Day30 11月8日 エピローグ
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名前さんは何かを確かめるように深呼吸した。
「銀さん。」
「何だ?」
「前から言おうと思ってたんだけど、銀さんって安心できるっていうか、いい匂いがする。」
「お、お父さん的な?じゃないよね?」
「銀さん。」
「ん?」
「この髪飾り、好き?でも、手、どけてほしい。また髪がぐしゃぐしゃになっちゃうよ…。」
「わ、悪ィ。」
― 肝心なところスルーすんな!あ~でもいい匂いってことはセーフなのか、セーフなのか??
今日の名前さん、着物より断然露出度高いし、いい匂いするって言ってくれたし、身をゆだねてるってことは嫌われてなさそーだし、うわずった声がやたら俺好みだし、いい匂いするのはむしろ彼女の方だし…
「銀さん…、もうハグは十分だよ…
― もう少しだけこのままでいさせろォォォ!男なら誰でも先延ばしにしたいだろーがこんなシチュエーションは。
「銀さん…?
マズイ、こういう時どう反応していいのかわかんねー。
― (「ムラムラします。」)
雰囲気ぶち壊しじゃねーか!!
― (「名前…。何っーか、その…、アレだ。もう離さねェ。」)
銀さんはそんな事言わねェェェ!!
何か絵的にイイ感じだけど面白半分で口にしたら死んだ魚の目に二度と戻れねェェェ!!
そろそろ、元の銀さんに修正しないとだな…。名残惜しーけど、気持ちイイ時間はシメーだ。
「あの…、戻ってきたところで悪いんだけど、カネ貸してくんない?」
彼女の肩が震えはじめた。
ヤベェ、泣かしちまった?
腕の力を緩めた途端、離れた名前さんは、
「あー、やっぱり私の知ってるお金のない銀さんだ。よかった。」
と、俺が乱した髪の毛を直しながら大笑いしてる。
― これで、いいんだよな??
「お登勢さんと土方さんからもらったお金とってあるけど、もしかしてお財布落とした?」
「さい銭箱に有り金ぶっこんだ。」
「えーっ?!全額??そこまでしてかなえたいお願いって何?何?聞いていい?」
「え?いや、その…、天パがストレートになりますよーにって。」
「…そっか。でも私は銀さんの髪の毛好きなんだけどな。で、買い物って…
「ジャンプ。」
「そうだと思った。」
まさか役に立つとは思わなかった、と言うと名前さんは財布から札を取り出したが、余計な物買わないように、お釣りは返して、と念を押すのを忘れなかった。
「ところで晩飯どーする?食いに行くか?」
「手持ちゼロの人が言うセリフじゃないよー。新八くんと神楽ちゃんびっくりするだろうな~。でも、また大騒ぎになったら困るから、みんなにあいさつしてすぐ帰るね。」
「メシぐらい食ってけ。俺の作ったメシ食った事ねーだろ?」
「バースデーケーキおいしかったから、料理も上手なんだよね?っていうか前みたいに本当に戻れるのかな…。早く帰ら…
「心配いらねェよ。細けーことは後で考えりゃいいさ。」
「そうだね…、確かに私は心配し過ぎなのかも。前みたいに、ここにお参りに来てお願いすればいいんだよね。行き来は思ったより簡単なのかもしれないし。万事屋に戻ったら、とりあえずニロが飲みたい。」
名前さんは楽しそうにしている。
初めて会った時から俺が見たかった笑顔で。
「帰るぞ。」
手持無沙汰な俺は、スクーターのカギを投げる。
すかさず名前さんはキャッチして投げ返してくる。
幸運にも、地面に落ちることはなかった。
「まだ実感わかないけど、これって夢じゃないよね…。」
「夢じゃねーよ。」
―完―
Inception(インセプション)
2014年9月13日~2015年6月25日(全31話)
「銀さん。」
「何だ?」
「前から言おうと思ってたんだけど、銀さんって安心できるっていうか、いい匂いがする。」
「お、お父さん的な?じゃないよね?」
「銀さん。」
「ん?」
「この髪飾り、好き?でも、手、どけてほしい。また髪がぐしゃぐしゃになっちゃうよ…。」
「わ、悪ィ。」
― 肝心なところスルーすんな!あ~でもいい匂いってことはセーフなのか、セーフなのか??
今日の名前さん、着物より断然露出度高いし、いい匂いするって言ってくれたし、身をゆだねてるってことは嫌われてなさそーだし、うわずった声がやたら俺好みだし、いい匂いするのはむしろ彼女の方だし…
「銀さん…、もうハグは十分だよ…
― もう少しだけこのままでいさせろォォォ!男なら誰でも先延ばしにしたいだろーがこんなシチュエーションは。
「銀さん…?
マズイ、こういう時どう反応していいのかわかんねー。
― (「ムラムラします。」)
雰囲気ぶち壊しじゃねーか!!
― (「名前…。何っーか、その…、アレだ。もう離さねェ。」)
銀さんはそんな事言わねェェェ!!
何か絵的にイイ感じだけど面白半分で口にしたら死んだ魚の目に二度と戻れねェェェ!!
そろそろ、元の銀さんに修正しないとだな…。名残惜しーけど、気持ちイイ時間はシメーだ。
「あの…、戻ってきたところで悪いんだけど、カネ貸してくんない?」
彼女の肩が震えはじめた。
ヤベェ、泣かしちまった?
腕の力を緩めた途端、離れた名前さんは、
「あー、やっぱり私の知ってるお金のない銀さんだ。よかった。」
と、俺が乱した髪の毛を直しながら大笑いしてる。
― これで、いいんだよな??
「お登勢さんと土方さんからもらったお金とってあるけど、もしかしてお財布落とした?」
「さい銭箱に有り金ぶっこんだ。」
「えーっ?!全額??そこまでしてかなえたいお願いって何?何?聞いていい?」
「え?いや、その…、天パがストレートになりますよーにって。」
「…そっか。でも私は銀さんの髪の毛好きなんだけどな。で、買い物って…
「ジャンプ。」
「そうだと思った。」
まさか役に立つとは思わなかった、と言うと名前さんは財布から札を取り出したが、余計な物買わないように、お釣りは返して、と念を押すのを忘れなかった。
「ところで晩飯どーする?食いに行くか?」
「手持ちゼロの人が言うセリフじゃないよー。新八くんと神楽ちゃんびっくりするだろうな~。でも、また大騒ぎになったら困るから、みんなにあいさつしてすぐ帰るね。」
「メシぐらい食ってけ。俺の作ったメシ食った事ねーだろ?」
「バースデーケーキおいしかったから、料理も上手なんだよね?っていうか前みたいに本当に戻れるのかな…。早く帰ら…
「心配いらねェよ。細けーことは後で考えりゃいいさ。」
「そうだね…、確かに私は心配し過ぎなのかも。前みたいに、ここにお参りに来てお願いすればいいんだよね。行き来は思ったより簡単なのかもしれないし。万事屋に戻ったら、とりあえずニロが飲みたい。」
名前さんは楽しそうにしている。
初めて会った時から俺が見たかった笑顔で。
「帰るぞ。」
手持無沙汰な俺は、スクーターのカギを投げる。
すかさず名前さんはキャッチして投げ返してくる。
幸運にも、地面に落ちることはなかった。
「まだ実感わかないけど、これって夢じゃないよね…。」
「夢じゃねーよ。」
―完―
Inception(インセプション)
2014年9月13日~2015年6月25日(全31話)
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