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赤葦くんっていつもクールなんだよね。
この前、教室に蜂が迷い込んできたときも微動だにしなかった。そりゃ動かないほうがいいのかも知れないけどさ。蜂だよ?刺された嫌じゃん。取り乱すじゃん。
だから、赤葦くんの飄々とした表情以外は見たことない。
そんな赤葦くんが取り乱すことってあるんだろうか?
◇
今日は日直の子が風邪でお休みだから、先生とたまたま目が合ってしまった私がその子の代わりを務めることになった。先生の方なんかみなけりゃよかった。と思ったが、なんと日直のペアが赤葦くんなのだ。ラッキー!これは赤葦くんを乱すチャンスだ。
放課後の教室で2人で日誌を書く。大したことを書くわけじゃないので5分もあれば片付いてしまうから、仕掛けるなら今しかない。
自分の分のコメントを書き終えたので、赤葦くんにもコメントを書いてもらわなければならない。普通ならここで「赤葦くんもコメント書いて~、そしたら私が職員室に持ってくよ☆」って言うんだけど(いやさすがにキャラじゃないからこんなきゃぴっとは言わないけど)、赤葦くんを乱すために私は勝負に出た。
「けっ、京治くん!」
突然下の名前を呼ぶ作戦を敢行した。
がしかしミスった!なぜそこでつまずくんだ私!さらっと言って「何か変だった?」みたいな態度でいようと思ったのに、作戦が総崩れだよまったく。
顔を引きつらせて赤葦くんを見ると、赤葦くんの目がいつもより少し見開かれている気がする。
お?作戦、意外に成功か?
と思ったが次の瞬間、赤葦くんがニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。
「なに、あずさ。」
初めて赤葦くんに下の名前で呼ばれた。うっすら弧を描いた口元に、どんな反応をするかを楽しんでいる目。はぁぁぁぁ、イケメンの破壊力!その不敵な笑みにドキっとしてしまった。赤葦くんを乱すつもりが、取り乱しているのは完全に私だ。作戦失敗。
「や、あの、え~っと、ほら!コメント赤葦くんも書いて!」
「あれ、名前で呼ばないんだ。」
「いや、あの、勝手に呼んでゴメンナサイ。」
「あずさって、かわいいよね。」
「はひ!?」
口をぱくぱくさせる私のあほ面を、机に頬杖をついた赤葦くんがにやにやと見つめてくる。窓から差し込む夕日に照らされたその顔はやっぱりクールでかっこいい。
だめだ、赤葦くんにはかなわない。
乱された私の心をどうしてくれる。
続編→加速する愛を一から定義せよ
2019.2.8
2019.5.1 加筆修正
title: Bathtub
この前、教室に蜂が迷い込んできたときも微動だにしなかった。そりゃ動かないほうがいいのかも知れないけどさ。蜂だよ?刺された嫌じゃん。取り乱すじゃん。
だから、赤葦くんの飄々とした表情以外は見たことない。
そんな赤葦くんが取り乱すことってあるんだろうか?
◇
今日は日直の子が風邪でお休みだから、先生とたまたま目が合ってしまった私がその子の代わりを務めることになった。先生の方なんかみなけりゃよかった。と思ったが、なんと日直のペアが赤葦くんなのだ。ラッキー!これは赤葦くんを乱すチャンスだ。
放課後の教室で2人で日誌を書く。大したことを書くわけじゃないので5分もあれば片付いてしまうから、仕掛けるなら今しかない。
自分の分のコメントを書き終えたので、赤葦くんにもコメントを書いてもらわなければならない。普通ならここで「赤葦くんもコメント書いて~、そしたら私が職員室に持ってくよ☆」って言うんだけど(いやさすがにキャラじゃないからこんなきゃぴっとは言わないけど)、赤葦くんを乱すために私は勝負に出た。
「けっ、京治くん!」
突然下の名前を呼ぶ作戦を敢行した。
がしかしミスった!なぜそこでつまずくんだ私!さらっと言って「何か変だった?」みたいな態度でいようと思ったのに、作戦が総崩れだよまったく。
顔を引きつらせて赤葦くんを見ると、赤葦くんの目がいつもより少し見開かれている気がする。
お?作戦、意外に成功か?
と思ったが次の瞬間、赤葦くんがニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。
「なに、あずさ。」
初めて赤葦くんに下の名前で呼ばれた。うっすら弧を描いた口元に、どんな反応をするかを楽しんでいる目。はぁぁぁぁ、イケメンの破壊力!その不敵な笑みにドキっとしてしまった。赤葦くんを乱すつもりが、取り乱しているのは完全に私だ。作戦失敗。
「や、あの、え~っと、ほら!コメント赤葦くんも書いて!」
「あれ、名前で呼ばないんだ。」
「いや、あの、勝手に呼んでゴメンナサイ。」
「あずさって、かわいいよね。」
「はひ!?」
口をぱくぱくさせる私のあほ面を、机に頬杖をついた赤葦くんがにやにやと見つめてくる。窓から差し込む夕日に照らされたその顔はやっぱりクールでかっこいい。
だめだ、赤葦くんにはかなわない。
乱された私の心をどうしてくれる。
続編→加速する愛を一から定義せよ
2019.2.8
2019.5.1 加筆修正
title: Bathtub
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