Day1-4 10月10日 日没 パトカーに乗車
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疲れた。
手続きを終えた二人が戻ってきた。
坂田さんは私に入院の説明を簡単にしてくれる。入院は何年ぶりだろう。ちょっと緊張する。
志村くんが、あの~、と、ためらいがちに話を切り出す。
「今日は、夕食の配膳が終わったそうなんです。」
「俺たちとどっか食いに行く?」
「すみません、かなり疲れてるので、テイクアウトして病室で食べたいです。近くにコンビニとかありますか?」
「あるにはあるけどよ、ちょっとばかし離れてるんだわ。リクエストしてくれたら買ってくるから、銀さんに何でも言って。」
病院の外に出ていたタバコのお兄さんは、ケータイの電話を終えて足早に歩いてきた。この後に予定が入ったのか、そわそわしている。
山崎さんに何か耳打ちしてからすぐタバコに火をつけた。
「先ほどはケータイありがとうございました。あと、電話のお金、このままお借りしててもいいですか?」
「そういや、名字さんは一文無しなんだろ?ほら、とっておけ。返そうなんて考えるな、気遣いは一切無用だ。」
彼は財布を取り出し、お札数枚を無造作につかんで私の手に握らせた。
クールな大人のふるまいだ。
蛇足だけど、お兄さんはよく見るとかなりかっこいい。
「なあ、名字さん?万事屋が慰謝料渋りやがるなら、いつでも屯所に来い。ヤツの首根っこひっ捕まえて金吐き出させてやるからな。」
名刺を胸ポケットから取り出して、手のひらのお札の上に乗せた。
< 真選組 副長 土方十四郎 >
「今夜は一人で心細いだろうが、くよくよすんな。なぁに、一晩寝たらきっと思い出すさ。困ったことがあったら、いつでも連絡しろ。」
そう言い残すと、土方さんは坂田さんを一瞬にらみつけて、去って行った。
山崎さんが手を上げて会釈をしてから土方さんの後を追っていく。
とりあえずお金はエプロンのポケットに入れよう。
膝の上でお札を畳もうとした。
ん?
お札の肖像画が違う。
中国の人民元?台湾ドル?
でも、漢字で円って書いてある。
誰この人。
徳川?
将軍???
「エエエエエエエエェ!」
「オイ、名字さん?」
とりあえず深呼吸しよう。
2014年10月7日UP