Day26 11月4日 午後 パトカー
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監察レポートの補足資料には、ザキの記憶をもとに書き起こした数々の固有名詞が記されていた。
そのなかには似ているようで微妙に違う地名がいくつかあった。
それと、女の住む街にはターミナルの代わりに別のタワーが立っていて、ビルの屋根は瓦ぶきじゃねーらしい。
百年や二百年違えば、都市の区画や地名は整理変更されることもある。
街並みや、人々の身なり、風習も少しずつ変わっていく。
でも、「出現」したあの場所には今と同じように神社があって、何の因果か、俺たち真選組は寺子屋の教科書に載ってるんだろう。
名字名前は、未来からやって来た人間だ。
旦那、答えはコレで合ってますかィ?
どうやら、旦那は俺の目が厳しくなったのに気づいたらしい。
「名前さん、団子テキトーに買っといてくれる?」
そう言うと、女にサイフを渡した。
「いいの?私が適当に選んで買っちゃうけど。えーと、予算は…お財布の中身はこれしかないけど、これくらいでいいのかな?」
「アレ?もうそれだけ?じゃあコレくらいで。」
「わかった、並んでるから時間かかるかもしれないけど、ここで待っててね。」
旦那は、名字名前を体よく追い払うと店員に茶を持ってくるように言って隣に座り、当たり前のように俺の団子を食い始めた。
「ところで沖田くん、俺に用があるんじゃないの?」
「旦那こそ、俺に用があるんじゃないですかィ?」
「近頃よく目が合うな~って、おたくもストーカー業始めたの?」
「俺はここの団子が気に入っただけでさァ。」
食い終わった団子の串を置くと、旦那の目が一瞬光った。
「これだけ言っとくわ。先日は、ごちそうさん。」
「ハテ?何のことですかィ?」
「いや~マジ旨かったけど、アレ。」
「俺は旦那にご馳走した覚えはありやせんぜ。何かの間違いじゃないですかィ?」
「そっか~俺の思い違いだったか~。ドS王子の沖田くんって実はフェミニストな面も持ち合わせてるのかな~って銀さん感激したんだけど。なら忘れといてこの話。」
旦那は名字名前の正体を知ってる。
俺が病院にドーナツを置いて行ったのもわかってる。
お見通しの上で、けん制していやがる。
全ては、名字名前を護るために。
あの日突然「出現」した女の謎を隠し通すために。
俺は蚊帳(かや)の外ですかィ。
六角屋のメスガキを預けたり、煉獄関(れんごくかん)に誘ったり、今まで何度か俺は個人的に万事屋を利用してるがその反対は一度もねェ。
例外は一度あった。半分からくりに改造された志村家の兄貴分が刺客として地球に差し向けられた時、旦那は俺たちに頭を下げた。
言い替えると、旦那は地球の存亡の危機をのぞけば、テメーの大事なモンを剣一つで護れる自負がある。
この件も、最終的には自分だけでカタをつける気だろう。
ザキの偵察をあっさり許したのは、幕府を脅かす(おびやかす)存在じゃねー限り、俺たちが名字名前を連行できねーと踏んだからだ。
でも、これ以上コイツの正体を探りに旦那の縄張りへ足踏み入れるようなら、ただじゃおかねーってか。
名字名前を護るためなら旦那は簡単に牙をむく。
その証拠に、俺を見る目が笑っちゃいねェ。
なーんか、すべて身一つで背負って、他人に貸しを作りたがらねーアンタらしいや。
でも、水くせェじゃないですかィ。
俺だってあの日、あの場所にいたんだ。
謎解きの答え合わせっーのを、してくれねーんですかィ?
そのなかには似ているようで微妙に違う地名がいくつかあった。
それと、女の住む街にはターミナルの代わりに別のタワーが立っていて、ビルの屋根は瓦ぶきじゃねーらしい。
百年や二百年違えば、都市の区画や地名は整理変更されることもある。
街並みや、人々の身なり、風習も少しずつ変わっていく。
でも、「出現」したあの場所には今と同じように神社があって、何の因果か、俺たち真選組は寺子屋の教科書に載ってるんだろう。
名字名前は、未来からやって来た人間だ。
旦那、答えはコレで合ってますかィ?
どうやら、旦那は俺の目が厳しくなったのに気づいたらしい。
「名前さん、団子テキトーに買っといてくれる?」
そう言うと、女にサイフを渡した。
「いいの?私が適当に選んで買っちゃうけど。えーと、予算は…お財布の中身はこれしかないけど、これくらいでいいのかな?」
「アレ?もうそれだけ?じゃあコレくらいで。」
「わかった、並んでるから時間かかるかもしれないけど、ここで待っててね。」
旦那は、名字名前を体よく追い払うと店員に茶を持ってくるように言って隣に座り、当たり前のように俺の団子を食い始めた。
「ところで沖田くん、俺に用があるんじゃないの?」
「旦那こそ、俺に用があるんじゃないですかィ?」
「近頃よく目が合うな~って、おたくもストーカー業始めたの?」
「俺はここの団子が気に入っただけでさァ。」
食い終わった団子の串を置くと、旦那の目が一瞬光った。
「これだけ言っとくわ。先日は、ごちそうさん。」
「ハテ?何のことですかィ?」
「いや~マジ旨かったけど、アレ。」
「俺は旦那にご馳走した覚えはありやせんぜ。何かの間違いじゃないですかィ?」
「そっか~俺の思い違いだったか~。ドS王子の沖田くんって実はフェミニストな面も持ち合わせてるのかな~って銀さん感激したんだけど。なら忘れといてこの話。」
旦那は名字名前の正体を知ってる。
俺が病院にドーナツを置いて行ったのもわかってる。
お見通しの上で、けん制していやがる。
全ては、名字名前を護るために。
あの日突然「出現」した女の謎を隠し通すために。
俺は蚊帳(かや)の外ですかィ。
六角屋のメスガキを預けたり、煉獄関(れんごくかん)に誘ったり、今まで何度か俺は個人的に万事屋を利用してるがその反対は一度もねェ。
例外は一度あった。半分からくりに改造された志村家の兄貴分が刺客として地球に差し向けられた時、旦那は俺たちに頭を下げた。
言い替えると、旦那は地球の存亡の危機をのぞけば、テメーの大事なモンを剣一つで護れる自負がある。
この件も、最終的には自分だけでカタをつける気だろう。
ザキの偵察をあっさり許したのは、幕府を脅かす(おびやかす)存在じゃねー限り、俺たちが名字名前を連行できねーと踏んだからだ。
でも、これ以上コイツの正体を探りに旦那の縄張りへ足踏み入れるようなら、ただじゃおかねーってか。
名字名前を護るためなら旦那は簡単に牙をむく。
その証拠に、俺を見る目が笑っちゃいねェ。
なーんか、すべて身一つで背負って、他人に貸しを作りたがらねーアンタらしいや。
でも、水くせェじゃないですかィ。
俺だってあの日、あの場所にいたんだ。
謎解きの答え合わせっーのを、してくれねーんですかィ?