Day4-1 10月13日 ターミナル
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「ターミナル」の捜索の後、帰りは大江戸デパートに寄ることになっている。
デパ地下の某店の制服が私の着ていた服にそっくりだという理由だ。
もちろん私はデパ地下の店員じゃない。
記憶が戻らないと嘘をついてるせいで、二人に無駄足を踏ませてしまって胸が痛む。
電車を乗り継いでデパートのある駅で降りる。
ここも負けず劣らず、歩いてる人の多さは半端ない。
聞くところによると、江戸で指折りの繁華街だそうだ。
かぶき町なら、巨大犬を連れている私たちは遠巻きにされるけど、この地域は混雑しているから、定春くんにモフモフできるくらいの距離まで密集して人が歩いている。
天人たちの耳慣れない言葉があちこち飛び交っていて、付近は会話が聞き取りにくいぐらいざわついている。
突然、定春くんが車道に飛び出した。
「定春~!!かわいいメス犬追いかけちゃダメアル!!」
定春くんは、興奮してメス犬を乗せた飼い主のクルマを追っかけていってしまった。
神楽ちゃんがガードレールを軽々と飛び越えて「定春~!!」と叫びながら猛スピードで車道を走っていく。
「定春!!神楽ちゃん!!」
新八くんも人混みをかきわけてどんどん先に行ってしまう。
一生懸命についていこうとするけど、和服なので思うように動けない。
群集の中に二人の姿はまぎれてしまった。
「あれ…、こっちでよかったっけ?」
あてもなく歩いていると、街並みがどんどんヤバい雰囲気になってくる。
どうやら、ネオンがギラギラした風俗街に迷い込んでしまったようだ。
通りには客引きが離れてぽつぽつと立っている。
あとは時代劇に出てきそうな柄の悪い浪人が連れだって歩いているだけだ。
とても道を尋ねられる雰囲気ではない。
どっちに行けば元の道に戻れるのかな。
立ち止まって方向を確認していたら肩を叩かれたので振り向いた。
「新八くん?」
高級なスーツを着ている、どこからどうみても怪しい男が立っていた。
「こんにちは~、ちょっといいかな?君、かわいいね~、あのさ、女優になる気ない?事務所、すぐそこなんだけどさ、話だけでも聞いていっちゃう~?俺、芸能事務所でスカウトをやってる者です…」
名刺を突き出して矢継ぎ早に話しかけてくるけど、無視して下を向いて歩く。
道が正しいかどうかこの際関係ない、とにかく立ち去ろう。
っーかここはどこなんだろう。
「写真撮影と簡単な契約書にサインするだけでいいから、30分もかからないよ。君なら明日にでも女優デビューできるよ。ラッキーチャンスを逃しちゃだめだよ!」
この人は繁華街に出没するニセのスカウトに違いない。
無視だ無視。とにかく無視して全速力で早歩きだ。
洋服なら走って逃げられるのに。
でも、和服だから振り切れない。
しつこく食い下がってくる。
デパ地下の某店の制服が私の着ていた服にそっくりだという理由だ。
もちろん私はデパ地下の店員じゃない。
記憶が戻らないと嘘をついてるせいで、二人に無駄足を踏ませてしまって胸が痛む。
電車を乗り継いでデパートのある駅で降りる。
ここも負けず劣らず、歩いてる人の多さは半端ない。
聞くところによると、江戸で指折りの繁華街だそうだ。
かぶき町なら、巨大犬を連れている私たちは遠巻きにされるけど、この地域は混雑しているから、定春くんにモフモフできるくらいの距離まで密集して人が歩いている。
天人たちの耳慣れない言葉があちこち飛び交っていて、付近は会話が聞き取りにくいぐらいざわついている。
突然、定春くんが車道に飛び出した。
「定春~!!かわいいメス犬追いかけちゃダメアル!!」
定春くんは、興奮してメス犬を乗せた飼い主のクルマを追っかけていってしまった。
神楽ちゃんがガードレールを軽々と飛び越えて「定春~!!」と叫びながら猛スピードで車道を走っていく。
「定春!!神楽ちゃん!!」
新八くんも人混みをかきわけてどんどん先に行ってしまう。
一生懸命についていこうとするけど、和服なので思うように動けない。
群集の中に二人の姿はまぎれてしまった。
「あれ…、こっちでよかったっけ?」
あてもなく歩いていると、街並みがどんどんヤバい雰囲気になってくる。
どうやら、ネオンがギラギラした風俗街に迷い込んでしまったようだ。
通りには客引きが離れてぽつぽつと立っている。
あとは時代劇に出てきそうな柄の悪い浪人が連れだって歩いているだけだ。
とても道を尋ねられる雰囲気ではない。
どっちに行けば元の道に戻れるのかな。
立ち止まって方向を確認していたら肩を叩かれたので振り向いた。
「新八くん?」
高級なスーツを着ている、どこからどうみても怪しい男が立っていた。
「こんにちは~、ちょっといいかな?君、かわいいね~、あのさ、女優になる気ない?事務所、すぐそこなんだけどさ、話だけでも聞いていっちゃう~?俺、芸能事務所でスカウトをやってる者です…」
名刺を突き出して矢継ぎ早に話しかけてくるけど、無視して下を向いて歩く。
道が正しいかどうかこの際関係ない、とにかく立ち去ろう。
っーかここはどこなんだろう。
「写真撮影と簡単な契約書にサインするだけでいいから、30分もかからないよ。君なら明日にでも女優デビューできるよ。ラッキーチャンスを逃しちゃだめだよ!」
この人は繁華街に出没するニセのスカウトに違いない。
無視だ無視。とにかく無視して全速力で早歩きだ。
洋服なら走って逃げられるのに。
でも、和服だから振り切れない。
しつこく食い下がってくる。