Day5-4 10月14日 夜 スナック すまいる
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阿音に直談判できなかったのは痛いが、数日以内に万事屋へ遊びに来ると、お妙が約束したのが唯一の収穫だった。
休み明けには連絡させるとも言ってくれた。
しかし、約束二つのために、俺は大きな代償を支払う羽目になる。
浅はかにもドンペリの元を取ろうとねばった俺は、パチンコで大負けするのと同じパターンにはまり、キャバ嬢達に散々搾取されてからやっと解放されたのだった。
むしゃくしゃした俺は、はしご酒をしようと通りをあてもなくふらつく。
気分は晴れねーし、この際ツケでいいからテキトーに飲んでくかと、店の中をのぞいてみるが、いきつけの居酒屋はどこも一杯で座れない。
初めての店でもいいか、でも値段書いてねーな、今の寂しい懐事情じゃキケンだし…。
そんなこんなで通りを数往復さまよって、しぶしぶ帰ろうとしたところに、向こうから見慣れた顔が近づいてくる。
「よォ、銀さん!新台導入初日以来会ってねーけど、最近忙しい?」
渡りに船だ。
「長谷川さん!ちょうどいいや、一杯付き合わね?」
ウマい店があると勧められて、路地裏に最近開店したという小料理屋の暖簾(のれん)を共にくぐった。
通常、グチやぼやきと共に降臨する段ボールの神様は、今夜は福の神と化していた。
このところ客引きで安定した収入があるらしく身ぎれいで、酒が入ると饒舌になり、ヤクザの事務所へ拉致される娘を間一髪で助けたエピソードでは、付近の連中も巻き込んで店中が賞賛の声で沸いた。
店の亭主は長谷川さんの武勇伝に感動して、秘蔵の銘酒をサービスしてくれたり、居合わせた客もつまみをタダでよこしてくるので、さらに機嫌をよくした長谷川さんは俺にとっても福の神となり、支払いを全額持ってくれて、公園の付近で別れた。
それから大江戸マートによって、へべれけになった俺が玄関の扉を空けたのは真夜中をとうに過ぎた頃だった。
部屋は真っ暗だが、足音で目が覚めた定春が近寄ってくる。
とりあえずモフモフするが、酒くせェのを嫌がった定春はそっけなく去って行った。
今夜、神楽は名前さんと一緒に寝るとか言ってた。
二人は押入れか和室のどっちかで並んで眠ってるだろう。
さーて、明日はどーするか。
阿音という切り札は当分の間おあずけだ。
酔い覚ましの水を飲みながら、ぼんやりと考える。
夜中に泣いてた彼女をなぐさめて、心が通じ合えたと思った俺は甘かった。
今日の名前さん、ほとんど目を合わせてくれねーし。
ケンカしてた俺たちをみて大笑いしたけど、段々よそよそしくなったし。
なぜか俺とは必要最低限しか口きかねーし。
予想以上にガード堅ェよ。
「護る」とか「背負う」とか言っちまって逆に重かった??
銀さん、すげー心配なんだけど。
それとも、毛布からおっさんの臭いがしたのか??
だから俺だけ避けられてるのか??
銀さん、すげー気になるんだけど。
俺も黙って一人で出ていこうとして、ババアの家の仏壇の前で新八に殴られた過去を持つから、名前さんの他人に頼りたくねー性分は理解できる。
別世界の人間だって打ち明けるのには、ハンパじゃねー勇気がいるだろう。
でも、そろそろ信用してくれてもいいんじゃねーの?
銀さんは名前さんの心に攻性防壁が何重にも張り巡らされてようがATフィールド全開だろうが突破する自信はある。
俺は名前さんの股を…じゃねェ、閉ざされた心をこじ開けてやる。
優しくできるかどーかわかんねーけど、俺ドSだし。
いや、そういう意味じゃなくて、
とにかく明日から遠慮はしねーよ。
ハメはずして飲み過ぎたせいか、目が冴えちまって眠れねー。
……。
布団かぶっても名前さんの姿がチラつく、
……。
っーか、もうずーっと、頭ン中ほとんど名前さ…。
……!
そういえば、昨夜の名前さん、俺は彼女の脳内で作られた架空の存在とか言ってたな。
架空っていうと、アレだ。例の注意書きが思い浮かぶ。
★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
なワケあるかァァァァァ!!
他人様の頭でこの俺が簡単に創り出されてたまるかコノヤロー!!
言っとくけど、俺、坂田銀時は想像上の人物じゃねーからな!!
俺はこの世界で生きてるんだってばよ!!
2015年2月2日UP
休み明けには連絡させるとも言ってくれた。
しかし、約束二つのために、俺は大きな代償を支払う羽目になる。
浅はかにもドンペリの元を取ろうとねばった俺は、パチンコで大負けするのと同じパターンにはまり、キャバ嬢達に散々搾取されてからやっと解放されたのだった。
むしゃくしゃした俺は、はしご酒をしようと通りをあてもなくふらつく。
気分は晴れねーし、この際ツケでいいからテキトーに飲んでくかと、店の中をのぞいてみるが、いきつけの居酒屋はどこも一杯で座れない。
初めての店でもいいか、でも値段書いてねーな、今の寂しい懐事情じゃキケンだし…。
そんなこんなで通りを数往復さまよって、しぶしぶ帰ろうとしたところに、向こうから見慣れた顔が近づいてくる。
「よォ、銀さん!新台導入初日以来会ってねーけど、最近忙しい?」
渡りに船だ。
「長谷川さん!ちょうどいいや、一杯付き合わね?」
ウマい店があると勧められて、路地裏に最近開店したという小料理屋の暖簾(のれん)を共にくぐった。
通常、グチやぼやきと共に降臨する段ボールの神様は、今夜は福の神と化していた。
このところ客引きで安定した収入があるらしく身ぎれいで、酒が入ると饒舌になり、ヤクザの事務所へ拉致される娘を間一髪で助けたエピソードでは、付近の連中も巻き込んで店中が賞賛の声で沸いた。
店の亭主は長谷川さんの武勇伝に感動して、秘蔵の銘酒をサービスしてくれたり、居合わせた客もつまみをタダでよこしてくるので、さらに機嫌をよくした長谷川さんは俺にとっても福の神となり、支払いを全額持ってくれて、公園の付近で別れた。
それから大江戸マートによって、へべれけになった俺が玄関の扉を空けたのは真夜中をとうに過ぎた頃だった。
部屋は真っ暗だが、足音で目が覚めた定春が近寄ってくる。
とりあえずモフモフするが、酒くせェのを嫌がった定春はそっけなく去って行った。
今夜、神楽は名前さんと一緒に寝るとか言ってた。
二人は押入れか和室のどっちかで並んで眠ってるだろう。
さーて、明日はどーするか。
阿音という切り札は当分の間おあずけだ。
酔い覚ましの水を飲みながら、ぼんやりと考える。
夜中に泣いてた彼女をなぐさめて、心が通じ合えたと思った俺は甘かった。
今日の名前さん、ほとんど目を合わせてくれねーし。
ケンカしてた俺たちをみて大笑いしたけど、段々よそよそしくなったし。
なぜか俺とは必要最低限しか口きかねーし。
予想以上にガード堅ェよ。
「護る」とか「背負う」とか言っちまって逆に重かった??
銀さん、すげー心配なんだけど。
それとも、毛布からおっさんの臭いがしたのか??
だから俺だけ避けられてるのか??
銀さん、すげー気になるんだけど。
俺も黙って一人で出ていこうとして、ババアの家の仏壇の前で新八に殴られた過去を持つから、名前さんの他人に頼りたくねー性分は理解できる。
別世界の人間だって打ち明けるのには、ハンパじゃねー勇気がいるだろう。
でも、そろそろ信用してくれてもいいんじゃねーの?
銀さんは名前さんの心に攻性防壁が何重にも張り巡らされてようがATフィールド全開だろうが突破する自信はある。
俺は名前さんの股を…じゃねェ、閉ざされた心をこじ開けてやる。
優しくできるかどーかわかんねーけど、俺ドSだし。
いや、そういう意味じゃなくて、
とにかく明日から遠慮はしねーよ。
ハメはずして飲み過ぎたせいか、目が冴えちまって眠れねー。
……。
布団かぶっても名前さんの姿がチラつく、
……。
っーか、もうずーっと、頭ン中ほとんど名前さ…。
……!
そういえば、昨夜の名前さん、俺は彼女の脳内で作られた架空の存在とか言ってたな。
架空っていうと、アレだ。例の注意書きが思い浮かぶ。
★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
なワケあるかァァァァァ!!
他人様の頭でこの俺が簡単に創り出されてたまるかコノヤロー!!
言っとくけど、俺、坂田銀時は想像上の人物じゃねーからな!!
俺はこの世界で生きてるんだってばよ!!
2015年2月2日UP