Day11-2 10月20日 夜 「お登勢」
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「実を言うと、これ銀さんの手作りなんですよ。」
「本当??すごいよ!!剣だけじゃなくてスイーツ作りもすご腕なんだ!!これならお店出せるよ!!」
「言ったろ、俺は器用なんだって。」
銀さんが「ほめてほめて」な時の犬の目をして訴えかけてきたので、私は思わず大げさにほめてしまった。
「だからといって予算オーバーするのやめてくださいよ。月末で家計が厳しいんですから。」
「ほら見ろ~、わかる人にはわかるんだよ俺の凄さが。」
新八くんの小言は耳に入らず銀さんはドヤ顔だ。
「名前ちゃん、甘やかしちゃダメアル。男はすぐつけあがるからほめるのも大概にするネってマミーが言ってたアル。」
神楽ちゃんの指摘通り、銀さんは調子に乗って自分の創作技術を自慢しまくっている。
ほめ過ぎたかな…そんなことないや、やっぱり大げさじゃなくすごい腕前だ。
そうこうしているうちに、奥の和室の方から神楽ちゃんが大きな箱を抱えてきた。
「プレゼントの時間アル。」
箱を受け取るのに合わせて拍手が沸きおこる。
「開けていい?」
神楽ちゃんがうなずいた。
リボンを解いて箱を開けると、そこには事故の日に着ていた制服がたたまれていたのだった。
服を広げる。
切れたり裂けたりした箇所は全てつくろってあった。
「メイド服はそよちゃんと一緒に直したアル。縫い目のうまい方はそよちゃんアル。」
「どっちも全然上手だよ…お友だちも手伝ってくれてありがとう!」
エプロンについてしまった真っ黒い線は薄くなっていた。
うっすらと残ってるけど一生懸命洗ってくれたんだろう。
「!?」
もう一枚エプロンが入ってる。
生地が微妙に違うけど、デザインはそっくりだ。
「これ…どうしたの??」
「そよちゃんのお付きの人に作ってもらったアル。どうアルか?完成度高いアルか?」
「せっかくだから着替えてきたらどうですか?」
「ほら、行って来い。」
銀さんに背中を押される。
少しでも気を抜いたら、今の私は泣いてしまいそうだ。
お登勢さんの部屋で制服に袖を通す。
今日が10月20日…ということは、この世界に来てからもう十日も経ってるんだ。
もう十日なのか、まだ十日なのか。既に数か月たったような気もしないでもない。
アレンジしてた髪をバイトの時のスタイルに直してメガネをかける。
たった十日前と同じ服装の私が鏡に映っているのに、どこか違う。
今の私は、私が私じゃない不自然な感じだ。
この部屋に最初に入った時は、振袖をお登勢さんが着つけてくれた。
その日は、胸も腰もきゅうくつで、足袋も草履も足にしっくりこなかったし、まっすぐ歩くだけなのにひどく疲れてお団子の串を持ったまま眠ってしまった。
それから、本当にいろんな事があったなあ。
この世界は夢なんだって思い込もうとしたこともある。
現実の私は重体で病院の集中治療室にいるかも知れないと想像し、夜中涙が止まらなかったこともあった。
食事がのどを通らなかったこともあった。
万事屋を出ていこうとして止められたこともあった。
怖い目にも遭った。
でも、銀さんや、新八くん、神楽ちゃんがずっとそばにいてくれて、励ましてくれて、そして沢山の人が助けてくれたから今の私があるんだ。
これからどうなるかわからないけど、わからないなりに前に進もう。
もう大丈夫だ。
もう私は大丈夫。
そう思うと、涙は流れることはなかった。
出迎えてくれたみんなはニコニコしている。
「よっ!べっぴんなメイドさん!」
「やっぱり名前さんは洋服が似合いますね。姉上にも見せたかったなー。」
「キレイなお姉さんアル。」
「洋服姿初めて見るけど、おじさんはどっちも似合うと思うよ~。」
手放しでよろこんでくれる温かい空気に、自然と私も笑顔になる。
「前にも話したけど私はメイドじゃないって、ほめてもらっても何も出ないよーっていうか何も出せないけど…、本当にこれしか言えないけど…、みんなありがとう。」
お礼の言葉としては形になってないけど、今の精一杯の気持ちを述べると、また拍手が返ってきた。
「主役が登場したことだし、たま、ローソクと火。」
「銀時様、せっかくですからケーキの前で記念写真を撮られてはいかがでしょう。」
「本当??すごいよ!!剣だけじゃなくてスイーツ作りもすご腕なんだ!!これならお店出せるよ!!」
「言ったろ、俺は器用なんだって。」
銀さんが「ほめてほめて」な時の犬の目をして訴えかけてきたので、私は思わず大げさにほめてしまった。
「だからといって予算オーバーするのやめてくださいよ。月末で家計が厳しいんですから。」
「ほら見ろ~、わかる人にはわかるんだよ俺の凄さが。」
新八くんの小言は耳に入らず銀さんはドヤ顔だ。
「名前ちゃん、甘やかしちゃダメアル。男はすぐつけあがるからほめるのも大概にするネってマミーが言ってたアル。」
神楽ちゃんの指摘通り、銀さんは調子に乗って自分の創作技術を自慢しまくっている。
ほめ過ぎたかな…そんなことないや、やっぱり大げさじゃなくすごい腕前だ。
そうこうしているうちに、奥の和室の方から神楽ちゃんが大きな箱を抱えてきた。
「プレゼントの時間アル。」
箱を受け取るのに合わせて拍手が沸きおこる。
「開けていい?」
神楽ちゃんがうなずいた。
リボンを解いて箱を開けると、そこには事故の日に着ていた制服がたたまれていたのだった。
服を広げる。
切れたり裂けたりした箇所は全てつくろってあった。
「メイド服はそよちゃんと一緒に直したアル。縫い目のうまい方はそよちゃんアル。」
「どっちも全然上手だよ…お友だちも手伝ってくれてありがとう!」
エプロンについてしまった真っ黒い線は薄くなっていた。
うっすらと残ってるけど一生懸命洗ってくれたんだろう。
「!?」
もう一枚エプロンが入ってる。
生地が微妙に違うけど、デザインはそっくりだ。
「これ…どうしたの??」
「そよちゃんのお付きの人に作ってもらったアル。どうアルか?完成度高いアルか?」
「せっかくだから着替えてきたらどうですか?」
「ほら、行って来い。」
銀さんに背中を押される。
少しでも気を抜いたら、今の私は泣いてしまいそうだ。
お登勢さんの部屋で制服に袖を通す。
今日が10月20日…ということは、この世界に来てからもう十日も経ってるんだ。
もう十日なのか、まだ十日なのか。既に数か月たったような気もしないでもない。
アレンジしてた髪をバイトの時のスタイルに直してメガネをかける。
たった十日前と同じ服装の私が鏡に映っているのに、どこか違う。
今の私は、私が私じゃない不自然な感じだ。
この部屋に最初に入った時は、振袖をお登勢さんが着つけてくれた。
その日は、胸も腰もきゅうくつで、足袋も草履も足にしっくりこなかったし、まっすぐ歩くだけなのにひどく疲れてお団子の串を持ったまま眠ってしまった。
それから、本当にいろんな事があったなあ。
この世界は夢なんだって思い込もうとしたこともある。
現実の私は重体で病院の集中治療室にいるかも知れないと想像し、夜中涙が止まらなかったこともあった。
食事がのどを通らなかったこともあった。
万事屋を出ていこうとして止められたこともあった。
怖い目にも遭った。
でも、銀さんや、新八くん、神楽ちゃんがずっとそばにいてくれて、励ましてくれて、そして沢山の人が助けてくれたから今の私があるんだ。
これからどうなるかわからないけど、わからないなりに前に進もう。
もう大丈夫だ。
もう私は大丈夫。
そう思うと、涙は流れることはなかった。
出迎えてくれたみんなはニコニコしている。
「よっ!べっぴんなメイドさん!」
「やっぱり名前さんは洋服が似合いますね。姉上にも見せたかったなー。」
「キレイなお姉さんアル。」
「洋服姿初めて見るけど、おじさんはどっちも似合うと思うよ~。」
手放しでよろこんでくれる温かい空気に、自然と私も笑顔になる。
「前にも話したけど私はメイドじゃないって、ほめてもらっても何も出ないよーっていうか何も出せないけど…、本当にこれしか言えないけど…、みんなありがとう。」
お礼の言葉としては形になってないけど、今の精一杯の気持ちを述べると、また拍手が返ってきた。
「主役が登場したことだし、たま、ローソクと火。」
「銀時様、せっかくですからケーキの前で記念写真を撮られてはいかがでしょう。」