Day6 10月15日 朝 万事屋
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「いやいやいやいや、俺は彼女を外のキケンな世界に行かせねーためにワザと悪役を演じてみせたっ
「オメーが一番キケンなんだよ!カスが!!」
再び強烈な蹴りが入り銀さんは激しくせき込んだ。
「ごほっ、さっきのは単なる独り言っーか、フェミニストの俺が悪代官の真似するわけねェ…
壁にめり込んでる姿がかわいそうで思わず手を差し伸べる。
そうだよね、やっぱり思いとどまらせるための演技だったんだ。
髪の毛に絡まった壁のかけらをはたき落として咳払いをすると、上着で右手を拭いた銀さんはひざまずいて私の手をとった。
「銀さん??」
この立ち位置って、プロポーズのシチュエーションに似てるような…?
何が始まるんだろう。
「名前さん。」
「は、はい。」
「悪役ばかりの俺だけど、たまには、あなたのような美しいお嬢さんを護るかっこいい役を演じさせてくれませんか?わが命に代えても名前さんをお護りします。」
キラキラした真剣なまなざしから目が離せない。
「…。」
シリアスだったり、ちゃらんぽらんだったり、ドSだったり、銀さんは本当につかみどころのない人だ。
それに、天然なのか無自覚なのか不意にギャップを見せるのがムカつく。
「ちょ、ちょっと、銀さん。」
「なーんて、柄にもねェこと口にしても信じちゃくれねーか。でも俺は…、名前さんに嘘をついたりしねーよ。俺がそんな器用な男に見えるか?」
やけに銀さんがかっこよく思えてきて困る。
こういうのは反則だよ…、どう返事していいのかわからない。
「銀ちゃんはへったくそな芝居して女の子の手握りたいだけアル。またしばかれたいか?」
神楽ちゃんが銀さんを軽く突き飛ばしてくれたのでやっと手が離れた。
た、助かった…。
壁の残骸を全員で掃除していると、誰かが階段を上がってくる音がする。
「おはようございます~。遠くにいてもすさまじい音が聞こえましたよ、今度はどこ壊したんですか?」
新八くんは壁に出来た人型のへこみをみてあーあ、という顔をした。
「そういやぱっつあん来てなかったアル。」
「オィィィ!!」
「アレ、いなかったっけ?テレビ通販でメガネ売ってたから居ると思ってた。」
「ちょっとォォォ!!僕抜きで話を進めないでくださいよ!」
神楽ちゃんは口論の経緯を新八くんに説明した。
すると、新八くんはいきなり荷物を放りだすと、「すいまっせーん!」と額を床に擦り付けて土下座した。
「仕事を投げ出したって噂が広まると、今後の稼ぎに影響するので本当勘弁してださい。お願いします!」
私も正座をして、頭を上げてもらおうと肩をゆするけど、彼の言葉は口をはさむ余地を与えず怒涛の勢いで続く。
「ただでさえ収入は不安定で、豆パンしか口にできない日もあるのに、これ以上依頼が減ったらお通ちゃんのCDが買えなくなります!定春と神楽ちゃんを養っていけません!」
「オイ、俺の食い扶持(ぶち)はどうでもいいのかよ!」
「だからすいまっせーん!お願いです!考え直してください!」
世の中には、二種類の土下座される人がいる。
前者は、土下座を強要して快感を得る人。
後者は、土下座されて対応に困る人。
現状は後者だ、土下座する側だけど優位なのは新八くんだ。
周囲の責めるような視線が痛い。
今の私は完全に悪者だ。完全にアウェーだ。
悪いのは私じゃないのに。
悪いのは私をこの世界に連れてきた謎のパワーなのに。
「新八くん、さっき二人に言ったけど、万事屋を出ていくのはみんなのせいじゃな
「姉上は名前さんに会うのを楽しみにしてるんです!名前さんがいなくなったら、僕はなんて申し開きすればいいんですか?困っている友人を見捨てたとあっては、武士の風上にも置けないって勘当されます。僕を助けると思ってお願いします!」
「とにかく土下座はやめてよ、新八くんは悪くないよ。」
神楽ちゃんは泣きながら行っちゃダメアルと袖をつかんでくる。
「名前さん、本当の理由を打ち明けてもらえませんか?話してくれるまで、僕はここを動きません。」
「新八~お前はやればできる子だと思ってた!もっとやれ!!」
銀さんが神楽ちゃんと反対側にどっしりとあぐらをかいて座る。
定春くんまですり寄ってくる。
三人と一匹に囲まれた状態になった。
こういうの何ていうんだっけ、四面楚歌?
みんなは私が何か言うのをひたすら待っている。
すべてを話したらきっと楽になれる。
すべてを話したらきっと楽に…。
「オメーが一番キケンなんだよ!カスが!!」
再び強烈な蹴りが入り銀さんは激しくせき込んだ。
「ごほっ、さっきのは単なる独り言っーか、フェミニストの俺が悪代官の真似するわけねェ…
壁にめり込んでる姿がかわいそうで思わず手を差し伸べる。
そうだよね、やっぱり思いとどまらせるための演技だったんだ。
髪の毛に絡まった壁のかけらをはたき落として咳払いをすると、上着で右手を拭いた銀さんはひざまずいて私の手をとった。
「銀さん??」
この立ち位置って、プロポーズのシチュエーションに似てるような…?
何が始まるんだろう。
「名前さん。」
「は、はい。」
「悪役ばかりの俺だけど、たまには、あなたのような美しいお嬢さんを護るかっこいい役を演じさせてくれませんか?わが命に代えても名前さんをお護りします。」
キラキラした真剣なまなざしから目が離せない。
「…。」
シリアスだったり、ちゃらんぽらんだったり、ドSだったり、銀さんは本当につかみどころのない人だ。
それに、天然なのか無自覚なのか不意にギャップを見せるのがムカつく。
「ちょ、ちょっと、銀さん。」
「なーんて、柄にもねェこと口にしても信じちゃくれねーか。でも俺は…、名前さんに嘘をついたりしねーよ。俺がそんな器用な男に見えるか?」
やけに銀さんがかっこよく思えてきて困る。
こういうのは反則だよ…、どう返事していいのかわからない。
「銀ちゃんはへったくそな芝居して女の子の手握りたいだけアル。またしばかれたいか?」
神楽ちゃんが銀さんを軽く突き飛ばしてくれたのでやっと手が離れた。
た、助かった…。
壁の残骸を全員で掃除していると、誰かが階段を上がってくる音がする。
「おはようございます~。遠くにいてもすさまじい音が聞こえましたよ、今度はどこ壊したんですか?」
新八くんは壁に出来た人型のへこみをみてあーあ、という顔をした。
「そういやぱっつあん来てなかったアル。」
「オィィィ!!」
「アレ、いなかったっけ?テレビ通販でメガネ売ってたから居ると思ってた。」
「ちょっとォォォ!!僕抜きで話を進めないでくださいよ!」
神楽ちゃんは口論の経緯を新八くんに説明した。
すると、新八くんはいきなり荷物を放りだすと、「すいまっせーん!」と額を床に擦り付けて土下座した。
「仕事を投げ出したって噂が広まると、今後の稼ぎに影響するので本当勘弁してださい。お願いします!」
私も正座をして、頭を上げてもらおうと肩をゆするけど、彼の言葉は口をはさむ余地を与えず怒涛の勢いで続く。
「ただでさえ収入は不安定で、豆パンしか口にできない日もあるのに、これ以上依頼が減ったらお通ちゃんのCDが買えなくなります!定春と神楽ちゃんを養っていけません!」
「オイ、俺の食い扶持(ぶち)はどうでもいいのかよ!」
「だからすいまっせーん!お願いです!考え直してください!」
世の中には、二種類の土下座される人がいる。
前者は、土下座を強要して快感を得る人。
後者は、土下座されて対応に困る人。
現状は後者だ、土下座する側だけど優位なのは新八くんだ。
周囲の責めるような視線が痛い。
今の私は完全に悪者だ。完全にアウェーだ。
悪いのは私じゃないのに。
悪いのは私をこの世界に連れてきた謎のパワーなのに。
「新八くん、さっき二人に言ったけど、万事屋を出ていくのはみんなのせいじゃな
「姉上は名前さんに会うのを楽しみにしてるんです!名前さんがいなくなったら、僕はなんて申し開きすればいいんですか?困っている友人を見捨てたとあっては、武士の風上にも置けないって勘当されます。僕を助けると思ってお願いします!」
「とにかく土下座はやめてよ、新八くんは悪くないよ。」
神楽ちゃんは泣きながら行っちゃダメアルと袖をつかんでくる。
「名前さん、本当の理由を打ち明けてもらえませんか?話してくれるまで、僕はここを動きません。」
「新八~お前はやればできる子だと思ってた!もっとやれ!!」
銀さんが神楽ちゃんと反対側にどっしりとあぐらをかいて座る。
定春くんまですり寄ってくる。
三人と一匹に囲まれた状態になった。
こういうの何ていうんだっけ、四面楚歌?
みんなは私が何か言うのをひたすら待っている。
すべてを話したらきっと楽になれる。
すべてを話したらきっと楽に…。