Day26 11月4日 午後 パトカー
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車窓から、万事屋の三人が信号待ちをしているのが視界に入ってきた。
買い出しの帰りか大きな荷物をぶらさげてる。チャイナがかついでるのは犬のエサだろう。
例の女は、今日もいねェ。
「そういえば名字さん、最近見かけないですね。記憶が戻って親御さんと再会できたんですか?沖田隊長何か聞いてます?」
「名字って誰でィ?」
「旦那がはねた娘さんですよ。ほら、ミスドの全品半額デーの日に。隊長なら知ってると思ったんですけど。どうします?旦那たちに声かけますか?」
「…。」
「沖田隊長?」
二日にわたる調査の結果、土方さんは名字名前が幕府に仇なす危険人物じゃねェと判断し、謎を放置したまま、あっさり捜査を打ち切った。
極悪人をしょっぴくのが最優先の真選組にとって、どうでもいい小娘に割く時間はねーし、どうでもよくねー何処かのご令嬢なら、万事屋に預けておくのが最も安全ってことらしい。
ザキは実現そのものが怪しい合コンに過大な夢を抱きつつ、新たな捜査対象に潜入していった。
俺はあの日以来超多忙な公務の間をぬって、大通りの交差点にある老舗の団子屋の軒先で茶を飲みつつ午後の公務にいそしんでいた。
横断歩道の向こうの区域は万事屋の生活圏で、ここからだと三人が行きつけのコンビニとファミレスが見える。
桂が出没してからは、この場所を捜査本部にして検問の指揮をとった。
あれから名字名前は何度も見かけた。だが、必ず旦那たちと一緒に歩いていて職務質問するスキがねェ。
俺は単独での任意同行をあきらめ、ひたすら会話の機会をここで待つことにした。
桂が街を騒がせた数日後、旦那と名字名前は横断歩道を渡り、団子を買いにやってきた。
「よォ、相変わらずご苦労なこって。」
「初めまして、名字名前と申します。」
笑顔で挨拶してくるコイツは、どこからどうみても飼い慣らしやすそうなタダの町娘だ。
「あー、名前さん。沖田くんとは初めてじゃねーよ。一回病院で会ったろ?こちら、沖田総一郎くん。」
「総悟です、旦那。」
「そうだったんですか…。あの時何が何だか覚えてなくて。お世話になってたのにお礼が遅れてすみませんでした。」
女は深々と一礼してから旦那の方を向いた。
「銀さん…、もしかして沖田さんの上司って土方さん?」
「そうだけど。おととい定食屋で鉢合わせしたニコチンマヨラーのお仲間。っーか直接聞きゃァいいだろ。」
「ここは重要な問題なんで別の人に確認したいっていうか。」
例の事故が起きてから十日以上経つ。その間に親しくなったのか二人の距離は近い。
コイツは完全に旦那を信頼しきっているようだ。
「何?沖田くんが怖いの?アイツドSだけど俺いるから取って食われたりしねーよ。」
「真選組の土方さんに沖田さん…。土方…?沖田!もしかして?!」
「恥ずかしがるこたァねーだろ。っーかさっきからどうしたの?」
小声で話してるつもりらしーが、こんだけ近くにいりゃー全部聞こえてくる。
名字名前は、やけにためらっていたが、旦那に説得されるような形でおずおずと話しかけてきた。
「沖田総司さんですよね?あの…もしかして、一番偉いお方は近藤さんですか?」
「総悟です。あ~その様子だと、ウチの大将が世話になったんですかィ。」
「マジで近藤さんですか!!えーーー!!どうしよう。」
どうしようって一体何をどうしようってんでィ。
「もう一度確認したいんですけど、沖田さんですよね…土方さん…近藤さん…!何これすごい!」
先祖から代々受け継いできた家の名を面白がりやがって気色悪ィなコイツ。
俺たちの何がおかしいってんだ。
「銀さん、すごい人たちと知り合いなんだね!」
「あのさ…、沖田くんはおまわりさんなんだけど…。まぁコイツらは有名っちゃ有名だけど、どこぞのアイドルグループと勘違いしてね??」
旦那もワケが分からないようで困り顔だ。
「だからさっきからどうしたの?」
「ちょっとそれは言えない…言ったらまずいし。」
「一体、何がまずいんですかィ?」
名字名前は俺が問いかけた途端、たじろいだ。
「ええと何でもないです全然気にしないでください本当何でもないです私の勘違いというか。沖田さん失礼な事言ってすみませんでした!」
今のコイツは明らかに何かごまかそうと目が泳いでやがる。
はしゃぎ過ぎて口を滑らしたのが運のツキでさァ。
旦那、ようやく謎が解けやしたぜ。
買い出しの帰りか大きな荷物をぶらさげてる。チャイナがかついでるのは犬のエサだろう。
例の女は、今日もいねェ。
「そういえば名字さん、最近見かけないですね。記憶が戻って親御さんと再会できたんですか?沖田隊長何か聞いてます?」
「名字って誰でィ?」
「旦那がはねた娘さんですよ。ほら、ミスドの全品半額デーの日に。隊長なら知ってると思ったんですけど。どうします?旦那たちに声かけますか?」
「…。」
「沖田隊長?」
二日にわたる調査の結果、土方さんは名字名前が幕府に仇なす危険人物じゃねェと判断し、謎を放置したまま、あっさり捜査を打ち切った。
極悪人をしょっぴくのが最優先の真選組にとって、どうでもいい小娘に割く時間はねーし、どうでもよくねー何処かのご令嬢なら、万事屋に預けておくのが最も安全ってことらしい。
ザキは実現そのものが怪しい合コンに過大な夢を抱きつつ、新たな捜査対象に潜入していった。
俺はあの日以来超多忙な公務の間をぬって、大通りの交差点にある老舗の団子屋の軒先で茶を飲みつつ午後の公務にいそしんでいた。
横断歩道の向こうの区域は万事屋の生活圏で、ここからだと三人が行きつけのコンビニとファミレスが見える。
桂が出没してからは、この場所を捜査本部にして検問の指揮をとった。
あれから名字名前は何度も見かけた。だが、必ず旦那たちと一緒に歩いていて職務質問するスキがねェ。
俺は単独での任意同行をあきらめ、ひたすら会話の機会をここで待つことにした。
桂が街を騒がせた数日後、旦那と名字名前は横断歩道を渡り、団子を買いにやってきた。
「よォ、相変わらずご苦労なこって。」
「初めまして、名字名前と申します。」
笑顔で挨拶してくるコイツは、どこからどうみても飼い慣らしやすそうなタダの町娘だ。
「あー、名前さん。沖田くんとは初めてじゃねーよ。一回病院で会ったろ?こちら、沖田総一郎くん。」
「総悟です、旦那。」
「そうだったんですか…。あの時何が何だか覚えてなくて。お世話になってたのにお礼が遅れてすみませんでした。」
女は深々と一礼してから旦那の方を向いた。
「銀さん…、もしかして沖田さんの上司って土方さん?」
「そうだけど。おととい定食屋で鉢合わせしたニコチンマヨラーのお仲間。っーか直接聞きゃァいいだろ。」
「ここは重要な問題なんで別の人に確認したいっていうか。」
例の事故が起きてから十日以上経つ。その間に親しくなったのか二人の距離は近い。
コイツは完全に旦那を信頼しきっているようだ。
「何?沖田くんが怖いの?アイツドSだけど俺いるから取って食われたりしねーよ。」
「真選組の土方さんに沖田さん…。土方…?沖田!もしかして?!」
「恥ずかしがるこたァねーだろ。っーかさっきからどうしたの?」
小声で話してるつもりらしーが、こんだけ近くにいりゃー全部聞こえてくる。
名字名前は、やけにためらっていたが、旦那に説得されるような形でおずおずと話しかけてきた。
「沖田総司さんですよね?あの…もしかして、一番偉いお方は近藤さんですか?」
「総悟です。あ~その様子だと、ウチの大将が世話になったんですかィ。」
「マジで近藤さんですか!!えーーー!!どうしよう。」
どうしようって一体何をどうしようってんでィ。
「もう一度確認したいんですけど、沖田さんですよね…土方さん…近藤さん…!何これすごい!」
先祖から代々受け継いできた家の名を面白がりやがって気色悪ィなコイツ。
俺たちの何がおかしいってんだ。
「銀さん、すごい人たちと知り合いなんだね!」
「あのさ…、沖田くんはおまわりさんなんだけど…。まぁコイツらは有名っちゃ有名だけど、どこぞのアイドルグループと勘違いしてね??」
旦那もワケが分からないようで困り顔だ。
「だからさっきからどうしたの?」
「ちょっとそれは言えない…言ったらまずいし。」
「一体、何がまずいんですかィ?」
名字名前は俺が問いかけた途端、たじろいだ。
「ええと何でもないです全然気にしないでください本当何でもないです私の勘違いというか。沖田さん失礼な事言ってすみませんでした!」
今のコイツは明らかに何かごまかそうと目が泳いでやがる。
はしゃぎ過ぎて口を滑らしたのが運のツキでさァ。
旦那、ようやく謎が解けやしたぜ。