ヒーロー
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1学期の期末テストが終わった土日、音駒も含めた梟谷学園グループで合同合宿が音駒で行われる。長いことやってきた合宿だそうだが、今年は宮城の烏野高校も参加するらしい。なんでも音駒の因縁の相手だそう。
今日は合宿の1日目。合宿なんて初めてだから、他校の人に挙動不審になったりしないかなと不安だが、犬岡くんが「そんなの大丈夫!」と励ましてくれていた。
「翔陽がギュン、ブワッってすげーんだぜ!」
「ぎゅん・・・」
今日の準備をしながら犬岡くんがゴールデンウィークの宮城遠征で烏野との練習試合の様子を教えてくれるのだが、全くわからない。
「犬岡、わかりやすく言ったれよ」
私にもだいぶ慣れてきた猛虎さんが通りすがりにこぼしていった。
「えっ、わかんねー!?まあ見ればわかるから、お楽しみに!」
「うっす」
親指をぐっと立ててにかっと笑う犬岡くんに、私はおどけて返した。ずいぶん馴染んだな、私も。
そんな話をしていたら、黒尾さんの声が体育館に響いた。
「他の学校の皆さんが来たから始めんぞー、挨拶しろー!」
合宿がはじまった。
◇
烏野は宮城から来るので遅れて到着した。
ドリンクの補充を終えたところに黒尾さんに「ちょっと来てー」と呼ばれたので体育館を出ると、烏野高校バレー部と思われる一団がいた。
そこで烏野の坊主の人と目があった。
「な、なに!音駒にもマネージャーが・・・!?」
「ふっ、見たか龍。これが音駒の実力よ!」
「なにぃぃぃ!」
猛虎さんが何故か勝ち誇ると途端に地面に頭を抱えてうずくまる坊主の人。
そういや猛虎さんが烏野に美人のマネがいるって力説してたっけか。なんの勝負だ。
ドン引きして冷ややかにその光景を眺めていたら黒尾さんに呼ばれた。そうだ、私は黒尾さんに呼ばれて出てきたのだった。
「おい、あいつらをあんま見るな」
「見たくて見たわけでは。黒尾さんの呼ぶタイミングがアレですよね」
「最近久原ちゃんたくましいよね。これ、うちのマネージャーの久原」
黒尾さんが私を烏野の人たちに紹介すると、黒尾さんは「手伝ってやってな」と私に小さい声で言った。
「おー!マネージャー入ったんだな!1年生?」
「はい」
泣きぼくろのある人に聞かれ、素直に答える。
「やっちゃん、同い年のマネージャーいてよかったなぁ!」
背の高い、後ろで髪を結んだ髭のある先輩(おそらく)が、眼鏡の女性の横で縮こまってる小さい女の子に声をかけた。
「は、はい!」
「初めまして、マネージャー3年の清水です。仁花ちゃんはまだ入って間もないからまだ慣れてないの。だからいろいろ教えてあげてくれるかな?」
清水さんがきれいな笑顔を向けて紹介してくれる。挙動不審で先輩への返答すら緊張している小さい子は仁花ちゃんというらしい。清水さんは美人すぎて近寄り難いけど、仁花ちゃんには親近感がわく。初めて会う人たちに私も緊張していたようで、少し肩の力が抜けて自然と言葉が出た。
「はい!よろしくお願いします!といっても、私もまだまだですが」
困ったように言うと、清水さんは「じゃあ一緒にがんばろう」とまぶしい笑顔で言ってくれた。
私や猛虎さんや坊主の人がその笑顔に見惚れていると黒尾さんが「んじゃ、アップして混ざって」と烏野の選手にうながし、ぞろぞろとみんな体育館に入っていった。
「水道の場所とか案内しますね」
清水さんと仁花ちゃんに校舎の女子が泊まる教室に荷物を置いてもらうと、私はマネージャーの仕事に使いそうな部分の案内を始めた。
2019.3.18
2019.3.22 加筆修正
今日は合宿の1日目。合宿なんて初めてだから、他校の人に挙動不審になったりしないかなと不安だが、犬岡くんが「そんなの大丈夫!」と励ましてくれていた。
「翔陽がギュン、ブワッってすげーんだぜ!」
「ぎゅん・・・」
今日の準備をしながら犬岡くんがゴールデンウィークの宮城遠征で烏野との練習試合の様子を教えてくれるのだが、全くわからない。
「犬岡、わかりやすく言ったれよ」
私にもだいぶ慣れてきた猛虎さんが通りすがりにこぼしていった。
「えっ、わかんねー!?まあ見ればわかるから、お楽しみに!」
「うっす」
親指をぐっと立ててにかっと笑う犬岡くんに、私はおどけて返した。ずいぶん馴染んだな、私も。
そんな話をしていたら、黒尾さんの声が体育館に響いた。
「他の学校の皆さんが来たから始めんぞー、挨拶しろー!」
合宿がはじまった。
◇
烏野は宮城から来るので遅れて到着した。
ドリンクの補充を終えたところに黒尾さんに「ちょっと来てー」と呼ばれたので体育館を出ると、烏野高校バレー部と思われる一団がいた。
そこで烏野の坊主の人と目があった。
「な、なに!音駒にもマネージャーが・・・!?」
「ふっ、見たか龍。これが音駒の実力よ!」
「なにぃぃぃ!」
猛虎さんが何故か勝ち誇ると途端に地面に頭を抱えてうずくまる坊主の人。
そういや猛虎さんが烏野に美人のマネがいるって力説してたっけか。なんの勝負だ。
ドン引きして冷ややかにその光景を眺めていたら黒尾さんに呼ばれた。そうだ、私は黒尾さんに呼ばれて出てきたのだった。
「おい、あいつらをあんま見るな」
「見たくて見たわけでは。黒尾さんの呼ぶタイミングがアレですよね」
「最近久原ちゃんたくましいよね。これ、うちのマネージャーの久原」
黒尾さんが私を烏野の人たちに紹介すると、黒尾さんは「手伝ってやってな」と私に小さい声で言った。
「おー!マネージャー入ったんだな!1年生?」
「はい」
泣きぼくろのある人に聞かれ、素直に答える。
「やっちゃん、同い年のマネージャーいてよかったなぁ!」
背の高い、後ろで髪を結んだ髭のある先輩(おそらく)が、眼鏡の女性の横で縮こまってる小さい女の子に声をかけた。
「は、はい!」
「初めまして、マネージャー3年の清水です。仁花ちゃんはまだ入って間もないからまだ慣れてないの。だからいろいろ教えてあげてくれるかな?」
清水さんがきれいな笑顔を向けて紹介してくれる。挙動不審で先輩への返答すら緊張している小さい子は仁花ちゃんというらしい。清水さんは美人すぎて近寄り難いけど、仁花ちゃんには親近感がわく。初めて会う人たちに私も緊張していたようで、少し肩の力が抜けて自然と言葉が出た。
「はい!よろしくお願いします!といっても、私もまだまだですが」
困ったように言うと、清水さんは「じゃあ一緒にがんばろう」とまぶしい笑顔で言ってくれた。
私や猛虎さんや坊主の人がその笑顔に見惚れていると黒尾さんが「んじゃ、アップして混ざって」と烏野の選手にうながし、ぞろぞろとみんな体育館に入っていった。
「水道の場所とか案内しますね」
清水さんと仁花ちゃんに校舎の女子が泊まる教室に荷物を置いてもらうと、私はマネージャーの仕事に使いそうな部分の案内を始めた。
2019.3.18
2019.3.22 加筆修正