Day3-1 10月12日 午後 万事屋 珍客
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「ごめんください~、桂ですけど~。銀時くんいますか?」
ヅラが珍しく玄関からあがりこんできたのは、教習所のオヤジに忍者の次は誰をはねたのかと叱責され、“かもしれない運転”講習を受けてから、屯所に出頭して決して安くない交通事故の罰金を納めて免許証を奪還し、薄っぺらくなっちまった財布の中身をはたいて、幾松の飯屋で一番安い食いモンを胃に放りこみ、吉原とかぶき町の“その手の店”を回って女の子の写真を一通り確認してから、大江戸マートに寄り、机の上に足を投げ出して数日振りに誰の干渉も受けず、いつものダラッと目が死んだ銀さんに戻って、ジャンプといちご牛乳で命の洗濯をしている、くもり空の昼下がりだった。
「ヅラ、いつもは窓から侵入してくるのに、今日に限ってやけにバカ丁寧じゃねーか。ご大層に風呂敷なんぞ抱えてよ。ソイツ、まさか爆弾じゃねーよな?厄介事はもうゴメンなんだよ。そうじゃなくても今忙しいんだ。」
「ヅラじゃない桂だ。今、この家にいるのは本当に貴様だけだな? 名前殿はいつ戻られる?」
「あー、今頃は、定春を連れて新八や神楽と一緒に街を歩き回ってるけど。夕飯前には帰ってくるはずだ。っーか、オイ!何でテメーが知ってるんだ?!」
「なら、時間は十分あるな。実は、今日俺が参上したのは他でもない、名前殿にまつわる秘密を貴様“だけ”に打ち明けたくてな。」
部屋に入ってきたヅラは、机の上に読みかけのまま開いたジャンプをどけるように言うと、風呂敷包みをやけに静かにおいた。
潜入と逃亡の日々で音を消す行動が身についているのだろう。
「ヅラ、テメーと名字さんが知り合いの説明になってねーよ。あっ!そういうことか!!ヅラの仲間なんだな!なら話は早えェ。確かに攘夷志士なら捜索願が出ねーはずだわ。」
ヅラは訝し気ににらんでくる。ちなみに今日は変装していない。
「銀時、何を言っている?名前殿は攘夷志士ではない。」
「でも知り合いなんだろ?」
「違う。」
「俺はただ、事故現場に居合わせただけだ。」
「…。」
「なあに、簡単ないきさつさ。名前殿の所持品が、偶然俺の元に転がってきてな、思わず拾いあげてしまった。即座に返そうにも、カス(真選組)共が現場をうろつきおったので、恥を忍んで、置き引きの如く持ち去ってしまったのだ。夜、見舞いの品を整えて病院に赴いたら、クズ(真選組)の先客のせいで渡すに渡せず、翌朝訪ねたところ、入れ違いで退院したと聞かされたよ。」
「ヅラ~、万事屋にいるって知ってたなら、さっさと返しに来いよ。彼女はメシものどに通らねーくらい心細い思いしてるんだ。案外テメーも無神経だな。」
ヅラは両手をばん!と机の上に叩き付けた。静かに置いた風呂敷包みが衝撃でわずかに移動した。珍しく本気で怒っている。
「ヅラじゃない桂だ!俺の話をよく聞け!!だから貴様“だけ”に話があると言っている!!コイツを見るがいい。」
ヅラは風呂敷包みを開き始めた。中から、高そうな桐の箱と、“んまい棒”数本が現れた。
「桐箱の方は、ささやかではあるが、名前殿への見舞いだ。攘夷志士タオルの詰め合わせだが、彼女は気に入ってくれるだろうか?なお、“んまい棒”は、遅くなったがバースデープレゼントだ。は~い、銀時くん~、お誕生日おめでとう~!みんな拍手~!」
ヅラは一人で大げさな拍手をしている。
「いい加減本題に入れよコノヤロー。」
ヅラが珍しく玄関からあがりこんできたのは、教習所のオヤジに忍者の次は誰をはねたのかと叱責され、“かもしれない運転”講習を受けてから、屯所に出頭して決して安くない交通事故の罰金を納めて免許証を奪還し、薄っぺらくなっちまった財布の中身をはたいて、幾松の飯屋で一番安い食いモンを胃に放りこみ、吉原とかぶき町の“その手の店”を回って女の子の写真を一通り確認してから、大江戸マートに寄り、机の上に足を投げ出して数日振りに誰の干渉も受けず、いつものダラッと目が死んだ銀さんに戻って、ジャンプといちご牛乳で命の洗濯をしている、くもり空の昼下がりだった。
「ヅラ、いつもは窓から侵入してくるのに、今日に限ってやけにバカ丁寧じゃねーか。ご大層に風呂敷なんぞ抱えてよ。ソイツ、まさか爆弾じゃねーよな?厄介事はもうゴメンなんだよ。そうじゃなくても今忙しいんだ。」
「ヅラじゃない桂だ。今、この家にいるのは本当に貴様だけだな? 名前殿はいつ戻られる?」
「あー、今頃は、定春を連れて新八や神楽と一緒に街を歩き回ってるけど。夕飯前には帰ってくるはずだ。っーか、オイ!何でテメーが知ってるんだ?!」
「なら、時間は十分あるな。実は、今日俺が参上したのは他でもない、名前殿にまつわる秘密を貴様“だけ”に打ち明けたくてな。」
部屋に入ってきたヅラは、机の上に読みかけのまま開いたジャンプをどけるように言うと、風呂敷包みをやけに静かにおいた。
潜入と逃亡の日々で音を消す行動が身についているのだろう。
「ヅラ、テメーと名字さんが知り合いの説明になってねーよ。あっ!そういうことか!!ヅラの仲間なんだな!なら話は早えェ。確かに攘夷志士なら捜索願が出ねーはずだわ。」
ヅラは訝し気ににらんでくる。ちなみに今日は変装していない。
「銀時、何を言っている?名前殿は攘夷志士ではない。」
「でも知り合いなんだろ?」
「違う。」
「俺はただ、事故現場に居合わせただけだ。」
「…。」
「なあに、簡単ないきさつさ。名前殿の所持品が、偶然俺の元に転がってきてな、思わず拾いあげてしまった。即座に返そうにも、カス(真選組)共が現場をうろつきおったので、恥を忍んで、置き引きの如く持ち去ってしまったのだ。夜、見舞いの品を整えて病院に赴いたら、クズ(真選組)の先客のせいで渡すに渡せず、翌朝訪ねたところ、入れ違いで退院したと聞かされたよ。」
「ヅラ~、万事屋にいるって知ってたなら、さっさと返しに来いよ。彼女はメシものどに通らねーくらい心細い思いしてるんだ。案外テメーも無神経だな。」
ヅラは両手をばん!と机の上に叩き付けた。静かに置いた風呂敷包みが衝撃でわずかに移動した。珍しく本気で怒っている。
「ヅラじゃない桂だ!俺の話をよく聞け!!だから貴様“だけ”に話があると言っている!!コイツを見るがいい。」
ヅラは風呂敷包みを開き始めた。中から、高そうな桐の箱と、“んまい棒”数本が現れた。
「桐箱の方は、ささやかではあるが、名前殿への見舞いだ。攘夷志士タオルの詰め合わせだが、彼女は気に入ってくれるだろうか?なお、“んまい棒”は、遅くなったがバースデープレゼントだ。は~い、銀時くん~、お誕生日おめでとう~!みんな拍手~!」
ヅラは一人で大げさな拍手をしている。
「いい加減本題に入れよコノヤロー。」