ヒーロー
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音駒高校に入学して1か月ちょっと。
5月中旬とはいえ最近は暑く、早く夏服にならないかなぁ、なんてぼんやりと考えながら登校した朝だった。
朝のホームルームまで読みかけの本を読もうと、自分の席に着き鞄をあさっていた時だった。
「なぁなぁ、久原って部活やってる?」
クラスで群を抜いて背の高い男が、エナメルバッグを肩からかけたまま私の机の前に立っていた。
銀髪とエメラルドグリーンの瞳が印象的な灰羽リエーフが私を見下ろしている。確か、バレー部だったっけ。
「え・・・。やってないけど」
同じクラスとはいえ、話したのは初めてだった。
私は人付き合いが苦手だし、運動部の元気な子たちなんて怖くて話かけることすらできない。
灰羽くんはいつもはきはき話しているし、友達も多そうだ。
どちらかと言えばクラスの中心にいるタイプ。
クラスの隅でひっそりと生きている私とは生きる世界が違うのだ。
「だよな!中学は帰宅部って自己紹介で言ってたし!」
よく覚えてるな。その通り。私は万年帰宅部だ。
一人で居るのが全く苦にならない、というかむしろ楽しい。
それに、特にやってみたい部活もなかった。
目指したいものとかがんばりたいこともなく、マンガとか本を読んで穏やかな今日を過ごせれば幸せ。
だから、高校でも部活には所属していない。
それにしたって、中学で帰宅部だからって高校もそうだとは、決めつけすぎじゃない?
「まぁ、ね」
苦笑しながら相槌をうつ。
「じゃあさ、マネージャーやんない?」
ずいっと笑顔で迫って来る灰羽くん。
「え、や、やらない」
だって運動部でしょ?絶対怖い・・・。
中学の時も、クラスの政権を握っていたのは運動部とかの明るく元気な人たちだった。
「なんでだよー。勉強?まじめそうだもんな。でも勉強ちゃんとやりながら部活やってる先輩もたくさんいるぞ!」
「私にはできないよ。運動部ってすごく厳しそうだし」
灰羽くんはむぅ、と少し考えてから
「わかった。また来るから」
と言って自分の席へと向かってしまった。
・・・え。また来るの?
5月中旬とはいえ最近は暑く、早く夏服にならないかなぁ、なんてぼんやりと考えながら登校した朝だった。
朝のホームルームまで読みかけの本を読もうと、自分の席に着き鞄をあさっていた時だった。
「なぁなぁ、久原って部活やってる?」
クラスで群を抜いて背の高い男が、エナメルバッグを肩からかけたまま私の机の前に立っていた。
銀髪とエメラルドグリーンの瞳が印象的な灰羽リエーフが私を見下ろしている。確か、バレー部だったっけ。
「え・・・。やってないけど」
同じクラスとはいえ、話したのは初めてだった。
私は人付き合いが苦手だし、運動部の元気な子たちなんて怖くて話かけることすらできない。
灰羽くんはいつもはきはき話しているし、友達も多そうだ。
どちらかと言えばクラスの中心にいるタイプ。
クラスの隅でひっそりと生きている私とは生きる世界が違うのだ。
「だよな!中学は帰宅部って自己紹介で言ってたし!」
よく覚えてるな。その通り。私は万年帰宅部だ。
一人で居るのが全く苦にならない、というかむしろ楽しい。
それに、特にやってみたい部活もなかった。
目指したいものとかがんばりたいこともなく、マンガとか本を読んで穏やかな今日を過ごせれば幸せ。
だから、高校でも部活には所属していない。
それにしたって、中学で帰宅部だからって高校もそうだとは、決めつけすぎじゃない?
「まぁ、ね」
苦笑しながら相槌をうつ。
「じゃあさ、マネージャーやんない?」
ずいっと笑顔で迫って来る灰羽くん。
「え、や、やらない」
だって運動部でしょ?絶対怖い・・・。
中学の時も、クラスの政権を握っていたのは運動部とかの明るく元気な人たちだった。
「なんでだよー。勉強?まじめそうだもんな。でも勉強ちゃんとやりながら部活やってる先輩もたくさんいるぞ!」
「私にはできないよ。運動部ってすごく厳しそうだし」
灰羽くんはむぅ、と少し考えてから
「わかった。また来るから」
と言って自分の席へと向かってしまった。
・・・え。また来るの?
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