Day1-3 10月10日 黄昏(たそがれ)大江戸病院
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「ところで、名字さん、裸眼でどこまで見えてます?つらくないですか?」
メガネをかけた志村くんが会話に割って入る。
「えっとですね、メガネはいわゆる設定というか、つまり、私、裸眼で全然大丈夫です。高いものじゃないので、気にしないでください。」
メガネを壊されて正直イラッときたけど、山崎さんが携帯灰皿に押し込まれたタバコのように縮こまっていたのがかわいそうで、思わず口走ってしまった。
「これくらいのバッグだっけ?見つけ次第、君に届けるから。俺、山崎といいます、俺も本当にすみませんでした!」
山崎さんも、深々と頭を下げた。
「そういや総悟はどうした?さっきまでここに居ただろ?」
「沖田隊長なら、ミスドの全品半額セールに寄ってくと言って、たった今帰っちゃいました。」
「ったく、あいつ何やってるんだ。」
お兄さんは休む間もなく新しいタバコに火をつけてる。かなりのヘビースモーカーみたいだ。
「このまま病院で電話かけても、らちがあかねー、いっそパトカーで店まで送ってやる方が早えな。名字さん、一人で立てるか?」
瞳孔開きっぱなしの彼の目が、一瞬優しくなった気がした。
「パトカー?」
「どうかしたか?犯罪をおかさずにパトカーに乗れる滅多にない機会だぞ。」
― パトカー??
― この人たちが警察???
「おっと、その前にやることが残ってたな。」
彼は坂田さんから財布をひったくり速攻で山崎さんに投げた。
「あっテメー俺の財布に」
「山崎~、窓口で治療費払ってこい、こいつは全く信用できねーからな。」
「副長、了解です!」
山崎さんは財布を持って走っていった。
「オイ!まとまった金ならこっちの封筒に、ちょっと!ジミーくん!」
ばつが悪そうに坂田さんが小走りで追いかけていく。
「僕たち本当に信用されてないなあ…。万年金欠なのは事実だけど。」
志村くんがため息をついた。
「俺が玄関に車つけたら、名字さんを連れてきてやってくれ。」
そういうわけで、私は「パトカー」で店まで送ってもらえることになった。
2014年9月16日UP