Day26 11月4日 午後 パトカー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「旦那~、俺が他人にふるまうようなお人よしとでも思ってるならかいかぶりですぜ。もっぱら俺はメス豚のエサやり専門なんでさァ。」
「銀さん~、買ってきたよ~。豚??屯所で豚育ててるんですか?」
買い物から戻ってきた名字名前が会話に加わると、旦那の目から険しさが消えた。
「イヤイヤイヤそっちの豚じゃなくて沖田くんのは特殊な品種なんだよ。」
「もしかしてペットのミニ豚ですか?!よかったら写真とか動画とか見せてもらえませんか?」
「ペットって言うか一応ペットだよな…。ほら、公務中のおまわりさんの邪魔すんな、行くぞ。」
「でも沖田さんはお団子食べてるし…銀さん?何で?まだ時間あるのに…。」
旦那は茶を飲み干すと席を立ち、サイフを受け取った。
「沖田くん、ごちそうさん。」
「んじゃ、お二人さん。お忙しい所、お引き留めして失礼しやした。」
「あと、メガネ使ってますって山崎さんによろし…銀さんー、そんな引っ張らなくても大丈夫だよ、私は子どもじゃないってー!沖田さーん、お仕事中すみませんでしたー。」
「豚」の説明をするのがめんどくせーのか、俺と接触させたくねーのか、旦那はお菓子売り場でごねるガキに言い聞かせるように名字名前の手首をつかむと、大通りの方に引っ張って行った。
一旦護ると決めたものを護り抜く、侍としての筋通すアンタは一切悪くねェ。
それは、わかってらァ。
でも、どいつもこいつも年上だけでつるみやがって。
しゃくにさわりまさァ。
減らず口をたたくのに距離が離れちまった俺は、座ったまま旦那の着物の袖を矢で射抜くように、団子の串を勢いよく放った。
予想通り、旦那は振り返る事なく指の間で受けとめ、バキッとへし折って串を捨ててから立ち止まった。
「あらら~沖田くーん、団子の食い過ぎでどうかしちゃった?」
「すいやせん、手が滑っちまったことにしてくだせェ。」
名字名前は何が起きたのかわからず、こっちを見て会釈したが、いつもだったら振り向いて冗談を飛ばしてくる旦那は、前を向いたまま俺と目を合わせることなく帰って行った。
あれっきり名字名前とも旦那とも会っちゃいねェ。
「旦那がはねた娘さんですよ。ほら、ミスドの全品半額デーの日に。隊長なら知ってると思ったんですけど。どうします?旦那たちに声かけますか?」
「…。」
「沖田隊長?」
切り替えの早さに定評のある俺は、アイマスクをかけて名人の新作落語に聴き入っていた。
2015年6月14日UP
「銀さん~、買ってきたよ~。豚??屯所で豚育ててるんですか?」
買い物から戻ってきた名字名前が会話に加わると、旦那の目から険しさが消えた。
「イヤイヤイヤそっちの豚じゃなくて沖田くんのは特殊な品種なんだよ。」
「もしかしてペットのミニ豚ですか?!よかったら写真とか動画とか見せてもらえませんか?」
「ペットって言うか一応ペットだよな…。ほら、公務中のおまわりさんの邪魔すんな、行くぞ。」
「でも沖田さんはお団子食べてるし…銀さん?何で?まだ時間あるのに…。」
旦那は茶を飲み干すと席を立ち、サイフを受け取った。
「沖田くん、ごちそうさん。」
「んじゃ、お二人さん。お忙しい所、お引き留めして失礼しやした。」
「あと、メガネ使ってますって山崎さんによろし…銀さんー、そんな引っ張らなくても大丈夫だよ、私は子どもじゃないってー!沖田さーん、お仕事中すみませんでしたー。」
「豚」の説明をするのがめんどくせーのか、俺と接触させたくねーのか、旦那はお菓子売り場でごねるガキに言い聞かせるように名字名前の手首をつかむと、大通りの方に引っ張って行った。
一旦護ると決めたものを護り抜く、侍としての筋通すアンタは一切悪くねェ。
それは、わかってらァ。
でも、どいつもこいつも年上だけでつるみやがって。
しゃくにさわりまさァ。
減らず口をたたくのに距離が離れちまった俺は、座ったまま旦那の着物の袖を矢で射抜くように、団子の串を勢いよく放った。
予想通り、旦那は振り返る事なく指の間で受けとめ、バキッとへし折って串を捨ててから立ち止まった。
「あらら~沖田くーん、団子の食い過ぎでどうかしちゃった?」
「すいやせん、手が滑っちまったことにしてくだせェ。」
名字名前は何が起きたのかわからず、こっちを見て会釈したが、いつもだったら振り向いて冗談を飛ばしてくる旦那は、前を向いたまま俺と目を合わせることなく帰って行った。
あれっきり名字名前とも旦那とも会っちゃいねェ。
「旦那がはねた娘さんですよ。ほら、ミスドの全品半額デーの日に。隊長なら知ってると思ったんですけど。どうします?旦那たちに声かけますか?」
「…。」
「沖田隊長?」
切り替えの早さに定評のある俺は、アイマスクをかけて名人の新作落語に聴き入っていた。
2015年6月14日UP