Day2-2 10月11日 午後 「お登勢」→「万事屋」
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みんなでお昼を食べてから、名字さんと神楽ちゃんはお登勢さんからお金をもらって、当面必要な身の回りの品(化粧品とか、その…下着とか。)を買いに行った。
二人と入れ違いで源外さんの処にスクーターを修理に出した銀さんが戻ってきた。
値段交渉にかなり手こずったらしい。
一通り買い物を終えて戻ってきた彼女は、慣れない着物姿で歩き回ったせいか、誰が見てもわかるぐらいひどく疲れていて、鼻緒が痛いなどとこぼしていた。
たまさんがお茶とお団子を出してくれた時には既に眠そうにしていた。
そして、お団子の串を持ったまま、うとうとし始めて、ほとんど口をつけないままテーブルに伏せて、ぐっすり眠ってしまったのだった。
僕たちは相談して、事故現場に連れていく当初の予定を取りやめることにした。
昨夜、あれから銀さんと僕は、彼女の服装からメイド喫茶に範囲を広げて職場を探した。
タウンページを元に一軒一軒電話をかけて店名に×をつけていく。
だけど、どの店にも働いていた痕跡(こんせき)はなかった。
銀さんはスクーターを修理に出したその足で、屯所に捜索願が出てないか確認したけど空振りに終わっている。
明日に延期された定春の出動以外は、正直手詰まりに近い状態だ。
今後の捜査方針は、名字さんを起こさないように店の隅にかたまりひそひそ話すことにする。
「亀の甲より年の劫」ということで、お登勢さんにも相談に加わってもらった。
「着物に袖を通さない暮らしってことは、この国の育ちじゃないだろうね。」
「名前ちゃん、私と同じ帰国子女アル。パピーの仕事の都合で故郷の地球に帰ってきたネ。」
「オイ、お前は帰国子女じゃなくて不法入国だ。勝手に仲間にしてんじゃねーよ。っーか、どこの帰国子女にメイド服着る義務あるってンだ?メイド星でもあるのか?メイド星…?それはそれでアリだな。」
「もう、銀さん、マジメに話し合いましょうよ。彼女、家出で街をさまよって僕らにはねられたんですかね?」
「名字さんは目立つ服で物騒な街をうろつく程、頭弱そうに見えねーけどな。」
「アンタたちの話だと、母親に連絡を取ろうとしたンだろ?だったら家出じゃないね。年頃の大事な箱入り娘が姿消しちまって、親御さんはさぞかし心配してるだろうよ。近いうちに屯所に連絡が行くに決まってるさ。」
「名前ちゃん、団子食べなかったアルな。酢昆布あげたら元気でるカ?名前ち…」
「疲れてるんだろ、そっとしとけ。」
女性陣の前で聞きにくいけど気になっている事を銀さんに耳打ちで質問する。
「その…言いにくいんですが、名字さん、吉原から逃げてきた可能性ってありますか?彼女、天人や江戸の歴史を知らないし、ジャンプを見て妙な反応してたじゃないですか。地下都市の吉原に長く住んでいたら、知らなくても当然というか、つじつまが合うような気が…。」
銀さんは即座に質問を返す。銀さんの声と息でちょっと耳がこそばゆい。
「ねーな。吉原の女性にしちゃー初々しいというか、俺の勘だとありえなくね?いやいやいや俺別に詳しいとか言いたいわけじゃねーから、経験豊富とか極めてるとかそんなんじゃないからね。銀さんこれでも清廉潔白な人物で通ってるから。ねぇ~新八くん。」
「僕、銀さんのただれたプライベートに興味ないです。っーか聞いてないです。」
「まー肩すかしだと思うが念のため当たってみるか。」
「銀ちゃん?何の話?男同士でコソコソ内緒話して気持ち悪いネ。あっち行けヨ。」
神楽ちゃんには気持ち悪がられたけど突っ込まれずに済んだ。