Day1-5 10月10日 夜 大江戸病院 病棟
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ああ、そうだ。ここはおかしな世界だったんだっけ。
ちょんまげとか和服とか、上層部が瓦ぶきの和風なビルとか、徳川公のお札とか。
いっそドラマのJINの仁先生と同じ質問をしてみようか。
江戸のわりにはクルマが走ったり設定がめちゃくちゃだけど、どうせ夢の世界だ、割り切ろう。
「黒船は江戸にきましたか?」
「黒船?船なら窓の外に浮かんでるけど。来たぞ、天人と一緒に。」
「あまんとって誰ですか?」
「天人は地球外から来たヤツらだけど、天人がどうかした?」
「何かを思い出したんじゃないですか?名字さん、思い当たることありますか?」
「船が浮かんでる?黒船といったらペリーじゃないんですか?どうしてお医者さんがちょんまげ結ってるんですか?地球外ってエイリアンですか?どうしてここは江戸になっちゃったんですか?お殿様とかまだ居るんですか!?」
我慢していた反動で、一気に質問責めにしてしまった。バカだな私。
「…。」
坂田さんと志村くんの顔がさっと青ざめる。
「名字さん、さっきから大丈夫ですか?」
「身の回りの記憶以外の領域もやられちまったのかよ、オイ…。」
私の問いは、ただ二人を困らせただけだった。
「すみません…。」
「はーい注目!たった今から、『すみません。』は禁句。はねちまった銀さんが100%悪いんだからな。わかった?名字さん?」
「はい、坂田さん。」
「あ~、銀さんでいいから、銀さんって呼んで。」
「はい、銀さんってお呼びしますね。」
さっき食事してる時も、銀さんって呼べって言われたんだ。
「敬語もナシ。」
「は、はい。」
坂田さんは、学校で人気のある先生みたいに、いい意味で気安い感じの人だなあ。
それはそうとして、坂田さんは食後にいちご牛乳を飲んでいる。
普通男の人はコーヒーだと思うんだけど。
でも、ものすごく幸せそうに飲んでて、なんだかかわいい。
じっと見つめていたら目があった。
「アレ?名字さんもいちご牛乳飲みたかった?」
「銀さん…、名字さんとアンタの好みを一緒にしないでください。」
食事の片づけが終わった二人は、長居は体に障るのでと失礼することになった。
「親御さんとお店には電話しておくから、今夜はしっかり休め。怪我させた俺が偉そうに言うセリフじゃねーけど。くれぐれもお大事に。」
「明日午前中に僕が迎えにきます。お大事にしてください。」
病室の入口まで見送ろうと、ベッドから立ち上がろうとしたら、坂田さんが制した。
「ご迷惑をおかけしてすみません。」
「さっき銀さんと約束したろ? 明日すみませんって言ったら罰としてバーゲンダッシュ1個。」
「あの…銀さん、志村くん、おやすみなさい。」
「おう、じゃあまた明日。」
「おやすみなさい、名字さん。」
二人が去って、病室がしーんとした。
緊張がほぐれ、疲れと痛みがどっと襲ってくる。
お医者さんが出してくれた痛み止めを飲もう。
薬はすぐに効いてきて、だんだん眠くなってきた。
これは運転しちゃダメなタイプの鎮痛剤だなぁ。
まぶたが重い。
ジャンプ読むのやめよう。
あー、メイク落としてないし。でも無理、もう限界。
ベッドの上のテーブルにジャンプをのせて、体を横たえて、ふとんをかけた。
それから先は覚えてない。
2014年10月14日UP
ちょんまげとか和服とか、上層部が瓦ぶきの和風なビルとか、徳川公のお札とか。
いっそドラマのJINの仁先生と同じ質問をしてみようか。
江戸のわりにはクルマが走ったり設定がめちゃくちゃだけど、どうせ夢の世界だ、割り切ろう。
「黒船は江戸にきましたか?」
「黒船?船なら窓の外に浮かんでるけど。来たぞ、天人と一緒に。」
「あまんとって誰ですか?」
「天人は地球外から来たヤツらだけど、天人がどうかした?」
「何かを思い出したんじゃないですか?名字さん、思い当たることありますか?」
「船が浮かんでる?黒船といったらペリーじゃないんですか?どうしてお医者さんがちょんまげ結ってるんですか?地球外ってエイリアンですか?どうしてここは江戸になっちゃったんですか?お殿様とかまだ居るんですか!?」
我慢していた反動で、一気に質問責めにしてしまった。バカだな私。
「…。」
坂田さんと志村くんの顔がさっと青ざめる。
「名字さん、さっきから大丈夫ですか?」
「身の回りの記憶以外の領域もやられちまったのかよ、オイ…。」
私の問いは、ただ二人を困らせただけだった。
「すみません…。」
「はーい注目!たった今から、『すみません。』は禁句。はねちまった銀さんが100%悪いんだからな。わかった?名字さん?」
「はい、坂田さん。」
「あ~、銀さんでいいから、銀さんって呼んで。」
「はい、銀さんってお呼びしますね。」
さっき食事してる時も、銀さんって呼べって言われたんだ。
「敬語もナシ。」
「は、はい。」
坂田さんは、学校で人気のある先生みたいに、いい意味で気安い感じの人だなあ。
それはそうとして、坂田さんは食後にいちご牛乳を飲んでいる。
普通男の人はコーヒーだと思うんだけど。
でも、ものすごく幸せそうに飲んでて、なんだかかわいい。
じっと見つめていたら目があった。
「アレ?名字さんもいちご牛乳飲みたかった?」
「銀さん…、名字さんとアンタの好みを一緒にしないでください。」
食事の片づけが終わった二人は、長居は体に障るのでと失礼することになった。
「親御さんとお店には電話しておくから、今夜はしっかり休め。怪我させた俺が偉そうに言うセリフじゃねーけど。くれぐれもお大事に。」
「明日午前中に僕が迎えにきます。お大事にしてください。」
病室の入口まで見送ろうと、ベッドから立ち上がろうとしたら、坂田さんが制した。
「ご迷惑をおかけしてすみません。」
「さっき銀さんと約束したろ? 明日すみませんって言ったら罰としてバーゲンダッシュ1個。」
「あの…銀さん、志村くん、おやすみなさい。」
「おう、じゃあまた明日。」
「おやすみなさい、名字さん。」
二人が去って、病室がしーんとした。
緊張がほぐれ、疲れと痛みがどっと襲ってくる。
お医者さんが出してくれた痛み止めを飲もう。
薬はすぐに効いてきて、だんだん眠くなってきた。
これは運転しちゃダメなタイプの鎮痛剤だなぁ。
まぶたが重い。
ジャンプ読むのやめよう。
あー、メイク落としてないし。でも無理、もう限界。
ベッドの上のテーブルにジャンプをのせて、体を横たえて、ふとんをかけた。
それから先は覚えてない。
2014年10月14日UP