに雪がちらついて、冷え込みは厳しくなってくる。
ダイヤが乱れてるのか、到着時刻になっても電車は来てくれない。
しびれをきらした頃、突然電光掲示板が点滅し、駅員がアナウンスを始めた。
― お客様にお知らせします。先程、ターミナル駅の連絡通路で発生した爆発事故の影響により、運転の見合わせを行っております。現在、駅構内、線路およびホームの安全確認を行っておりますが、再開の見通しはたっておりません。安全を確認出来次第お知らせしますので、このままお待ちください。
さっきの振動は花火じゃなくて爆発だったんだ!!
― なお、お近くで不審物を見つけたら、手を触れずに駅係員または警備員までお知らせください。ご理解とご協力をお願い致します。繰り返します…
「マジかよ、ターミナル駅ってここじゃねーか!」
「やだ~怖い~。」
「すみません、電車が止まっちゃって遅れます、会議は先に始めちゃ…
お互い以外眼に入らないカップル以外は、一斉に携帯電話でメッセージを送ったり乗換経路を検索したりしている。
連絡通路って、さっき立ち話をしていた場所だ。
そんな…。数分遅れていたら、桂さんと私も巻き込まれてたんだ。
ここは私のいた世界と微妙に同じようで全然違う!
いい気になって車内でうたたねしてる場合じゃない!
海外旅行や留学は慣れてきた頃が一番危ないっていうし、気を引き締めなければ。
それから長い時間ホームで待たされて、ようやく真っ暗で冷え切った万事屋に帰った。
今日、三人は遅くまで仕事をしていて帰ってこない。
夜更けまでみんなを待っていたけど結局先に眠って、私のクリスマスは終わった。
翌朝、疲れがたまっていた私はいつもより寝坊して目覚めた。
慌てて仕度をすると新八くんが台所に立っている。
「おはようございます名前さん。朝ごはん用意できてますよ。」
「手伝わなくてごめんね。」
「当番は僕なんで、気にしないでください。」
配膳だけでもしようと思い、テーブルの上の新聞をどけようと手に取ったら、とんでもない見出しが目に飛び込んできた。
[タ ー ミ ナ ル 駅 で 爆 発 、 真 選 組 隊 士 軽 傷]
- 現場に長髪ストレートの不審人物 指名手配中の桂容疑者か ―
「エエエエエ!!」
「何アルか?」
「見て、これ。」
銀さんは見出しをチラ見すると頭をかいた。
「あー、爆発?こんなのするのアイツしかいねーよ。」
「またですか。」
「ヅラもロクな事しないアルな。」
桂さんの新聞沙汰は日常らしく、みんなは全然取り合ってくれない。
私は、現場近くで別れた彼がケガをしていないか心配で記事を読み進めた。
「エエエエエ!!」
「今度はどーした?面白い事でも書いてあんの?」
「名前さん顔が真っ青ですよ、大丈夫ですか?」
「銀さん…、私、どうしよう。多分…こ、これ…
「名前?」
― ……。現場で若い女が隊士に爆発物の入った紙袋を渡して立ち去っており、真選組では、この女が何らかの事情を知っている可能性があるとして、事件との関係を調べている。―
記事はこう結ばれていた。
2015年11月18日UP