Day2-2 10月11日 午後 「お登勢」→「万事屋」
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それからも、僕たちはあーだこーだとアイデアを出したが、結局のところ定春に任せるのが一番、という結論に達したのだった。
それと、お登勢さんは家賃の支払いを延ばしてくれることになった。
家賃の繰り延べの分、とある仕事を引き受けるという条件がついたけど、基本お登勢さんは優しい人だ。
銀さんはババア呼ばわりしているけど、それは信頼関係があっての事だって僕は知っている。
店の外がだんだん暗くなってきた頃に、山崎さんが、昨日、彼女のメガネを壊したお詫びにと訪ねてきた。
でも、机に伏せてぐっすり眠っている様子を見ると、また来るね、とだけ言って銀さんと一緒に外に出た。
立ち話をした銀さんによると、すぐに帰って行ったらしい。
名字さんは神楽ちゃんが何度か強くゆさぶってやっと目を覚ました。
お登勢さんは厚意で早い夕食を出してくれた。
万事屋より贅沢な食事をここぞとばかりに平らげる神楽ちゃんとは対照的に、彼女はほとんど箸をつけなかった。
お登勢さんは深夜まで働いているので朝遅い。
翌朝の着付けは、“からくり”のたまさんにお願いしたら快く引き受けてくれた。
そろそろお店が始まるので、僕たちは失礼して2階の万事屋に上がった。
神楽ちゃんが定春を紹介したり、万事屋の間取りを教えてあげている間に、銀さんと僕は、銀さんが普段寝ている和室を整えて、客用ふとんを敷いた。
銀さんがソファーで寝ると知った彼女はひどく恐縮していた。
それから、名字さんと銀さんは、
「この度は、いろいろとご迷惑をおかけしてすみません。」
「すみませんって言ったらバーゲンダッシュ一個って昨日約束したろ?悪いのは銀さんなんだからな。今のはセーフ、次から本番。」
「あっすみません」
「は~い、バーゲンダッシュ一個~。」
「ごめんなさい。私お金持ってなくて、いつかおごります。」
「いやいやいや冗談だって、銀さんは、名字さんが謝んなくていいって言いたいだけだから。ただの例えだから。」
「ごめんなさい。」
「だーかーら、謝…」
とかいうループ的なやりとりを繰り返して、僕に、素敵な着物を貸してくれたお礼を姉上に伝えてくださいと丁寧にお辞儀をしてから、うつろな目でおやすみなさいと言って和室のふすまを閉めた。
ふすまが閉まるのを待ってから、銀さんは僕たちに近づくようジェスチャーをすると、明日の予定を小声で話し始めた。
明日、神楽ちゃんと僕は、定春と名字さんを連れて事故現場に向かうことになった。
定春は妖刀紅桜の時も桂さんの乗った船を難なく探りあてている。
きっと簡単に解決するだろう。
「明日、俺は教習所で講習受けてから、いろいろあたってみるわ。」
「じゃあ銀さん、神楽ちゃん、また明日。」
「おやすみ、駄メガネ。」
「だからメガネが本体じゃないって言ってるだろォォォ!!」
と、つっこもうとして、とっさに口を押さえた。
疲労困憊(こんぱい)の彼女を起こしてはかわいそうだ。
本能的につっこみたい感情をなだめて、僕はひたすら沈黙を守り玄関に向かった。
うーん。
謎は深まるばかりだ。
万事屋を出てから三分もしないうちに、パラパラと小雨が降ってくる。
家路を急いで走りながら頭を切り替えようとするけど、頭の中は名字さんのことでいっぱいだ。
一体、彼女は何者なんだろう。
でも、明日で謎がすべて解けるはずだ。
2014年11月10日UP
2014年11月18日 改訂
それと、お登勢さんは家賃の支払いを延ばしてくれることになった。
家賃の繰り延べの分、とある仕事を引き受けるという条件がついたけど、基本お登勢さんは優しい人だ。
銀さんはババア呼ばわりしているけど、それは信頼関係があっての事だって僕は知っている。
店の外がだんだん暗くなってきた頃に、山崎さんが、昨日、彼女のメガネを壊したお詫びにと訪ねてきた。
でも、机に伏せてぐっすり眠っている様子を見ると、また来るね、とだけ言って銀さんと一緒に外に出た。
立ち話をした銀さんによると、すぐに帰って行ったらしい。
名字さんは神楽ちゃんが何度か強くゆさぶってやっと目を覚ました。
お登勢さんは厚意で早い夕食を出してくれた。
万事屋より贅沢な食事をここぞとばかりに平らげる神楽ちゃんとは対照的に、彼女はほとんど箸をつけなかった。
お登勢さんは深夜まで働いているので朝遅い。
翌朝の着付けは、“からくり”のたまさんにお願いしたら快く引き受けてくれた。
そろそろお店が始まるので、僕たちは失礼して2階の万事屋に上がった。
神楽ちゃんが定春を紹介したり、万事屋の間取りを教えてあげている間に、銀さんと僕は、銀さんが普段寝ている和室を整えて、客用ふとんを敷いた。
銀さんがソファーで寝ると知った彼女はひどく恐縮していた。
それから、名字さんと銀さんは、
「この度は、いろいろとご迷惑をおかけしてすみません。」
「すみませんって言ったらバーゲンダッシュ一個って昨日約束したろ?悪いのは銀さんなんだからな。今のはセーフ、次から本番。」
「あっすみません」
「は~い、バーゲンダッシュ一個~。」
「ごめんなさい。私お金持ってなくて、いつかおごります。」
「いやいやいや冗談だって、銀さんは、名字さんが謝んなくていいって言いたいだけだから。ただの例えだから。」
「ごめんなさい。」
「だーかーら、謝…」
とかいうループ的なやりとりを繰り返して、僕に、素敵な着物を貸してくれたお礼を姉上に伝えてくださいと丁寧にお辞儀をしてから、うつろな目でおやすみなさいと言って和室のふすまを閉めた。
ふすまが閉まるのを待ってから、銀さんは僕たちに近づくようジェスチャーをすると、明日の予定を小声で話し始めた。
明日、神楽ちゃんと僕は、定春と名字さんを連れて事故現場に向かうことになった。
定春は妖刀紅桜の時も桂さんの乗った船を難なく探りあてている。
きっと簡単に解決するだろう。
「明日、俺は教習所で講習受けてから、いろいろあたってみるわ。」
「じゃあ銀さん、神楽ちゃん、また明日。」
「おやすみ、駄メガネ。」
「だからメガネが本体じゃないって言ってるだろォォォ!!」
と、つっこもうとして、とっさに口を押さえた。
疲労困憊(こんぱい)の彼女を起こしてはかわいそうだ。
本能的につっこみたい感情をなだめて、僕はひたすら沈黙を守り玄関に向かった。
うーん。
謎は深まるばかりだ。
万事屋を出てから三分もしないうちに、パラパラと小雨が降ってくる。
家路を急いで走りながら頭を切り替えようとするけど、頭の中は名字さんのことでいっぱいだ。
一体、彼女は何者なんだろう。
でも、明日で謎がすべて解けるはずだ。
2014年11月10日UP
2014年11月18日 改訂