Day30 11月8日 エピローグ
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「銀時、このところの羽振りのよさは何だィ?まさかよからぬことに手を染めてるんじゃないだろうね?」
「お登勢」ののれんをくぐった途端、化け物にでくわしたかのごとく警戒してるケンカ腰のババアに俺はムッときて言い返した。
「向こう半年分の家賃持ってきたのにその言いぐさはねーだろ。俺には今ギャンブルの神様がついてるんだよ。」
「矢継ぎ早にカネ持ってきちゃ誰でも天変地異の前兆だって思うさ。私の勘じゃ神様どころか変なモンが憑いてるに決まってるよ、キャサリン、塩持ってきな。」
キャサリンは塩をつかんで全力でスパーキングした上、コップ酒をぶちまけてきた。
「全く気持ち悪ィったらありゃしない。さっさと神社に行ってきな。おはらいが済むまでウチの敷居をまたぐことは許さないよ。」
俺はカネだけ取られてとっとと追い出された。
「ったく、キャサリンのヤロー、目ん玉めがけて塩撒いてきやがって。」
名前さんがいなくなってから連日パチンコに通い詰め、ある日大当たりを出した俺は、新八と神楽にバーゲンダッシュと酢昆布を好きなだけ買ってやった。
そこまではいい。
所詮(しょせん)ギャンブルのあがりはあぶく銭っーことで、飲み代に費やしたわずかな残りで馬券を買ったら、銀行帯がついた札束数本に化けて戻ってきた。
そいつで滞納家賃と、ためにためてた家の修理代、かぶき町中の飲み屋のツケを完済した。
名前さんの件ではお妙にも世話になったんで、「すまいる」で一晩ぱーっと大騒ぎしてカネを落とした。
それでもサイフに収まりきれねーくらい残ってる。
新八と神楽に給料を払ってやろーかと持ちかけたが、またマヨラーと入れ替わったのか?と疑われ、俺のカネだとわかると何故かゴミを見るような目つきで逃げていった。
残額を減らそうと毎日パチンコ屋に通うけど、勝ちは続く一方だ。
さすがの俺も、この先悪い事しか待ってなさそうな異様なツキまくりに、ここ数日気がそぞろになってきている。
万事屋に戻った俺は、塩と酒で台無しになった服を着換えてソファーに寝そべりドラマの再放送をダラッと見てたけど、ババアのいう事にも一理あると思い直して、日が暮れた頃にスクーターで神社へ向かった。
先日、絵巻の話をしてくれた宮司に祈祷してもらおうと呼び出したが、おっさんは不在の上、到着が遅かったので巫女さんたちは既に社務所の戸締りを始めていた。明日来るのもめんどくせーし、参拝でおはらいを済ませたことにする。
名前さんがサイフの中身を全額投じてまもなく元の世界に戻れたみてーに、手を合わせ願い事を唱えれば、神様が変なモンを追い払ってくれるだろう。
巫女さんたちが懐(ふところ)、サイフ、ポケット、ブーツ、あらゆるところから札を出してさい銭箱に納める俺を遠巻きにひそひそやってたが、目が合うとそそくさと戸を閉めた。
今の銀さんは一万円札の肖像画を見るのもうんざりなんだから、これくらい何てこたァねェ。
茶の一つくらい出してくれてもバチはあたんねーよ。
柏手を打ち、目を閉じる。
「ツキが落ちますよーに。」
― イヤイヤイヤ今のはナシで。
「ツキはそのままで憑き物が落ちますよーに。」
― 自分の願いだけっーワケにはいかねーよな。
「名前さん、あの世でうまくやれよ。」
― イヤイヤイヤ、彼女は生きてるし。
願い事を考えてるうちに、俺はいつの間にか関節のこわばりが取れ、全身が軽くなったのを実感した。
ようやく憑き物は退散したようだ。
「アレ??」
オイぃぃぃ!!何やってんだァァァ!!
今、俺は有り金全部さい銭箱に入れてしまった事に気づいた。
だから身が軽いのかよォォォ!!
「お登勢」ののれんをくぐった途端、化け物にでくわしたかのごとく警戒してるケンカ腰のババアに俺はムッときて言い返した。
「向こう半年分の家賃持ってきたのにその言いぐさはねーだろ。俺には今ギャンブルの神様がついてるんだよ。」
「矢継ぎ早にカネ持ってきちゃ誰でも天変地異の前兆だって思うさ。私の勘じゃ神様どころか変なモンが憑いてるに決まってるよ、キャサリン、塩持ってきな。」
キャサリンは塩をつかんで全力でスパーキングした上、コップ酒をぶちまけてきた。
「全く気持ち悪ィったらありゃしない。さっさと神社に行ってきな。おはらいが済むまでウチの敷居をまたぐことは許さないよ。」
俺はカネだけ取られてとっとと追い出された。
「ったく、キャサリンのヤロー、目ん玉めがけて塩撒いてきやがって。」
名前さんがいなくなってから連日パチンコに通い詰め、ある日大当たりを出した俺は、新八と神楽にバーゲンダッシュと酢昆布を好きなだけ買ってやった。
そこまではいい。
所詮(しょせん)ギャンブルのあがりはあぶく銭っーことで、飲み代に費やしたわずかな残りで馬券を買ったら、銀行帯がついた札束数本に化けて戻ってきた。
そいつで滞納家賃と、ためにためてた家の修理代、かぶき町中の飲み屋のツケを完済した。
名前さんの件ではお妙にも世話になったんで、「すまいる」で一晩ぱーっと大騒ぎしてカネを落とした。
それでもサイフに収まりきれねーくらい残ってる。
新八と神楽に給料を払ってやろーかと持ちかけたが、またマヨラーと入れ替わったのか?と疑われ、俺のカネだとわかると何故かゴミを見るような目つきで逃げていった。
残額を減らそうと毎日パチンコ屋に通うけど、勝ちは続く一方だ。
さすがの俺も、この先悪い事しか待ってなさそうな異様なツキまくりに、ここ数日気がそぞろになってきている。
万事屋に戻った俺は、塩と酒で台無しになった服を着換えてソファーに寝そべりドラマの再放送をダラッと見てたけど、ババアのいう事にも一理あると思い直して、日が暮れた頃にスクーターで神社へ向かった。
先日、絵巻の話をしてくれた宮司に祈祷してもらおうと呼び出したが、おっさんは不在の上、到着が遅かったので巫女さんたちは既に社務所の戸締りを始めていた。明日来るのもめんどくせーし、参拝でおはらいを済ませたことにする。
名前さんがサイフの中身を全額投じてまもなく元の世界に戻れたみてーに、手を合わせ願い事を唱えれば、神様が変なモンを追い払ってくれるだろう。
巫女さんたちが懐(ふところ)、サイフ、ポケット、ブーツ、あらゆるところから札を出してさい銭箱に納める俺を遠巻きにひそひそやってたが、目が合うとそそくさと戸を閉めた。
今の銀さんは一万円札の肖像画を見るのもうんざりなんだから、これくらい何てこたァねェ。
茶の一つくらい出してくれてもバチはあたんねーよ。
柏手を打ち、目を閉じる。
「ツキが落ちますよーに。」
― イヤイヤイヤ今のはナシで。
「ツキはそのままで憑き物が落ちますよーに。」
― 自分の願いだけっーワケにはいかねーよな。
「名前さん、あの世でうまくやれよ。」
― イヤイヤイヤ、彼女は生きてるし。
願い事を考えてるうちに、俺はいつの間にか関節のこわばりが取れ、全身が軽くなったのを実感した。
ようやく憑き物は退散したようだ。
「アレ??」
オイぃぃぃ!!何やってんだァァァ!!
今、俺は有り金全部さい銭箱に入れてしまった事に気づいた。
だから身が軽いのかよォォォ!!