プロローグ 10月10日 深夜 ※Day1-7
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
プロローグ
― だから、お母さんは、名前ちゃんがアルバイトを決めてきた時に反対したでしょ?
ケーキ屋さんはたくさんあるのに、よりによって神社の隣のケーキ屋さんを選ぶなんて…。
あの神社は我が家と相性が悪いのよ。
とうとうお母さんの悪い予感が当たってしまったわ。
「ま~た、お母さんの後出しじゃんけんが始まったよ~。『猫好きに悪い人はいない、あの子は絶対無実よ。』って言った翌日に『やっぱりあの子が犯人だったのね!いかにも目つきがオタクでしょ?最初から怪しい予感がしたのよ。ほら~、また当たったでしょ?』って、手のひら返しの予感もいいとこだよ!」
「私の初めてのお給料日、学生時代の憧れのケーキが社割で買える、名前ちゃんありがとうって食べてくれたよね?神社が怪しいとか不吉だって話、いつしたよ?全然聞いてないよ!」
お父さんのYシャツにアイロンをかけながらお母さんの小言は止まることを知らない。
そろそろ家を出ないと夕方のシフトに間に合わない。
そうでなくても最近は、人身事故で電車のダイヤが乱れることが珍しくないから早めに出るようにしてるのに。
― 名前!スマホをいじりながら大事な話を聞くのやめなさい!
何度同じこと言わせるの!いい?まじめに聞きなさい。
あのね、大昔、あなたのおじいさんのおじいさんのおじいさんのおじいさんのおじいさんのおじいさんが、あの神社の前で、跡形もなく消えてしまったって、小さいころ枕元で話してあげたでしょ?
「うちのご先祖さまが消えたって?どーせ、駆け落ちしたか、借金踏み倒して夜逃げしたってオチでしょ?今どき神隠しなんてどこのジブリの世界だよ!そんなの誰も信じないっーの。っていうか、家出ないと間に合わないから、お母さんのオカルト話は帰ったらじっくり聞いてあげるから。」
「じゃ、行ってきます!」
― 名前ちゃん、あなたちっともわかってないじゃない…
お母さんの悪い予感は当たってしまったのよ…
「えっ、何?」
― 現にあなた江戸だかSFだかおかしな世界にワープしてるじゃないの…