プロローグ 10月10日 深夜 ※Day1-7
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「はぁ?」
― お母さん、おじいさんが亡くなる前に詳しく話を聞いておけばよかった。
まさか名前ちゃんが神隠しにあうなんて…
「お母さん、いったい何を言ってるの?」
リビングルームにいたはずの私とお母さんはいつの間にか、まばゆい光に包まれた真っ白な世界に浮かんでいた。
― 名前~!手を出しなさい!
お母さんが思いっきり引っ張ってあげるから、わけのわからない世界から戻ってらっしゃい。
ほら!つかまって!
宙に浮かんでゆらゆら揺れるお母さんは、私に向かって手を差し出す。
とっさに私も腕を伸ばしてつかもうとするけど、あと数センチで指をかすめてしまう。
何度試しても私の手はむなしく宙を掻くだけで、お母さんの手をつかめない。
次第にお母さんの姿は、真っ白な世界に溶け込んでいった。
― ハッ
私は手を宙に伸ばしたまま夢を見ていたのだった。
寝巻きは汗で体に張りつき、涙は目じりを通ってこめかみの周りの髪の毛も濡れている。
― そうだ、ここは、病院だっけ。
私は、銀髪のお兄さんのバイクにはねられて、救急車で病院に運ばれて、ちょんまげのお医者さんに診察を受けて、家とお店に電話したけど、全然通じなくて、
それで何から何までおかしな世界で、それで…。
― 違う。
確か、お母さんがお店にスマホを届けに来てくれて、ちょっと立ち話をして、
ベビーカーのお客様をドアを開けてお見送りしたら、子どもの帽子が風で飛ばされたから追いかけて、とっさに交差点に飛び出したら、バイクにはねられたのだった。
それから、救急車で病院に運ばれて、
もうすぐお母さんが迎えに来てくれるって…。
店長もみんなも心配してるって…。
― お母さん、おじいさんが亡くなる前に詳しく話を聞いておけばよかった。
まさか名前ちゃんが神隠しにあうなんて…
「お母さん、いったい何を言ってるの?」
リビングルームにいたはずの私とお母さんはいつの間にか、まばゆい光に包まれた真っ白な世界に浮かんでいた。
― 名前~!手を出しなさい!
お母さんが思いっきり引っ張ってあげるから、わけのわからない世界から戻ってらっしゃい。
ほら!つかまって!
宙に浮かんでゆらゆら揺れるお母さんは、私に向かって手を差し出す。
とっさに私も腕を伸ばしてつかもうとするけど、あと数センチで指をかすめてしまう。
何度試しても私の手はむなしく宙を掻くだけで、お母さんの手をつかめない。
次第にお母さんの姿は、真っ白な世界に溶け込んでいった。
― ハッ
私は手を宙に伸ばしたまま夢を見ていたのだった。
寝巻きは汗で体に張りつき、涙は目じりを通ってこめかみの周りの髪の毛も濡れている。
― そうだ、ここは、病院だっけ。
私は、銀髪のお兄さんのバイクにはねられて、救急車で病院に運ばれて、ちょんまげのお医者さんに診察を受けて、家とお店に電話したけど、全然通じなくて、
それで何から何までおかしな世界で、それで…。
― 違う。
確か、お母さんがお店にスマホを届けに来てくれて、ちょっと立ち話をして、
ベビーカーのお客様をドアを開けてお見送りしたら、子どもの帽子が風で飛ばされたから追いかけて、とっさに交差点に飛び出したら、バイクにはねられたのだった。
それから、救急車で病院に運ばれて、
もうすぐお母さんが迎えに来てくれるって…。
店長もみんなも心配してるって…。