Day3-1 10月12日 午後 万事屋 珍客
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なあ、ヅラ…」
「手がかりを見つけたら連絡する。おおっと長居をしたようだ。くれぐれもよろしく伝えてくれ。銀時、あとは任せたぞ。」
「オイ、俺の話がまだ終わってね…」
「あー、すっきりした。さらばだ、フハハハハ!」
ヅラは問いかけをスルーし、しゃべりたいだけしゃべって無駄にさわやかに窓から去って行った。
一人取り残された俺は、机の上に広げたままのカードや紙幣を元通り財布に収めながら、我らがシータ嬢が独りで背負うには重過ぎる身の上を想った。
迷子どころか未知の世界に放りこまれたら、そりゃ辛ェよな。
ただ、元の場所に帰してやる方法がわからねーまま、本人に「別の世界から来たんだな。」と告げるのは禁句だ。
さっき秘密を打ち明けたヅラみてーに俺はスッキリするけど、彼女の立場がなくなっちまう。
名字さんは、俺のせいで記憶喪失になったから万事屋で預かってる、ということになっている。
でも、記憶喪失は俺の過失じゃなくて、単なる人身事故の相手となると、少し事情が変わってくる。
警察に届けを出し、怪我を治して、相応の補償をすれば、これ以上関わる必要はない。
当然、家を探す義務もない。
冷酷な言い方だけど、それが交通事故では当たり前だ。
もちろん、名字さんが何処のどいつだろーと、背負う覚悟はできてる。
問題は彼女の方だ。
ここ数日の会話から察するに、彼女は「実は別の世界から来ました、助けてください。」と言えず、自力で何とかする方を選んでしまう、悩みを一人で抱えがちなタイプだ。
無理やり問い詰めても、負担をかけまいと逆にごまかすだろう。
“記憶喪失”の設定で、心ならずも俺たちをだましている状態に胸を痛めてるに違いねェ。
これ以上お世話になる訳にいかないので、ここから出ていきます、と申し出てくるのは時間の問題だ。
そうなる前に、元の世界に帰す方法をみつけるしかねーな。
アイツらにもしっかり話をしとかねーと。
当分死んだ魚の目の銀さんになれない事を悟った俺は、最後の昼寝を楽しむことにしてダラッとソファーに寝転ぶ前に、机の引き出しへバッグを隠した。
補足
桂の行動(同時刻に居合わせた)は以下の通り。
Day1-2 → Day1-6 → Day3-1(この話)
2014年11月20日UP
「手がかりを見つけたら連絡する。おおっと長居をしたようだ。くれぐれもよろしく伝えてくれ。銀時、あとは任せたぞ。」
「オイ、俺の話がまだ終わってね…」
「あー、すっきりした。さらばだ、フハハハハ!」
ヅラは問いかけをスルーし、しゃべりたいだけしゃべって無駄にさわやかに窓から去って行った。
一人取り残された俺は、机の上に広げたままのカードや紙幣を元通り財布に収めながら、我らがシータ嬢が独りで背負うには重過ぎる身の上を想った。
迷子どころか未知の世界に放りこまれたら、そりゃ辛ェよな。
ただ、元の場所に帰してやる方法がわからねーまま、本人に「別の世界から来たんだな。」と告げるのは禁句だ。
さっき秘密を打ち明けたヅラみてーに俺はスッキリするけど、彼女の立場がなくなっちまう。
名字さんは、俺のせいで記憶喪失になったから万事屋で預かってる、ということになっている。
でも、記憶喪失は俺の過失じゃなくて、単なる人身事故の相手となると、少し事情が変わってくる。
警察に届けを出し、怪我を治して、相応の補償をすれば、これ以上関わる必要はない。
当然、家を探す義務もない。
冷酷な言い方だけど、それが交通事故では当たり前だ。
もちろん、名字さんが何処のどいつだろーと、背負う覚悟はできてる。
問題は彼女の方だ。
ここ数日の会話から察するに、彼女は「実は別の世界から来ました、助けてください。」と言えず、自力で何とかする方を選んでしまう、悩みを一人で抱えがちなタイプだ。
無理やり問い詰めても、負担をかけまいと逆にごまかすだろう。
“記憶喪失”の設定で、心ならずも俺たちをだましている状態に胸を痛めてるに違いねェ。
これ以上お世話になる訳にいかないので、ここから出ていきます、と申し出てくるのは時間の問題だ。
そうなる前に、元の世界に帰す方法をみつけるしかねーな。
アイツらにもしっかり話をしとかねーと。
当分死んだ魚の目の銀さんになれない事を悟った俺は、最後の昼寝を楽しむことにしてダラッとソファーに寝転ぶ前に、机の引き出しへバッグを隠した。
補足
桂の行動(同時刻に居合わせた)は以下の通り。
Day1-2 → Day1-6 → Day3-1(この話)
2014年11月20日UP