Day11-2 10月20日 夜 「お登勢」
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たまさんが気を利かせてカメラを持ってきたので、私たちは撮影のために移動を始めた。
当初、私と銀さんがケーキの目の前に座って、後ろに新八くんと神楽ちゃんを立たせようとした。
でも、この配置だと、背の低い神楽ちゃんがうずもれてしまう。
結局、銀さんは渋々席を譲り、男性陣が後ろに立つことにした。
「坂田さ~ん、アホの坂田さ~ん。」
「銀時様かがんで頂けますかこのままですと皆様がおさまりません。」
「それでは皆様、笑顔でお願いいたします。」
「笑うアル。」
「!」
重ねた取り皿を運ぶ新八くんが目の前にいる!!
「ちょっとォォォ!!僕が入ってないじゃないですか!!」
「そんなことないアル、ここにいるアル。」
「居るぞ。俺、名前さん、神楽、メガネ。ほら、四人揃ってる。」
「居ねーだろーがァァァ!!」
「いや、居るってば、俺、名前さん、神楽、メガネ。」
「それ名前さんのメガネじゃねーかァァァ!!っーかたまさんまで僕を認識しないなんてひどいですよ…。」
新八くんは取り皿を長谷川さんに押しつけると、速攻で神楽ちゃんの後ろに立った。
「それでは皆様…
写真を撮ってから、ハッピーバースデーの曲を歌ってもらい、銀さんと一緒にローソクの火を消して、たまさんがケーキを切り分け配り始めたところで、私はある重大な事実に気づいた。
「ところで…どこで誕生日知ったの?」
「それはですね…。言っちゃっていいのかな?」
新八くんが口ごもった。
「どーせバレるんだから言っとけ言っとけ。」
「免許証見たアル。」
「あ゙――――――!!誰にも見せたことないのに!!」
「目の前に立ってる実物の方が全然いいだろ。パッケージ詐欺がはびこってる昨今にしちゃ良心的じゃねーか。」
「そういう問題じゃないよ!何でお財布の中身見たの?!」
「だって中身あらためねーと、誰の持ち物かわかんねーだろ?」
「そこはキャッシュカードとかポイントカードとか他に身分がわかるやつあるよ…。」
「別に裸見られたワケじゃあるめーし、気にするこたァねー。」
「…。」
「銀ちゃんはこれだからモテないアル。」
早くも生ビールの中ジョッキ二杯目を飲み干して顔を赤くした長谷川さんは、
「大体さ、写真はウソをつくんだよ。お店の娘のプロフィールなんていじってるの前提だからね。でもさ、呼び込み長年やってると大体パターンわかってきちゃうんだよコレが…。」
と訳知り顔に持論を展開していたけど、キャサリンさんが隣に座ってから二人で下を向いてゴソゴソやり始めた。
「何だ、この程度なら気にすることないじゃん。」
「眉太くつなげてヤローかコノヤロー。」
「おまわりさんに見せるのにいたずら書きはダメだって。名前ちゃん、よかったら俺の免許証見る?」
― 嫌な予感がする!
財布に免許証がない!!
バッグを置いた隙(すき)にキャサリンさんに盗られたようだ…。
「なんだい写真ひとつで大騒ぎして…。ここには手癖の悪い猫がいるから持ち物には気をつけな。」
みんなに見られてしまった免許証はお登勢さんが取り返してくれて、ようやく手元に戻ってきた。
「名前さん、気にすることないですよ。もしよかったらお通ちゃんのメドレー、一緒に歌いませんか。」
なぐさめるように新八くんがマイクを渡してくれる。
「ありがとう…。落ち込んだ時はお通ちゃんだよね。」
しょうがない、気分を切り替えよう。
「ポリ公なんて~
「お前のばーちゃん~
「ネ、ネ、ネ、ネ、ネクロマンサー~
新八くんの歌は相変わらずの破壊力だけど、私も負けないように歌った。
まだ全部は歌えないけどお通ちゃんの曲は楽しくてしょうがない。
間奏の最中だった。
「あっ…。」
財布の中身を見られたってことは、バッグの中身は全部調べられたんだ。
キャッシュカードもポイントカードも、
お札も、硬貨も、携帯電話も。
写真ばかり気にしていたけど、この世界に存在しない住所や元号の記載された免許証を見られてしまったんだ。
― そういうことか。
― 万事屋に居るアル。名前ちゃんをこの世界でひとりぼっちにしないネ。―
― 名前ちゃん隠し事してるネ。私、どんなことがあっても味方アル。―
― 代わりに話していいアルか? ―
― 名前さん、本当の理由を打ち明けてもらえませんか?話してくれるまで、僕はここを動きません。 ―
万事屋を出ていくと言い張ったあの日の発言の真意や、銀さんがビクッとしたり、三人が寂しそうな顔で内緒話をしていた理由がやっとわかった。
― そういうことだったんだ。
その晩、私はすべてを打ち明けた。
2015年5月4日UP
当初、私と銀さんがケーキの目の前に座って、後ろに新八くんと神楽ちゃんを立たせようとした。
でも、この配置だと、背の低い神楽ちゃんがうずもれてしまう。
結局、銀さんは渋々席を譲り、男性陣が後ろに立つことにした。
「坂田さ~ん、アホの坂田さ~ん。」
「銀時様かがんで頂けますかこのままですと皆様がおさまりません。」
「それでは皆様、笑顔でお願いいたします。」
「笑うアル。」
「!」
重ねた取り皿を運ぶ新八くんが目の前にいる!!
「ちょっとォォォ!!僕が入ってないじゃないですか!!」
「そんなことないアル、ここにいるアル。」
「居るぞ。俺、名前さん、神楽、メガネ。ほら、四人揃ってる。」
「居ねーだろーがァァァ!!」
「いや、居るってば、俺、名前さん、神楽、メガネ。」
「それ名前さんのメガネじゃねーかァァァ!!っーかたまさんまで僕を認識しないなんてひどいですよ…。」
新八くんは取り皿を長谷川さんに押しつけると、速攻で神楽ちゃんの後ろに立った。
「それでは皆様…
写真を撮ってから、ハッピーバースデーの曲を歌ってもらい、銀さんと一緒にローソクの火を消して、たまさんがケーキを切り分け配り始めたところで、私はある重大な事実に気づいた。
「ところで…どこで誕生日知ったの?」
「それはですね…。言っちゃっていいのかな?」
新八くんが口ごもった。
「どーせバレるんだから言っとけ言っとけ。」
「免許証見たアル。」
「あ゙――――――!!誰にも見せたことないのに!!」
「目の前に立ってる実物の方が全然いいだろ。パッケージ詐欺がはびこってる昨今にしちゃ良心的じゃねーか。」
「そういう問題じゃないよ!何でお財布の中身見たの?!」
「だって中身あらためねーと、誰の持ち物かわかんねーだろ?」
「そこはキャッシュカードとかポイントカードとか他に身分がわかるやつあるよ…。」
「別に裸見られたワケじゃあるめーし、気にするこたァねー。」
「…。」
「銀ちゃんはこれだからモテないアル。」
早くも生ビールの中ジョッキ二杯目を飲み干して顔を赤くした長谷川さんは、
「大体さ、写真はウソをつくんだよ。お店の娘のプロフィールなんていじってるの前提だからね。でもさ、呼び込み長年やってると大体パターンわかってきちゃうんだよコレが…。」
と訳知り顔に持論を展開していたけど、キャサリンさんが隣に座ってから二人で下を向いてゴソゴソやり始めた。
「何だ、この程度なら気にすることないじゃん。」
「眉太くつなげてヤローかコノヤロー。」
「おまわりさんに見せるのにいたずら書きはダメだって。名前ちゃん、よかったら俺の免許証見る?」
― 嫌な予感がする!
財布に免許証がない!!
バッグを置いた隙(すき)にキャサリンさんに盗られたようだ…。
「なんだい写真ひとつで大騒ぎして…。ここには手癖の悪い猫がいるから持ち物には気をつけな。」
みんなに見られてしまった免許証はお登勢さんが取り返してくれて、ようやく手元に戻ってきた。
「名前さん、気にすることないですよ。もしよかったらお通ちゃんのメドレー、一緒に歌いませんか。」
なぐさめるように新八くんがマイクを渡してくれる。
「ありがとう…。落ち込んだ時はお通ちゃんだよね。」
しょうがない、気分を切り替えよう。
「ポリ公なんて~
「お前のばーちゃん~
「ネ、ネ、ネ、ネ、ネクロマンサー~
新八くんの歌は相変わらずの破壊力だけど、私も負けないように歌った。
まだ全部は歌えないけどお通ちゃんの曲は楽しくてしょうがない。
間奏の最中だった。
「あっ…。」
財布の中身を見られたってことは、バッグの中身は全部調べられたんだ。
キャッシュカードもポイントカードも、
お札も、硬貨も、携帯電話も。
写真ばかり気にしていたけど、この世界に存在しない住所や元号の記載された免許証を見られてしまったんだ。
― そういうことか。
― 万事屋に居るアル。名前ちゃんをこの世界でひとりぼっちにしないネ。―
― 名前ちゃん隠し事してるネ。私、どんなことがあっても味方アル。―
― 代わりに話していいアルか? ―
― 名前さん、本当の理由を打ち明けてもらえませんか?話してくれるまで、僕はここを動きません。 ―
万事屋を出ていくと言い張ったあの日の発言の真意や、銀さんがビクッとしたり、三人が寂しそうな顔で内緒話をしていた理由がやっとわかった。
― そういうことだったんだ。
その晩、私はすべてを打ち明けた。
2015年5月4日UP